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辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
119/401

119 冒険者Aさんと持込用素材

あらすじ:むっちむちでたゆんたゆんはシャイボーイには目の毒なのです。


視点:Eランク冒険者 ソーサラーLv1 ノブユキ・ムトウさん

『』:アルファさん


「あらあら、やってるわね~」


「おお! これはこれは!

 皆さん頑張ってらっしゃいますね!(たわわ~ん)」


(ガッシガッシ、スパッスパッ)


「あら? マリさんとチヨさんじゃありませんか。

 チヨさん、お久しぶりですね~」


『ん? おー! マリちゃんにチヨちゃんやんか。

 チヨちゃん、ほんまお久やな~。

 キミもこっちへ来てるんは聞いてたけど

 この町へ戻ってきとったんやな~?』


「え? あ、母様とチヨお姉様。

 今日はもうギルドのお仕事はよろしいんですか?」


「ええ、今日はお昼までなのよ~。

 昨日シゲちゃん達が帰ってきた時に

 ここで剥ぎ取り作業するって聞いたから、ちょっと見物にね」


「あ、これどうぞ、差し入れの飲み物です。(がささっ)

 うーん、それにしても、中々広い所で作業してるのですね。

 こんな丁度いい場所が、よくありましたねー?(たわんっ)」



 ここは、トウタロウさんの馬車工房の裏手にある広場。


 さすがに馬車を作るのも置くのもスペースが要りますしね。


 納品しなかった10匹程の【ノール】の剥ぎ取り。


 今日は朝からここで作業を行ってるんです。


 ・・・まあ最も、シートを敷いたり台を出したり


 午前中はほぼ下準備で終わりましたけど・・・。


 どうやら、お師様は討伐前に、既に約束をしておられたそうで


 滞りなく、この場所を借りれました・・・さすがお師様です。



『せやろ?

 持ち込み先の鍛冶工房も、すぐ近くで

 人数分の道具借りれるしなー。

 おまけに、後で馬車も借りる予定やから

 一石二鳥どころか、三鳥も四鳥も、お得なんやわ~』


「あらあら、それはお得ね~。

 それにしても、大人数なのね?

 討伐に行っていなかった子も居るみたいだし」


「あー、それはですね。

 他の方の分も作りたいって事でしたので

 素材代や製作代はこっちで持つので

 代わりに労力で支払ってもらってるんですよー」


「ああ、なるほど!(ばいーーん)」



 今日の剥ぎ取り参加者は、お師様とミケお姉様とサクと私。


 討伐で頑張ってくれた、ロバートさんにサバミソ君にモブコさん。


 そして、モブコさんのお友達で、元冒険者のライムグラスさんに


 【ズールの鍛冶工房】からは、娘のノースさんが参加してます。


 後は、勝手に着いて来た、クニ姉様とシゲも参加してますけど


 それよりも、一番謎なのが・・・。



「あら? あなた~。

 朝から出かけたと思ってましたけど、ここに居たんですの?」


「ええっ!? 朝に、ちゃんと伝えたぞ!?

 そもそも、クニちゃんとシゲちゃんと一緒に出たしっ」


「あらあらあら? そうでしたっけ?

 ・・・まあ、いいじゃないの、うふふふ。

 あなたも頑張ってね~(ひらひら)」



 そう、なぜか父様が一緒に来たんですよね。


 まあ、良い素材と聞いて、母様に送りたいとの事でしたので


 お師様とミケお姉様も許可を出されたそうです。


 ノースさんは経験を積むのに丁度良いとの事で


 ご両親にお願いされました。


 うん、やはり、年若いとは言っても、さすがに慣れてるようで


 同じぐらいの年齢のサクと比べたら


 捌く速度も精度も全く比べ物になりませんね。



「くのっ! このっ!?

 大きいからやりにくいぃぃ!!

 アタイが苦戦するなんてっ!!」


『わはは、ノースちゃんも剥ぎ取りからは

 まだまだ慣れとらんねんなー。

 あ、頭は落とすんやで・・・そうそう!

 首んとこでぐるっと切り落としたらええわー』



 まあ、それでも、素材からではなく


 素材にする作業は慣れてないみたいで


 本人は結構苦戦してるみたいですね。


 ・・・それよりも、意外、と言うと失礼かもしれませんが


 意外だったのがライムグラスさんですよね。



「(サパッサパッサパッ)ほいほいほいっと。

 ここは、こんな感じかなぁ?

 にひひひ! 結構良い感じ!」


「えー!? ライス、もう、そこまで剥いだの!?

 何か、前よりも上手くなってない?」


「えー? そう?

 あーーー、ほら! あれじゃない?

 アタイ、今は給仕だけじゃなくて

 たまに厨房で下ごしらえも手伝わせてもらってるし

 料理も少しできるようになったから」



 あ、なるほど。


 料理の具材の下ごしらえで、鍛えられたんですね。


 納得しました。



「サバミソ、足の脛辺りにぐるっと一周切れ込みを入れて

 お腹からそっちへ向けて割いていくと、剥ぎやすいですわよ。

 ・・・そうそう、そんな感じですわ。

 まずは割いた箇所から順にナイフで軽く剥いでいって

 足周りを全部剥いでからお尻や胴を剥ぐんですよー」


「わ、わかりました、うおっ」



 お師様とミケお姉様は、早朝から内臓取りと血抜きをされて


 今は、剥ぎ取りの仕方を教えて周ってらっしゃいます。


 私も、先程アドバイスを頂きました。


 なるほど、尻尾は取らないと駄目だったのですね。


 根元周りをかなり大きめにぐるっと・・・なるほどなるほど。



「うぬっ!? ぐぬっ! 愛するマリの為っ!」


「あれ? こう!? ええい! ユキちゃんとお揃いの為!!」


「ん”ん”ん”っ!? 負けない! 兄上とお揃いの為!!」



 ・・・うん、あの人達は放っておいても良さそうですね。


 私の誂えは、絶対お師様とお揃いにしてもらわないと!!


 ふふ、お師様とお揃い・・・うふふふ(ぽわーーーーん)



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




『そんじゃ、大体剥ぎ終わったなー?

 そしたら、骨やら何やらは全部横の【聖鉄缶】に放り込んで

 台の上に皮を広げるんやでー』


「ここまでは、クエスト中でもできる剥ぎ取りですね。

 ギルドへの納品は、この状態で十分すぎるぐらい十分です。

 それで、ほぼ素材代は満額もらえますからねー」


「モブコ~、アタシ達って

 ここまで丁寧にやらなかったから

 いつも満額もらえなかったんだね・・・」


「・・・うん、そういう事だよね、ライス」


「こ、今回、ギルドに納品した分って満額だったのかな?」


「あらあら~、それはね、ロバートさん。

 今回は納品が必須じゃないクエストだったから

 よほど品質が悪くない限り、全て定額だったのよ~?」


「なるほど、そうだったんですね、うおっ」


「ぜいぜぃ・・・」

「ふうふぅ・・・」

「はぁはぁ・・・」



 ・・・何故、私の身内はこれほど疲労してるんでしょうか?


 まあ、そんな事はどうでも良いですよね。


 それにしても、さすがお師様とミケお姉様です!!


 【冒険者ギルド】での{採取クエスト}の納品時に


 満額になる基準の素材状態まで教えてくださるなんて・・・!!


 これが、【冒険者】にとって、どれだけ貴重な情報なのか


 皆さん、本当に分かってらっしゃるんでしょうか・・・?



『さて、そんじゃー。

 次は素材を工房へ持ち込む為の仕上げをやるからなー』


「仕上げ・・・ですか? うおっ」


「そうですよー? 仕上げの処理をしておけば

 お店に持っていっても、高い金額で買って貰えますし。

 一応は自分で露店売りというのも可能ですよ?

 まあ、日持ちはしないので、あまりオススメはしませんけどね。

 今回みたいに、何かを作って貰おうと思って

 工房に直接持ち込む場合でしたら、手間が省けるので

 工房側にも喜ばれますし、製作期間も短縮できます。

 何より、出来上がりの品質も良くなるでしょうし。

 少し手間はかかりますが、良い事ずくめなのですよ」


「へえ! それは良いですね!

 アタシ頑張るよ! ね? モブコ!」


「う、うん、私も頑張るよ!」


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 ▽ 並行して連載中 ▽
↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



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