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外の世界へ

3.外の世界へ


どういうこと??

ヤバイ!マジで異世界!?ってわけでもない気がする。

ここは日本で俺が住んでいた隣街の病院。

正直、目が覚めて数日間、この病院から一歩も出てないのだから外の状態なんて分かりもしないが周りの人の服装、日本語、別に猫耳が生えているわけでもない。



確か俺は会社からの帰宅途中で事故に遭って気を失った。

気付いたら病院の一室。

右腕と右足にギブス。骨折?しているのだろうか?

そして何より子供の姿。。。

見た目は子供、頭脳は大人じゃあるまいし。

見た感じから今の俺の年は12歳頃かな。

若返った!


まいったな。でもやけに落ち着いている自分が怖い。

なんか設定が中途半端じゃね?なんて失笑した。


さて、どうしたものか。。。。。

次の日、警察がまたやってきた。

「君、誰だい?」

唐突に聞かれる。

「はい?いや、一条弥白ですけど。。。」

「あれから調べたんだけどね。隣町にも一条弥白なんて子はいないんだよ。住所はあるけど違う人が住んでるんだよね。」

「え。あぁ。」

俺は出来るだけ知っていることを話した。

もちろん体が小さくなってることも全部だ。


結果、警察は信じてくれる訳もなく。身元引受人もいなく両者ともに途方に暮れることになるのは言うまでもない。



よくわからない状況のまま俺に足りないのは情報か。。。。

ここ数日で分かったことなのだが、この病院はどうも隔離性が強い病院で院内、庭までは自由に行動はできるが外に出ることは厳禁だった。

外出許可なんておりるわけがない。

総合病院ほどある大きさなのに入院患者は俺を含めてもここ数週間の間で数人程度しか見ていない。


精神病院のような何か閉じ込めている雰囲気すらあって心なしか息苦しいのはそのせいだろう。

基本的な日常は午前中はカウンセリング。午後から多少の自由時間がった後、夕方から検査という具合だ。

病院を回って見て気付いたのだが、全てが俺の知っている機械より古く感じた。

TVもナースステーション的な場所に1台置いていたのだけどどう見てもブラウン管だ。

最初は監視モニター用か診療用だと思ったけど、何か違うようだった。

そして、隔離されているようにも思える病院内のどこにも監視カメラらしい物はどこにも見当たらなかった。


行くあてもなく怪我が治るまでおとなしく病院にいた。


入院して1ヶ月が過ぎる頃にはギブスも外れ、リハビリの甲斐もあって歩けるまでに回復していた。

ただ、右手甲の部分と右足脛の部分にアザが残った。

何かの紋章というか、アザと言うにはいささか大袈裟のようなシミのようなものだ。

医者はそのアザを見るなり不思議そうに考え、どこかに電話していたようだった。


そんなに深刻な病気か何かですか??


痛みもないし切り落とすまではしないだろう。うん。


さて、その晩にこの病院から抜け出す計画を実行する。

もちろん入院中に下調べをしていたので抜け出す方法も考えてある。

元気になった今、ここにいる理由が見当たらない。

と言うかこの状況を確認したいという方が大きい。

夜中のうちに抜け出して朝までに帰ってくればバレないし。


誰に聞いても、迷子で記憶喪失になった子供を見る目で相手にしてくれなかった。

まさにだがこう見えても36年間生きてきた知識と経験があるのだ。。。。。と信じたい。


こういう時、子供の体は便利だ。

小さい穴からでも簡単に抜け出せる。

あらかじめ庭を探索した時に見つけていた猫が通れるほど小さな穴がある。

そこを暇があれば拡大に勤めてきた。

いつもは見つからないようにベンチで隠してある。


寝静まった夜中を見計らって俺は抜け出した。


事故後初めて見る外は至って普通の街並み。だが多少遠い。

ただ、山の上にある病院だと気付いたのは外に出てからだった。

「これ、下まで降りて戻ってくるの大変じゃね?」

俺はため息をつきながらも下山した。


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