117 冒険者Aさんとごほーこく ④
あらすじ:囲んで追い込んでフルボッコにしました。
視点:タンゴの町 ギルドマスター ブラボーさん
『』:アルファさん
「討伐ご苦労さんじゃったな。
で、殲滅したんじゃろ?」
『うんにゃ? 殲滅はしとらんで?』
「・・・は?」
「・・・えっ?」
「ん~? ああ、なるほど~~」
んんん? どういう事じゃ?
アルファ達が手負いの【ノール】の群れの討伐から帰ってきたから
リマとマリさんにも来てもらって
応接室を使って、詳しい話を聞く事になったんじゃが。
殲滅しとらん・・・じゃと?
・・・・・・あやつがか?
うーむ、マリさんも何か納得しとるようじゃし。
失敗ではないのかもしれんな。
何か別の意図でもあるんかのう?
「えっと、アルファさん。
説明をお願いできますか?」
『わはは、もちろんや、リッちゃん~
ところで、後で{クエスト達成お疲れさん!}の宴するんやけど
リッちゃんやマリさんも終わったら参加せ~へん?
俺的には大歓迎なんやけど~?(きゅぴーん!)』
「・・・いえ、私は結構です。
一緒に参加された方達だけで楽しんで下さい」
「あらあら、うふふ、リマさんったら~。
あっ、お誘いは嬉しいですけど
私も今日は遠慮しておきますわ。
あの子達の事は、本人達が帰ってから直に聞きたいですし」
「うっ、宴・・・じゃと!? 俺は?
俺は参加してもいいじゃ 「駄目です!」 ・・・ろ?」
「駄目に決まってるじゃないですか、ギルド長。
何寝ぼけた事おっしゃってるんですか? ギルド長。
これから、討伐の記録とか纏めるんですから
諸々の処理があるでしょ? 分かりますよね? ギルド長。
分からないとかおっしゃいませんよね?
ぶっ飛ばしますよ? ギルド長・・・(こおおおおおおお)」
「!? お、お、お、おう・・・(ぞくぞくぞくっ)」
何じゃ!? こ、怖っ!?
ここ数日、リマのやつ急激に迫力が増しとらんか!?
まるで、王都で冒険者やっとった時みたいじゃ・・・。
「あらあら~、リマさん。
せっかく綺麗なお顔のに、怖い表情したらもったいないわよ~?
ね? アルファさんもそう思うでしょ?」
『いやいや、マリちゃん。
俺はリッちゃんのそういう表情も可愛いと思うで~?
まっ、一番良い表情しとるのは、安堵した時とかに
フッと見せる、柔らかい表情やけどな!!!
いや、ホンマ、アレは最高やな!』
「(かあああああ)え・・え・・ええっ!?
何でそんなの見てるんですかっ!!!!!?
わ、忘れてください!!!」
「うふふ、照れたリマさんも良いわね~(にこにこ)」
「も、もうっ!!! 私の事はどうでもいいんですっ!!!
マリさんもからかわないで下さいよっ!!!
と、と言うか、アルファさん!
そんな事よりも報告して下さいよ、報告っ!!」
「・・・・・・」
何か、俺すごい疎外感感じるのはなぜじゃろな。
・・・ううむ、やはりリマのやつ、何か元気になっとらんか?
『わはは、まー。
リッちゃんとイチャイチャする 「してませんよっ!?」 のは
また今度にしとくとして、とりあえあず報告やなー』
「・・・・・・はあっ・・・(じとーーーー)」
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▽ ▽ ▽
▽
「つまり、群れを率いてるっぽいのを含めて
残りの3匹はあえて逃がしたと言う訳ですか?
・・・うーん、大丈夫なんでしょうか・・・。
復讐を考えて戻ってきたり
他所の人里に被害が出たりはしませんか?」
『まーーー、そこは大丈夫やと思うけどなー、多分』
「・・・多分なんですか?(じとーーーー)」
『わはは! リッちゃん、そんな情熱的に見つめたら
俺もドキドキしてまうやん 「しなくていいです」 かー!?
・・・・・・ま、実際、心配いらんやろ。
逃がす時に、ミケにきつめで威圧させといたし』
「・・・威圧・・・ですか? ミケニャンさんが?」
「あら? それだったら大丈夫ね~。
恐怖心植え付けられてるなら、何年か経って数が増えたとして
その時に群れの長が代替わりしたとか・・・じゃ無い限り
それまでは、他所と関わり持とうとしないでしょうね。
少なくとも、絶対こちらへは来ないわね」
「・・・え? でも、ミケニャンさんですよ?」
「そうよ~?」
『せやで?』
・・・まあ、リマが知らんでも無理は無いかのう。
と言うか、あのタヌキ娘・・・いや、この主従か。
こやつらの事を、ちゃんと理解しとるもんは
この町じゃ、外部から来た極一部の奴だけじゃろうし。
「まあ、リマよー。
それに関しては、俺が保証人になるから
大丈夫って事にしといてくれや。
そんな感じで処理してくれるか?」
「あら、だったら私も保証人になるわ~。
リマさん、保証人は連名にしておいてくれるかしら~?」
「え、は? はあ・・・了解しました。
ではマリさん・・・あと、ついでにギルド長の連名で
このクエストは達成処理させて頂きますね」
「え? 俺ついでなの?」
『まあ、ええやん、ブラボーのじーさん。
細かい事気にしとったらハゲるで~?』
「ぬなっ!? 誰がハゲじゃ!!!?」
『わはは、怒らんでもええやん~。
ま、ま、今度ええもん持ってきたるから! な?
中々、美味いやつやから期待しといてええでー?』
「う、うむ?
そ、そうか。
まま、ええじゃろ」
「(ちょろい)」
「(ちょろいわね~)」
『・・・あっ!
ちゃ~んと、リッちゃんとマリちゃんの分も用意しとくから
期待しとってなー?』
「いえ、私は結構ですので」
『そんなーーー!?(がーーーん)』
・・・なんじゃい、俺だけに・・・じゃないのか。
うーーーむ、何かごまかされた気がするが、まあよい。
こやつが期待して良いと言う事じゃし
やはり、期待せざるをえんよな!!?
「あらあら~。
それにしても・・・良いわね~。
アルファさんのその呼び方」
「・・・・・・えっ!? よ、呼び方?
ま、マリさん? 唐突に何のお話でしょうか・・・」
「うん、決めたわ! リマさん。
私も今度から{リッちゃん}って呼ばせてもらうわね?
これは、サブギルドマスター権限!
はい! けって~~い!!」
「・・・ぇええええええええええっ!!!?」




