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辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
105/401

105 冒険者Aさんとごほーこく ③

あらすじ:芋ようかんには、こし餡ではなく、ざく切りにした甘露煮が入ってます。


視点:まだ魔法の練習をした事がなかったソーサラー サーバクン・ミーソットさん

『』:アルファさん


「えっと、つまり、後ろ足で立ち上がった大型犬が

 ブンブンと武器を振り回してくるんですか? うおっ」


「(もぎゅもぎゅ)がっふがっふがっふ!(もぎゅもぎゅ)」


「大型犬・・・動物のモンスターって、どれも素早いですし

 武器も使ってくるなら【ゴブリン】や【オーク】よりも

 厄介そうに聞こえるんですけど?」


『せやな、モブ子ちゃん。

 それだけ聞いたら、普通は強そうって思うやろ?

 でもな、脅威度はその2つと同じ程度なんやわ、これが』


「「「???」」」



 うーん、僕は【ゴブリン】や【オーク】という


 モンスター自体知りませんので、比較が分からないんですよね。


 でも、【リューグー】の中でも、姿が人族寄りな人よりも


 魚や海の生物寄りな人の方が、水の中では素早く動けてたし


 そういう事なのかな?



「(むしゃりむしゃり)はぐはぐはぐはぐ、んごww!?」


「(コポコポ・・・)はい、ミケお姉様。

 どうぞ、お水です。(さっ)」


『えっとなー、じゃあモブ子ちゃんに質問や!

 そこら辺に居る犬が後ろ足で立ったとするやろ?』


「はい、いわゆる{ちんちんのポーズ}ですね?」


「(ごくごくごく)・・・ふう。

 た、助かりましたよユキさん。

 ・・・それにしても、ご主人様、さすがです!

 会話からの極自然な流れで

 卑猥な単語を、いたいけな少女の口から言わせるだなんて!!

 このミケの目を持ってしても読めませんでしたわ!」


「? ・・・・・・あっ!?(かあああああ)」


「どんな時でもセクハラを忘れないその姿勢!

 ミケは心から感服いたしますわ!! ご主人様っ!!」


『いや、ちゃうから。

 わざわざ、そんな遠まわしな事せーへんから』


「えっ!? あっ! そうですわね!

 ご主人様は遠まわしな事なんかしないで

 いつもふがふがふがふ(ぎゅうううううううう)」


『(ぎりぎりぎり)ん? この口か?

 ご主人様を陥れようとするのはこの口かー?

 んんんー? (#^ω^)ピキピキ』


「(ぎゅううう)あひゅひょひょひょめんははい~~~!

 ほにゅにんひゃまーー(べろべろべろべろ)」



 うーーーーん?


 犬の{ちんちんのポーズ}って、どんなポーズなのかな?


 モブコさんが恥ずかしがるようなポーズ?


 ちんちんって確か・・・?


 うーーーーーーん、よく分からない。


 そもそも【リューグー】に犬は居ないんだよね。


 この町で初めて見た時、すごいびっくりした。


 それにしても、犬にすごい舐められたんだけど


 犬にとっては僕って舐めたらおいしいのかな?


 あと、猫って言うのかな? 猫も寄ってくるんだよね。


 ・・・ひょっとして、僕、食べ物に見られてる?



『(ぱっ)・・・はあ、まあ今回は許したろーか。

 これに懲りたら・・・って!?(べとーーー)

 つねってた指、舐めすぎやろー、ミケ』


「・・・あ、あの、えっと、アルファさん?

 い、犬が{あのポーズ}で立ったとして

 その続きは・・・?(ちらちら)」


「えっふぇっふぇっふぇっ!!

 ご主人様の指、おいしゅうございましたわ~~~!!

 ・・・さて、ドロンっとな!(ぴょんっ、くるんっ!)」


(ドロロロン!! すたっ)


「わっ!? ミケ姉さんが大きな犬に!? うおっ」


「わふわふわふ、これでサバミソにもわかりやすいでしょ?

 大体大きさも【ノール】と同じぐらいですわよ。

 ・・・で! (ひょいっ)

 これが、これこそが{あのポーズ}!!!

 さあ、モブ子ちゃん! ぜひもう一度!(はっはっはっはっ)

 ちゃんとした呼び名で{このポーズ}の名前を!!!」


「あ、ああうううう!?(かああああああ)」


『ミケー、えーかげんにしとけよー?

 話進まんしなー。

 ま、変化で分かり易くした事だけは誉めたるわ』


「はーい、わかりましたワン(はっはっはっはっ)」



 ・・・なるほど、背を起こして、4足から2足に。


 前足は前に垂らして手の代わりに・・・。


 ・・・え? これって。



「あ、あの、ミケ姉さん、うおっ。

 その状態でどうやって歩くんですか?

 あと、武器も持ちにくそうなんですが、うおっ」


「・・・ふむ?

 では、ここから、よいしょっ!・・・っと(うにょにょ)」


(ぐにょぐにょぐにょ、シャキーン)


「て、手と足が少し人間っぽくなったんだな。

 こ、これが、【ノール】なのかな?」


「少し違いますわ、ロー。

 これは{【ノール】っぽい姿}です。

 何で再現できるのに完全に再現しないか?

 それは、もちろん。

 さすがのミケでも、モンスターの完全再現とか嫌だから!」


「わかります。

 それでも、凄いですね。

 見事な【変化の術】です、ミケお姉様」



 な、なるほど、前足はほとんど人族に近くて手や腕に。


 足も長く太く・・・これなら確かに歩けそうかな。


 でも、これって・・・。



『おっ、サバミソは気付いたみたいやな。

 それじゃ、さっきの質問の続きや、モブ子ちゃん。

 この姿勢と足の形状見て、どー思った?』


「前方には早く動けそうですけど

 横や後ろには凄く動き辛そうですね。

 ・・・骨格的に」


「正解です、モブ子ちゃん。

 前へは、こんな感じで(しゅばっ!)俊敏に動けますが

 横へは(よたよたよた)こんな程度にしか動けませんし。

 後ろに至っては(びょんっ)・・・こうですね。

 後ろへは飛び退るしか無いんですよ」


「・・・あの、ミケお姉様?

 おまけに、その腕周りの骨格からすると

 武器は握れても、ほとんど上下にしか振れないのでは?」


『おー? よー分かったな、それも正解や。

 ユキにはさっきゆーたけど

 そこが{種族的に中途半端}なとこやねんな。

 前足と後ろ足が別々に発達した代わりに

 今度は4つ足での歩行が無理になっとる。

 んで、手に武器持っても、ほぼ上から振りかぶるしかでけへん』



 えっと、そうすると・・・。


 立ち上がった体の大きさは僕らよりも少し大きいけど


 基本的に前にしか進んで来なくて、攻撃も上からしか来ないのか。


 うん、油断しなければ何とかなりそう・・・かな?



(ぴょい、ドロロロン!)


「はいはい、変化はこれでお終いですわ!

 ミケは、例え変化した姿だとしても、あんな不細工な姿を

 ご主人様に長くお見せしたくはありませんのでー。

 (すりすり)さ、ご主人様?

 頑張ったミケを誉めて、撫でて下さっても良いんですわよ?

 いえ、むしろ甘やかせて下さっても!!(ふんすふんす)」


『はいはい。(なでなでなで)

 よーやってくれたなー、ミケ。

 おかげで説明するのがやりやすかったわー。

 ・・・ま、サバミソ達もちらっと思ったやろうけど

 油断せんかったら、そんなしんどい相手やないわ。

 油断せんかったらなー(わっしゃわっしゃわっしゃ)』


「(すりすり)そーですわー。

 腕力も耐久力も【オーク】以下ですし

 【ゴブリン】みたいに小賢しくないですから

 罠も魔法も使ってきませんしねー。

 隊とか軍とかの概念も無いみたいですし。

 せいぜい、気をつけるとしたら

 何匹かは弓矢使ってくると思うので

 当たらないように~ってぐらいですね。(くんかくんか)」


「えっ? 弓矢を使ってくるのですか?

 それは少し面倒ですね」


『まー、弓も矢も手作りの{なんちゃって弓}でな?

 曲射とかは無くて、真っ直ぐしか射ってこーへん。

 射程も短いし、命中率も悪いから

 気をつけとったら脅威にはならんのやけど

 流れ矢ってのは下手な近接武器より怖いし

 見かけたら真っ先に倒す方がええやろな(なでなでなで)』


「な、なるほど、真っ先に倒すんだな」


「流れ矢に注意ですね。

 わかりました! うおっ」


『・・・おっ、そーいや。

 昨日の{討伐クエスト}はどうやったー?

 練習も含めて、特に問題とかはー?』


「問題無しです!」

「問題無かったです! うおっ」

「問題無かったんだな!」


『お、おう・・・』


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↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



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