10 冒険者Aさんと熱気立ち込める晩ご飯
あらすじ:感覚的にはモジャ毛のゴールデンレトリバー
視点:ご主人様命のエロ従者 大妖狸ミケニャンさん
『』:アルファさん
(ジュウウウウウウ・・・シュワァーーーーーー)
「フンガー! フンガー! ハラペーニョ!!
フンガー! フンガー! オアガリーヨ!!」
『・・・何か前に聞いたのと違わん?
てか、ハラペーニョって青唐辛子の仲間やし』
「むむむっ!!?
たーぬ! たーぬ! たーぬきーの!!」
『いや、お前も張り合わんでええから』
もう~・・・せっかくご主人様を称える祝詞でしたのに
ご主人様はまこと、いけずなお人です。
それにしても、【ハスターの町】の緊急クエストで
【暴食の神フンガー】を囲んでフルボッコ
・・・もとい討伐した際
消え逝く神の声を聞いて、ミケ達も少し同情しましたけど
それ以上に、このワンコがすごく同情しちゃったせいで
まさか、消滅を免れた上、{神格昇華}まで起こすとは・・・
それで、何だかんだで、このワンコが唯一の使徒になって
今は確か【紡食の神】になったんでしたっけ?
『そんじゃ食べよかー。
頂き「いただきますフンガ!!」・・・ます』
「・・・それでは!
ミケも頂きま「おいしーーーーフンガ!!」・・・す」
・・・相変わらずフンガフンガとクソ騒がしいですね。
まあ、【フンガー神】と同調した時の症状だから
仕方ないんですけど。
(カチャカチャ・・・むぐむぐ)
うん、(かりっ)焼き加減も上手くいきました。
(ぎゅっ・・・じゅわっ)この表面の歯ざわりの良さ。
溢れて来る肉汁。
うんうん。
お肉の挽き具合も練り具合も丁度良い感じです。
やっぱり【ワイルドボア】の肉でハンバーグ作るなら
粗挽きが一番ですよね。
しっかりしたお肉の歯ごたえと
噛むと次から次へと溢れ出る肉汁。
(ぎゅっぎゅっ・・・こりこり・・・ごくんっ)
決して硬い訳ではなく程良い弾力
そして濃厚なお肉の味と旨み。
さらに、細かく砕いた軟骨の歯ごたえ・・・!
これがたまらない食感を出してます。
(もっぎゅ、じゅわっ、こりこりこり、もっぎゅもっぎゅ)
『うんめえ~!!
やっぱハンバーグは【ワイルドボア】の肉に限るな!
アカン! 白ご飯も進む!!』
「(がふがふがふがふ)ご飯ともすっごい合うよねフンガ!
ご飯おかわりフンガッ!!」
『にしても、ミケもハンバーグ作るの上手なったな~。
俺よりも作るの上手いし、もう完璧ちゃうか?』
「もちろんですよ!
ご主人様に喜んでいただく為に一生懸命覚えましたもの!
ご主人様! 遠慮せずに何かご褒美くれてもいいんですよ!
{一緒に湯船}でも!
{夜の運動会}でもっ!!
{生涯の伴侶}でもおおおおお!!!!!」
『まあ戯言は置いといて
後でブラッシングとマッサージならしたるわ』
「むう・・残念ですが仕方ありませんね。
今はご主人様にスリスリモミモミして頂くだけで
我慢しておきますよ」
『・・・それだけ聞くと、何かちゃう意味に聞こえるな』
普通のハンバーグはお肉の食感と甘みと柔らかさを出す為に
牛と 「(がふがふ)ふごっフンガ!」 豚の合い挽きにして
刻みタマネギとか牛乳とか加えたりしますけど
【ワイルドボア】はそのお肉だけで、ほぼ完結!
ご主人様もミケも、ハンバーグはちょっと硬めが好きなので
なるべく、余分に膨らませずお肉の食感を残す為に
「(がふがふ)はむっはむっフンガー!」ワン粉・・・
パン粉も通常より細かめにしてまして
つなぎと汁を吸わせるだけに留めています。
『(むぎゅっむぎゅっ、ごくごく・・・)
やっぱ【フソウ風】の熱々大根おろしのソースがけだと
俺は{常温の清酒}の方が好きやな。
(むぎゅむぎゅごくん・・・ぷはぁっ)
キンキンに冷えた{ドライ系ビール}もええんやけど
こっちの方が口の中でええ感じに合うわ!』
「ミケ的には{サッパリ系の梅酒とか柚子酒}とかも有りかと。
口に含んだ瞬間、味と風味が変化しますし。
ハンバーグも大根も、梅との相性はいいですしね」
『あー、それもええなー。
二度楽しめるってやつやな』
(ジュワーー、もっぎゅもっぎゅもっぎゅこりこりこり)
「ご主人様~、トマトソースの方は
やっぱり{酸味系の赤ワイン}でしょうか?」
『いや、むしろトマトで酸味はあるから
{甘めの赤か白ワイン}とかの方が合うんちゃうかな。
それこそ{黒ビール}とか・・・は
この肉にはちょい向いてへんな。
{ブランデー}とかの強めの酒を
ロックでチョビチョビやりながら
交互に食う方が合うやろうなー』
「あ! それ良いですね。
ミケは今からそれでいきます!」
それにしても、野外で豪快に食べるお食事も良いですけど
屋内でご主人様とゆっくり味わう晩御飯も良いものですね。
ん? ゆっくりとって言うかなんか静かになり・・・。
「(´;ω;`) キュウーン」
「・・・ご主人様、涙目ワンコがこっち見てます」
『・・・しゃあないな、エッちゃん俺の1個やるから
今度はゆっくり味わって食べや?』
「仕方ないですね。ミケのも1つ差し上げますわ」
「!!! Σ(;ω;)
ありがとーフンガ! うん、味わって食べるねフンガ!!」
(がふがふがふがふ・・・・もっぎゅもっぎゅもっぎゅもっぎゅ)
ご主人様の掌サイズのを1人6個ずつ作ったんですけど
付け合せの野菜とご飯と含めても
あっという間に平らげましたね。
何か普通のハンバーグ食わせても同じなんじゃ?
・・・とか思えてくるんですが。
まあ、別にいいんですけどね。
毎度の事ですし。




