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辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
118/401

118 冒険者Aさんと母上~~~!!

あらすじ:討伐が終わったら小宴会がデフォです。


視点:上級行者 ニンジャLv8 チヨさん

『』:アルファさん


「「母上! 今戻りましたでござる!」」


「あら~、お帰りなさい、クニちゃんシゲちゃん」


「おや!? お帰りなさい! クニちゃんにシゲ君!

 何でも{討伐クエスト}に同行されたとか?(ばいんばいーん)」



 ・・・ふむふむ。


 マリちゃんが教導の為に、この【タンゴの町】へ


 臨時のサブギルドマスターとして招聘されたから


 私は一足先に現地入りして、王都でもある【キロの町】へ


 色々と調査しに行っていたんだけど。


 この町へ戻ってきて合流してみれば


 ユキちゃんは{アルファさんの弟子}という


 以前からの希望がやっと叶ってて実にめでたいわね。


 そして、以前から少し問題有るかな? と思っていた


 クニちゃんとシゲ君だったけど、帰ってきた顔を見る限り


 中々、良い表情になってるじゃないですか!?


 うんうん! どうやら良い経験をしてきたみたいね。



「あ! お帰りなさいでござる、おチヨ殿っ!!」


「(かああっ)お、お、お帰りなさいでござる! おチヨ殿!!

 もう王都から戻ってきてたんですね!?

 お役目、本当にお疲れ様でござる~~(ちらっちらっ)」


「あははは!(ぶるんぶるん)

 2人共、相変わらずお元気ですねっ!(むちむちーん)」


「・・・はっ!! そうだ! は、ははうえ、母上っ!!」

「・・・はっ!! そうそう、母上っ!! お聞きしたい事がっ!!」


「あらあら~。

 とりあえず、落ち着きなさい2人共~。

 お茶でも飲んで一服してから、ゆっくり話してくれるかしら」



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




「マリちゃん、これって・・・」



 ・・・・・・うん。


 要は、落ち着いて対処するという事と、構えは小さく自然に。


 理想としては、最後まで攻撃気配を悟らせずに仕留める。


 武に身を置く者としては当然よね・・・・・・当然なんだけど。


 これはむしろ、マリちゃんや私の責任よね?


 たまに、2人に稽古つけてあげた時は、大体興が乗ってて


 派手な演劇のような大立ち回りで相手してたから


 そっちを目標にしちゃった可能性が・・・。


 この年頃の子達だと、やっぱり、地味で堅実な戦い方よりは


 主役的な、派手で格好良い見た目を選んじゃうわよね・・・。


 うーん、ユキちゃんは理解してたから、私達も油断してたわ。



「あら~~、多分そうね~、チヨちゃん。

 2人共、ごめんなさいね~。

 それはね? アルファさんの言う通りなのよ~」


「ええーーーー・・・」


「・・・やはり、そうなのでござるか」


「えーっと、そうねぇ。

 何て話せばいいかしら~」


「あははは! では、私が説明しましょうか。

 私自身の腕前は、一流に届いてませんけど

 見て分析するのは専門ですからね!(ばるんばるーん)

 天才肌で感覚派なマリちゃんよりは、うまく説明できるかな」


「(でれっ)お、お願いしますっ、おチヨ殿っ(ふんすふんす)」


「うーー・・・お願いします」


「あらあら~。

 じゃあ、お願いするわね、チヨちゃん」


「では・・・おほん! お2人共。

 例えば、達人同士の戦いとは、どの様なものだと思いますか?」


「えっ? ・・・つ、強い方が勝つ!!?」


「達人同士・・・一撃必殺でござるか?」


「あらあら、うふふふ(くすくす)」


「・・・答えはね、読み合いなの」


「「読み合い?」」


「そうよ~? シゲちゃん、クニちゃん。

 一手読み間違えれば、即、致命傷。

 ・・・あら? そういう意味では

 一撃必殺も間違いと言う訳じゃないのかしら~」


「一撃必殺・・・」


「どんな達人だったとしてもね?

 人間の動体視力や反応速度には限界があるわ。

 実際にね、振られた武器だけを見て避けるなんて

 人間には到底無理なのよ。

 ま、神様や他種族だったら限界はもっと先かもしれないけどね?」


「えっ!?

 それは、母上でも無理なのでござるかっ!?」


「それはそうよ~。

 あなた達のお母さんは、普通の人間なのよ~?」


「・・・母上は絶対に普通では無いと思うのでござる」


「で、ですが、母上達は、攻撃を見てから回避してるでござるよね?」


「それは、シゲ君。(ばい~~~ん)

 武器を直接見てる訳では無いの。

 武器と武器を振る体の動きから、予測して避けてるのよね」


「よ、予測?(あわわわわ)」


「そうよ~?

 相手の構え、攻撃方法からだけでも

 どこをどう狙ってくるか、ある程度分かるでしょ?

 例えば、シゲちゃん。

 相手が正眼に構えて、大きく右上段で振りかぶったら?」


「・・・あ・・・た、確かに。

 当たる範囲は大体予測できるでござる、母上」


「つまりはそういう事なのよ、シゲ君にクニちゃん。

 さらに細かく突き詰めるなら、相手の体の向きや踏み込んだ足。

 肩や腕の動きに目線なんか、分かり易い情報源よね?(ぼいんっ)

 そして、相手の武器の形状、間合いが分かっているのなら?

 これだけ揃っていたら、避けれない方が不思議なぐらいよね?

 達人になればなるほど、そういった相手の情報の読み合いになるの」


「な、なるほど!

 確かに母上や、おチヨ殿の言われる通りでござる!(ちらっちらっ)」


「う・・・確かに・・・」



 まあ、本当の達人同士だと、一撃、二撃で必殺は当たり前。


 攻撃が当たっても外れても隙ができるから


 一手の読み違いが命取り。


 だから、さらに一段先、攻撃気配自体の読み合いに変わるのよね。


 最も、私はそこまでの領域に達してないし


 達したいとも思わないのだけどね・・・心臓に悪いし。



「うふふふ。

 チヨちゃんが説明してくれた通りよ? 2人共~。

 だから本来は、相手に自分の情報を与えない為にも

 自然に動いて、構えも極力小さくするのよ~。

 自分は手の内を見せず、逆に相手の手の内を読むの。

 ・・・・・・あっ!

 ちなみに、相手が人間じゃなくても同じよ?

 相手が例え、亜人でもモンスターでも神様でも同じ。

 相手を刺激しない様に自然に動いて

 相手がこちらの攻撃気配に気付く前にズンバラリン~。

 どう? これで、疑問は納得できたかしら?」


「はい、母上! ん? 神様?」


「あ、はい! ・・・え、神様?」



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




「ところで、2人共、明日はどうするの~?

 私もチヨちゃんも午後は空いてるし

 訓練所借りて、訓練でもしてみる?」


「それも良いわね、マリちゃん。

 {鉄は熱い内に打て}って言うし

 せっかく、やる気になってる今なら

 身に付き易いだろうしね?(ぼい~~ん)」


「・・・あっ、も、申し訳ありません、母上におチヨ殿。

 伝えるのを忘れてましたが、明日は予定が・・・」


「母上、おチヨ殿、すみませんが

 明日は、剥ぎ取って暖かいコートを入手するのでござる!」


「え? コート? 入手? クニちゃん???

 ・・・あらあら~、シゲちゃん、どういう事?」


「あ、えーっとですね、母上。

 今日討伐したモンスターの毛皮がですね。

 コートや手袋などに向いているという事でして

 せっかくなので、素材はギルドに納品せず

 直接工房へ持ち込むことになったのでござるよ」


「あらあら、うんうん」


「それで、剥ぎ取って入手してゲットなのでござる!(ふんすっ)」


「・・・えっと? シゲ君?(たゆんたゆ~ん)」



 う、うーーーーん・・・・・・クニちゃんは相変わらずね。


 困った所がある2人だけど、シゲ君の方はまだ見込み有りかな。


 こうやって、クニちゃんの抑えと要訳で鍛えられてるっぽいし。


 ・・・・・・それにしても、シゲ君って、私が苦手なのかな?


 いつも、ちらちら見るだけで、目を合わせてくれないし。


 目が合ったら合ったで、顔真っ赤にして目を逸らしちゃうし?



「(ちらちらっ)え、えっと、それは・・・」


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 ▽ 並行して連載中 ▽
↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



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