新たな武器
「神子様!? ようやく見つけ……おやレオンか」
ボードンがレシアを見つけ、駆け寄ってくる。レシアはばつが悪そうに顔を背けて一言。
「帰ります」
「そうですか、それでこれは……」
「暴れん坊を倒したのです」
「……そうですか。では帰りましょうか」
「そう言うことですから今度会うときは、四日後ですね。レオンくん、また」
手を振って去っていくレシアを、同じ様に手を振って見送るレオン。
───にゃー?
「………守られているだけじゃ、駄目だよね」
そう呟いたレオンはその場に座り込んで、空を見上げた。
「自分で何とかできるようにしなきゃ……」
弓を握りしめて。
「あらぁん? 来たのネ?」
「………えと、はい」
分かっていたわよ? と言わんばかりの武器屋の店主が出迎える。
日が変わって、レオンはもう一度店に来た。
「……銃、みたいなのはありますか?」
「銃?」
「引き金を引いて弾丸を撃ち出す奴です」
レオンは別に知識があるわけではない。要は遠距離でもっと力を発揮できる武器を求めて来たのだ。
「言ったじゃない? うちはそう言うコンセプトの武器は置いてないワ」
「ボウガン、みたいなのは?」
「置いてないわよぉ?」
「………これは?」
質問しながら店内を物色していたレオンは一つの長剣を手に取った。手を握る部位に引き金がついていることが気になったのだ。
「切る撃つ。どちらも出来る片手剣よ? 但し不良品で、斬ることで雑に使っていると射撃機能が無くなっちゃうのよ、雑に刻んであるからネ?」
まったくあの業者は次来たら……と店主は物騒な呟きを漏らす。
「矢。飛ばせますか?」
「ま、いけるワよ? そっち使いすぎても刻印が消える位置には無いから安心して使って頂戴ネ?」
「………?」
「ウチ、不良品はタダにするのよね。ホラ、言っても只の剣じゃなくてセット使用前提の物ばかりなの、それで儲けはでるしネ?」
「ありがとうございます」
「やぁんだー、それはそれで受け止めて念入りに一応言っておくケド、それは矢以外を飛ばすことは出来るからネ?」
「分かりました!! ついでに同じような大きさの剣を一本───」
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一際大きな音がたてられて、柱が大きく揺れ崩れる。
「あとざっと………一月か。あは、楽しみ」
破壊の神が、無邪気に笑った。
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「旅路はもうじき終わる、それは変わらない運命。終わることを恐れた神子レシアは時の神に願いを捧げる───永遠にこのときが続けばいいのに、と。
───次章『エンドレストラベ────」
「ふんぬっ!!」
「へばっ!? 何する私が時の神だ!!」
「知らないですぅ!! 本編でガチ凹みしてるハズのトーコちゃんが空気ぶち壊しで嘘予告しようとしてるのがいけないんですぅ!!」
「レシア!! 私のターンはもうここにしかないんですよぉ!! 私のターン奪わないで!! そう言うのは良くないよ!?」
「何が『私のターンがない』ですか!! 渡さないよ!」
「良いんですか私を本気で怒らせたら………マジでずっと私のターンやりますよ!?」
「一瞬でけりを付けるから問題ないわ」
「……洒落になってない……とにかく予告よね。……どうせ次の章私の出番は……あ、次回は間章なのね」
「あ、そうみたい。まあ、1話だけ………その次の話から本編みたいね」
「………ふっ」
「トーコちゃん? それ何の笑い??」
「ふふふ、次回《最期の旅路》!! 良いですかレシア! せーのっ」
「え? えっ!?」
「「乞うご期待!!」」
「で、何の笑いなのよ」
「勝利を確信した笑いですよーってね」




