110 冒険者Aさんと出会い頭の鉄則
あらすじ:お蕎麦に、海老とゴボウのかき揚げとか美味過ぎなのです。
視点:中級行者 サムライLv4 オクニ・ムトウさん
『』:アルファさん
『はぁ・・・ホンマ、キミら一体何なん?』
・・・ため息をつかれたでござる。
「むっ、何か言いたいのであれば言うでござるよ!」
「姉上姉上、落ち着くでござるよ。
あ、あの・・・アルファ殿。
拙者達、何か失敗したでござるか?」
『・・・はぁ・・・まぁ、しゃーないか』
「むむむ」
・・・また、ため息をつかれたでござる。
うーーーーん、何がいけなかったのでござろうな?
出発してから、討伐対象の滞在場所へかなり近づいたらしく
さすがに人数が多いという事で二手に分かれたでござる。
こちらはシゲとアルファ殿の三人。
ユキちゃんが居ないのがかなり・・・少し、不満でござるが
まあ、訓練の時の事もあるし
母上からもこの機会に色々学べと言われたでござる。
『そんじゃ、まず1つ目~。
さっき、あいつらの偵察っぽい2匹と出会ったやろ?』
「はい、出会ったでござる」
「ござる」
むう、1つ目という事はまだ他に有るんでござるな。
・・・拙者達はユキちゃん達と分かれた後
荒れてる方の山道を進んでいたでござるが
20分程歩いた頃、岩陰から出てきた【ノール】2匹と
ばったり出会ったでござる。
所謂、出会い頭の遭遇戦というやつでござるな。
『何でいきなり構えたん?』
「「?」」
『2人共・・・{何かまずかったでござるか?}
みたいな不思議な表情しとるけどな。
例えば、相手が野生動物でも同じやけど。
急にでかい反応とかすんのはアカンねんで。
そうゆーのは、組合で習わんかったんかー?』
「「・・・あっ!?」」
『んー、習っとるんやろ?
せやったら、ちゃんと実践せんとなー。
こっちが反応したら、相手も反応する。
相手が反応して急に襲い掛かってきたら
大怪我する危険性も高なるんやけど
それ以上に、今回みたいな討伐の場合やったら
反応して、咄嗟に逃げられるのが一番困るんや。
その理由は、キミらもわかるやろ?』
「・・・偵察なら尚更でござるな。
警戒されて、仲間を呼ばれるかもしれないでござる」
・・・ふむ、仲間を呼ばれるならまだましでござるが
警戒されたら、近付くのも討伐するのも大変になるでござるな。
こちらが不意を打てなくなるだけでなく
逆に待ち伏せされる可能性も有るでござる。
でも、その場合・・・。
「・・・それだけなら、まだ良いでござるが
群れ自体が、散って逃げられるのが一番マズいでござるな」
『!? おーーーーー、よう気付いたなー。
うんうん、それでええんや(ぽんぽん、なでりなでり)』
「はうっ!?(びくーーーーーん!)」
「あ、姉上っ!?」
び、び、び、びっくりしたでござる!!?
さっき、いきなりモンスターと出会った時よりも
びっくりしたでござるよ!!!!!(どきどきどき)
そ、それにしても、誉めて撫でて貰えたのって
いつ以降だったでござるかな・・・。(ぼーーっ)
『まあ、それが1つ目やな。
出会い頭に遭遇しても、焦らず落ち着いて対処する。
ほれ! 2人共、復唱や!』
「は、はいっ!?
で、出会い頭に遭遇しても、そ、遭遇しても・・・」
「遭遇しても焦らず落ち着いて対処する! でござる!」
『うんうん、オッケーや』




