15「休み」
最近今までの話を修正しています。
今話の矛盾しているところとかを直すため少しストーリーが変わっているかもしれません。
フー先生指導の下の風魔法適性レベル上げから5日が過ぎた。
今日も俺のまだまだ成長を見せない扇風機魔法のレベルアップの為、いつもの練習場所へ向かう。
「じゃあいってきますね」
「また魔法の練習かい?本当好きだね~」
ニヤニヤと家の掃除をしながら傑さんはそういう。
しかしこの人本当に働き者だな。料理といい、救助活動といい。
「えぇ、まあ」
「ちょっと違うでしょスグル。ユウタが本当に好きなのは~――――」
「おっと!エマこれ以上言ったら駄目だよ!」
「「ふふふふふふふふ」」
なんだ?二人の息が嫌に合っている。
前から仲の良かった2人ではあるが、なんだろうか少し気持ち悪さを覚える。
「...?どうしたんですか2人共そんなニヤニヤして?」
「え?いや~...ねぇ?」
「ねぇ?ふふふ...」
実は俺たち付き合うことになったんだとか言い出さないよな。
いや、この真面目な2人が異世界転移なんていう状況の時にそんなことする余裕なんてないか。
...もし仮にそうだとしてもこんな嫌な感じはしないだろう。
マジでなんだというんだ。
「まあ気にせずいってらっしゃい!」
「...いってきます、いくぞゴレ1号」
「リョウカイ」
いや気になるわ。
どうにもすっきりしない気分のまま俺は借家を跡にした。
馬鹿でかい図体のせいで家に入れず庭で佇んでいたゴレ1号の肩に乗り、
今度こそ練習場所へと向かう。
・・・・・
・・・
・
なんだ今日はフーの方が速かったのか。
珍しいこともあるもんだな...ってなんだあれ?
「っ!思ったより難しいな...」
風魔法の練習か?
フーが適性のある風魔法の失敗をするなんてこれまた珍しい。
レベル8になるための練習とかかな?
「おはよう、先生」
「フー、オハヨウ」
挨拶してようやく俺たち気付いたのかフーは急に顔を赤くして
何事もなかったかのようにふる振る舞う。
「アハハーオハヨー遅カッタジャナイ二人共ー」
見事なまでの棒読み。ゴレ1号よりひどいんじゃないだろうか。
...まあ何も見なかったことにしてあげよう。
俺にあんな自信満々に教えると言っていた手前、それを失敗したところなんて見られたくないんだろうな。
「俺たちはちゃんと時間通りだよ。
いつもなら平気で30分ぐらい遅れてくるのに」
「...あたしだってたまにはね」
フーの顔の赤が段々引いていく。
そう、僕たちは何も見てないんだよ。それでいいんだ。
「トコロデ、フーハサッキナニヲ...「さあ、練習にしようか!!」
ゴレ1号...お前ってやつは。
まあ悪気はないんだろうけどさ...。
ちょっと厳しい誤魔化しを入れて練習に入る。
そして今日の練習はかなり優しめなものだった。イヤーナンデダローナー。
・・・・・
・・・
・
「今日はここまで!」
「ありがとうございました」
「オツカレ、マスター」
「おう、ゴレ1号も畑仕事お疲れさん」
ようやく少しだけコツを掴めた気がするな。
出せる風の威力も扇風機の『強』ぐらいにはなったんじゃないだろうか。
「本当よく頑張るね」
「まあね」
「見たところ風の適性レベルももう少しで2に上がりそうね」
「え、本当!?」
適性レベル上げって結構難しいんじゃなかったのか?
まだ5日しか練習してないんだが...。
「まあ、まだレベルが低いからね...でもあんたが結構頑張ってるからだと思うよ」
なんだこのいい子は。
数日前に魔法で俺を吹っ飛ばした奴の言葉とは思えないぞ。
「ところでユウタは魔法以外の練習はしないの?」
「あ、それなら夜にゴレ1号と木剣で実戦練習してるから」
「オタガイ ゼンリョクデネ!」
「...護身のための稽古にしてはちょっとやり過ぎじゃない?」
「そうかな?あはは」
自分でも確かにそう思うけど、あれは一生経験したくないからなあ...。
死にかけるのはあの1度だけでいい。
「ていうかあんたいつ遊んでんの?」
「ん~ここ最近は全く遊べてないかなー」
この世界に来てからそんなこと考えもしなったな。
というか考える余裕がなかった。俺よくほぼ2週間もゲームしないで大丈夫だったな。
「剣も魔法も練習し通しなんでしょ?たまには休んだら?」
「そうだね。あまり根詰めててもあれだし明日はゆっくりしようかな」
安心したせいか今になって体中が痛み出す。
というか俺こんなに疲れていたのかよ。
このまま続けてたらマジで過労でぶっ倒れてたかもしれん。
本当ありがとう、フー先生。俺はあなたを未だに年下とは思えないよ。
「うん、それと明日ね――――――――」
「そんじゃ俺帰るわ。またね」
「あ、ちょっと!」
夕飯までまだ時間あるし今帰ったら結構寝れるな。
久しぶりの休みだ、目一杯休ませてもらおう。
ゴレ1号におんぶしてもらってそのまま家に帰る。
にしてもなんか本当に疲れてきたな...。まぶたおもたい...。
「ネエ、マスター ナンデフーヲ ムシシタノ?」
「Zzzzz」
「...ナンダ ツカレテテ キヅカナカッタダケカ」
「フー、マスターネチャッタ」
「そう...なら仕方ないわね」
「ナニカイイタイコトアッタッンジャナイ?」
「ああ、いいのいいの。しっかりユウタ休ませておいてね」
「ウン、ワカッタ!バイバイ!」
「静かに。ユウタが起きちゃうでしょ」
「...ゴメンナサイ」
・・・・・
・・・
・
「あ、おかえり2人共。今日は早かったね」
「ウン、ココノトコロ レンシュウバッカダッタカラ
タマニハヤスメッテイワレタカラネ」
「え?練習って遊びのことだろ?」
「チガウヨ、アレハオトナデモ キツイメニューダッタヨ。
テイウカ ヨル ボクタチノケイコ ミテルデショ?」
「まあ確かにあれは本格的だなとは思っていたけど...って言い訳だな。
とりあえずゴレ、裕太を運んでくれてありがとう」
「ドウイタシマシテ」
「...うわ、こりゃかなり疲労が溜まってるな。気付けなくてごめんね」
「Zzzzz」
「さて、ごはん作るか~今日は裕太の好物でも作ろうかな」
「ただいま~って、ユウタ寝てたか」
「おかえりエマ。どうだった?」
「見ての通りおしゃれな服たくさん貰っちゃった」
「それはよかった。俺たちもう服ボロボロだったからな。裕太なんて特に」
「あと食べ物とかもたくさん頂いちゃった。ちょっと運ぶの手伝って」
「オッケー、いやしかし本当この村にはいい人しか住んでいないな」
「本当にね」
「そういえば村長さんから聞いたんだけど、明日村のお祭りがあるみたいね」
「へ~異世界のお祭りってどんなものなんだろうな」
「行ってみない?裕太も一緒に」
「まあ、たまにはいいかもな」
「楽しみね!」
「おい、大きな声出すなよ。裕太まだ寝てるんだから...」
よいお年を。