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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

地獄法師

作者: セロリア

法師「いじめは事実だったのですか?」


自殺した息子の母親「私がもっと・・仕事が忙しくて・・う、うう・・」


法師「・・解りました・・報酬は後払いで結構、一人一万、あなたの場合は一グラスですから43人ですから43万となります、ただし、一括払い、期日はきっちり、それらが守られない場合はあなたに呪いは全ていき、全ては終わります、何故なら、こういう約束ごとも、呪いの術の内に入っているからです、支払いの期限を作る事で、念の効力を高めますので、契約は遵守されますよう」


母親「あの・・本当に・・43万で良いのですか?」


法師「気にする必要はありません、あまり貰ったら私にカルマが寄りすぎる、それに、十分でしょう?」


母親「?」


法師「そのクラスの人間達は外道だ、外道に一万の価値は高過ぎるくらいですよ」








お堂の扉を固く閉じ、引きこもる法師。


法師「依頼は一気にではなく、一人一人と、じわじわと・・か、修学旅行の時を狙いますかと聞いたら、バスガイドと、運転手さんに気の毒だから・・ふふ・・優しい人だ、きっと息子さんも優しい人だったんだろう・・・・許さぬ、仏の顔も三度まで《パチパチゴゴウ!》大日如来よ!この者らは人ではあらず!外道なり!今こそ神の神罰をこの者達に降らせたまへ!はああああああ!うん!うん!ううん!」


手で形を作り、それを三回。


その後呪文を唱える。


1日目。


転落事故。


2日目。


ガス事故により、中毒死。


三日目。


頭を強打、打撲により死亡。


4日目。


冬に池に滑落、男女合わせ5人いたが、一人だけ死亡。


5日目。


残り4人が違う時間帯にそれぞれライン中に交通事故により、死亡。


グループライン中だった為、かなりの恐怖の中死亡したと思われた。


流石に事態を重くみた関係者は有名な霊媒師らを訪ねたが、その旅行中にも次々死亡。


ホテルの窓から寝ぼけて飛び降り自殺。


別ホテル前の道路で飛び出し、死亡。


家族は死なず、必ず子供だけが死亡。


そこで親達だけで霊媒師らを訪ね歩くが、全て因果応報だと帰されだけ。


何でも非がある場合は因果応報の法則が味方をする為、それだけでもハンデがあるという。


そして、霊媒師自身がその非があるという事実を知る場合は、心に無意識に罪悪感が産まれ、まず勝てないという。


しかし、金だけを信心している霊媒師が知り合いにいる、彼ならば、罪悪感にも負けず、対抗出来るかも知れないとメモを貰い、連絡した。


霊媒師「あー、うわー、ヤバいなあ、ヤバいよ、こりゃ」


家の前に来ただけでこの台詞。


霊媒師「ここまで神の怒りを買う程の事をしたのかあ、あーあ」


親「神様が呪っているんですか?」


霊媒師「正確には神様の力を借りた人間だね、しかし、神様も馬鹿じゃない、ちゃんと力を貸す人間に値するか、動機は正しいかきちんと判断するし、だから、この状態は完全に神様自身が怒っているね、完全に力を貸しちゃってるよ、あなたの息子さ・・いや、そのクラスの連中はよっぽど、外道な事をしたんでしょうなあ・・」


親「言い訳は聞き飽きたんだ!で?実際どうなんだ?祓えるのか?封印とか出来ないのか?」


霊媒師「・・」


親「どうなんだ!?何とか出来るのか?金なら3000万ある!だから息子を!息子をおお!息子を助けてくれええ!頼む!この通りだあ!」


震えながら家の前の道路に土下座する両親。


霊媒師「私はこの家には入れないし、入る必要もない」


両親「?」


霊媒師「息子さんは今あなたの横にいます、もういい、地獄の迎えが来てる、もう行かなきゃいけない、お世話になりました、ありがとうございました、さようなら」


両親「・・え?・・な、何を言って?」


ハッとし、駆け出す母親。


家に入っていく。


後から駆け出す父親。


霊媒師は歩き出す。


家『ぁぁああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア』


涎を垂らし、胸をかきむしり、リビングを荒らし回り、転げ回り、横に倒れたブリッジで死んでいた。


死因は心臓不整脈による、心臓麻痺。


ゆっくり酷くなったらしいと検死管から聞かされた。


霊媒師「1兆でも割に合わねー、温厚な神ですらここまで怒るとは・・普通のいじめじゃなかった事だけは確かだな・・俺は神じゃないんでな、残りの依頼者の今期のかき入れは無しだな、ち!良い儲け話だと思ったんだがなあ・・」


街に消えた。



2ヵ月後。


法師「確かに43万頂きました、今から怒る神様に、機嫌をとり、帰っていただきます、その際にあなたにも一瞬見えますから、どうか感謝の気持ちを念じてください、ではいきます!うん!うん!ううん!はああああああ!」


被害者母親「・・」


唱える法師。


被害者母親「!あ・・」


金色に赤い光が渦巻き、憤怒の顔の大日如来様が現れた。


被害者母親「・・ありがとうございました、あの子もこれで報われます、今から考えれば、神様にもきっと業を背負ませました、ごめんなさい、ごめんなさい、私のわがままで、本当にごめんなさい、ごめんなさい、ご、ごめんなさいいいい、う、うわああああ、生きていけなかったあ!こうでもしなきゃ、生きていけなかったあ!いけなかったんですうう!うわああああ、あ、あ、ああああああああああああ!」


神様「・・」 涙を流しー。


赤い光が消え、金色になり、笑顔で消えた。



母親「あ・・」




法師「・・これで依頼は完了とします、さあ、前を向いて歩きなさい、新しい土地には慣れましたか?」


母親「はい、法師さんの言う通り引っ越して良かったです、私が住んでいた団地の部屋に放火されました、本当にありがとうございました」


法師「いいんですよ、無事でなによりだ、さ、お行きなさい、そして、二度と戻ってはいけないよ、このような場所にこれ以上縁を持ってはいけない」


母親「はい、失礼します、本当にありがとうございました」


法師「はい」



母親は死後、地獄に行く事は知っている。


寿命が短くなった事も承知している。


それでもー。


それでも良いと思えるのが、人間というものなのだ。



許せない。


外道な者達よ。


自分だけが、外道に堕ちる事が出来る特別な人間だと思う哀れな者らよ。


『その気』になれば、最初から堕ちている人間とは比べモノにならない。


『失った者達』の堕ちっぷりの加減が効かない念の強さに。


最初から何も無い者との違いに。


対価を支払った者達との違いに。


各々恐怖に歯を打ち震え。


誰しもが寿命を待ってくれると思う?



だって警察もいるし、返り討ちに出来るし。



それは大間違いだったという事に気づいた時ー。



あなたはあなたの寿命を自分で削ったのだと、そしてわざわざ自分て地獄への道に踏み込んでいたのだと。


なんて愚かで馬鹿だったのかと。



思い知った後に、反省した後に死ねたら良いですね?


果たしてそこまでの寿命は残っているでしょうか?


ほら、もう、来ますよ?ほら。



《END》

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