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辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
114/401

114 冒険者Aさんと剥ぎ取れっ! 素材っ!

あらすじ:初めての2人が頑張りました。


視点:Dランク冒険者 ファイターLv3 モッブコットンさん

『』:アルファさん


「こっちは素材の剥ぎ取り終わりましたよ、ユキさん」


「ありがとうございます、モブコさん。

 こちらも、もう終わりますので、少し休んでいて下さい」


「はーい、じゃあ、そうさせてもらいますねー(すたすた)」



 よっこいしょっと・・・やだっ、お年寄りっぽかった!?


 ま、まあ疲れたから仕方ないわよね。


 ふうっ、それにしても、あれから2組来て、全部で6匹。


 20匹ぐらいの群れだったら、既にかなり減ってるわよね?


 今、ミケニャンさんが群れの中心を確認に行ってる間


 私達は狩った【ノール】の素材を剥ぎ取ってた訳だけど


 【ノール】って、良い素材はあまり獲れないのね・・・。


 肉は食用に向いてなくて、骨もそこまで硬くも太くもない。


 牙も、体の大きさの割りに小さいからやけに取り難い。


 というか価値もなさそうなので、牙の採取は諦めたわ。


 せいぜい毛皮ぐらい? 皮は柔らか目で毛が長めだから


 防具の素材よりはマントとかコートとか、防寒具向け?



(ガササササササッ、すたっ)


「はいはい、皆さん、ミケお姉様が戻りましたわよ~」


「あ、おかえりなさいミケ姉さん、うおっ」


「お疲れ様です、ミケお姉様」


「お帰りなさい、あれ? サクちゃんは?」


「はいはい、ただいまですわよ~。

 サクさんはそのままご主人様の方へ合流させましたわ。

 もう囮パーティをやる必要は無いですしね」


「み、ミケさん、剥ぎ取りは大体終わったんだな。

 でも、毛皮ぐらいしか獲れる物が無かったんだども?」


「まあ、そんなものでしょう。

 モンスターと言っても、大きいだけのワンコロですからねー。

 武器も自分達で作る技術とか習慣無いですし。

 毛皮獲れたなら十分ですわー」



 ああ、やっぱりそうなんだ。


 武器はどっかから拾ってきたのかな、ボロボロの粗悪品。


 防具も・・・防具? 布とか何かの皮を巻いただけよね、アレ。


 長く丈夫な毛だから、防具は要らなかったのかな?



「う、うーーーん・・・(さわさわ、ばふばふばふ)

 【ノールの毛】って、い、良い品質だで。

 長くて暖かそうなのに、すごく丈夫そうなんだな」


「おー・・・前から思ってたんですけど

 ローは商隊で働いていただけあって

 結構目利きができますよね、良い事ですよ!

 そうなんです、【ノールの毛】は丈夫で温かいので

 防寒着とかにはぴったりなんですよねー」


「あ、やっぱりそっち向きなんですね。

 戻ったら、納品分から少し分けてもらって

 この素材で、コート作って貰おうかなぁ。

 ・・・そうだ!

 可能だったら、ライスの分も・・・」


「あ~~~良いですね~~~。

 どうせだったら、ご主人様にお願いして

 全員のコートを作るのもありですわ~。

 ゼークスさんの工房に素材持ち込んだら

 良いの作ってくれそうですしね。

 今回はあくまでも{討伐クエスト}ですし

 素材の納品は任意という事ですから

 多分、問題ないと思いますわよ」


「ふわっ!!?」



 わわっ! これはチャンスかも!?


 素材いっぱい使わせてもらえそうだし


 暖かいコートだけじゃなくて


 防寒用のブーツとか!


 防寒用の手袋とか!


 今までお金が無くて諦めてた防寒具が作れる!?


 うう・・・去年の冬も、本当に辛かったもの・・・!!



「大丈夫ですよ、モブ子ちゃん~。

 この後で頑張って討伐したら

 それぐらいの分量は余裕でありますよ~

 お友達のライスちゃんの分もOK~~っ!!」


「!!!?

 (ぶつぶつ)暖かいコート・・・!

 (ぶつぶつ)暖かいブーツ・・・!!

 (ぶつぶつ)暖かい手袋・・・!!!」


「も・・・モブコさん? うおっ」


「・・・狩る!(ごおおおおおおっ!)

 頑張って【ノール】を狩り尽くすううううっ!!!」


「あわわわわ!?」

「ひえっ!? うおっ」


「良い! 良い魂の咆哮ですわ! モブ子ちゃん。

 そのモチベーションこそ【冒険者】の力の源ですわ!」


「ふふ・・・あっ、そうそう、ロバートさん。

 剥ぎ取った素材の収納をお願いできますか?

 本当、【ポーター】のスキルというのは助かりますね。

 ありがとうございます、ロバートさん(にこっ)」


「あっ! それじゃ、すみませんけど(ごそごそ)

 (どさっ)とりあえず、この大袋に詰めたんですけど

 私の剥ぎ取ってきた分もお願いできますか?」


「あ、ああ。

 まだまだ入るから、じゅ、順に収納していくんだな。

 おでも、教えてくれたアルさんに感謝なんだな!(にこっ)」



 うーーーーん・・・今までにロバートさん達とは

 

 何回か一緒にクエストに行ったけど・・・。


 本当に便利よね、【ポーター】のスキルって。


 【マジックリュック】と【リュックガード】だったかな?


 まだ、一番下の{ランクⅠ}だけど2倍の容量があって


 2倍リュックが丈夫になるのよね・・・すごい! 便利!


 ・・・前にライスとペアでやってた時に


 {採取クエスト}の途中で食べれる山菜見つけて


 納品分と一緒に、限界まで袋に詰め込んでいったら


 帰りに盛大に破れて、納品分まで駄目になったのよね。


 あれは、今でも苦い思い出だわ・・・。


 ・・・むう、それにしても・・・(くんくん)


 毛皮とか肉とかの剥ぎ取りって


 水で手を洗っても、匂いと脂が取れないのよね。


 (くんくん)うう・・・くさいし、ベトベトする。



「あっ!? す、すみません、モブコさん。

 分かれて作業してたので、モブコさんに渡し損ねてました!

 (さっ)これ使ってください!」


「えっ、えっ? 貝・・・?

 (カパッ)あっ、中に・・・白いトロッとした液体?

 えっと・・・ユキさん、これは薬か何かですか?」


「いえ、私が調合した薬入りの石鹸です。

 お師様に分けて頂いた材料で作ってまして

 血や脂などの臭いや汚れをすっきりと落とせます。

 石鹸としての効果は強めですけど

 肌に良い薬草を使っていますので、肌荒れはしませんよ。

 私も肌が弱い方なので、女性向けにもどうかと思いまして

 昨日、作ってみたんです(にこっ)」


「ええええっ!! そ、それって!

 わ、私も使っても良いんですかっ!?」


「はい、どうぞ遠慮せずに。

 そちらの貝ごと差し上げますので、ぜひ使ってみて下さい。

 使い方なんですけど、指先にひとすくいして

 少し手に揉みこんでから、水で洗って下さいね」


「わ・・・わあぁ・・・!!!!

 あ、ありがとうユキさん!!!!(ぷるぷる)」


「(せっせせっせ)よいしょよいしょ・・・なんだな」



 こ・・・これって、女性冒険者には垂涎モノの逸品なんじゃ!?


 と、とにかく早速・・・!!


 えっと、指先にひとすくいで良いのよね?(トロッ)


 (ぬる~ん、もみもみもみもみ)手に揉み込んでっと・・・。


 あっ!? 何かスーッとする爽やかな香りがっ!?


 え!? な、何!? 手もじんわり気持ち良い!?


 こ、これで・・・水洗いすればいいのよね?



「ちょ、ちょっと、洗ってきますね!」


「いってらっしゃーい、モブ子ちゃん。

 さて、ローの方も、もう終わりそうですし

 モブ子ちゃん戻ってきたら出発しますよー」


「「「はい」」」


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 ▽ 並行して連載中 ▽
↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
[気になる点]  かなり実務的なアプローチで冒険者ギルドとモンスター討伐の仕方についてふれてて興味深かった。あっ、リマさんとの恋の行方もそれなりには…気になりません。 [一言]  さいぼし はホースジ…
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