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猫と一緒の転生生活  作者: リョウゴ
第二章 迷いと恐怖
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迷子ではない(断言)


「空は晴天、肌を心地いい風が撫でて、気持ちいい───ね、皆?」


「………まぁ、迷子じゃなければ、僕だって同意したかも」


「んー? 迷子? なってないじゃない??」


「あ、レシアさん、真面目にそれで押し通す気ですか。三日も森をグルグルして……ここ、一日あれば抜けられるんじゃなかったんですか? ボードンさん?」


「さぁ、憶測でものは話さない主義なのでなんとも」


 ボードンはふ、と薄い笑いを浮かべてそんな事をのたまう。


「だいたい! レシアは地図を方角にあわせて回転させるのは良いですけど、回転させる方向を間違えてるんですよ!!」


「そう? トーコちゃんが言うようなことはしてないわ。ちゃんと読めてる。そうでしょうボードン?」


「そうですね。………レオンさん、何か言いたそうですけど、神子様が楽しそうにしているのですから私にももう少し見守らせて下さい」


 小声でレオンに言う。レシアに地図を持たせたのはそれが答えであった。どうしてだか、旅程をギリギリまで長くしようともくろんでいる節があるのだ。






 結局丸一日程談話しながら森をさまよったところで翌日ボードンが


「ではそろそろ街へ向かいましょうか。案内します」


 と、別の地図を取り出した所で二人からブーイングが飛んだ。


 ───にゃあむ


 猫は心なしか呆れたような目をボードンに向けていた。


 それから約一日。


 神子の旅程ギリギリのタイミングで街にたどり着いたのだった。




 そして街はかなり栄えていた。遂一週間程前に神子の儀式がすぐ側の森を越えた村で執り行われていたのだ。一大行事であり、最寄り街であるこの街が今栄えているのは至極当然の事であった。


「この街では神子様は約一週間、ある建物に籠もりきりになります。その建物は流石にお二方にも告げられません」


「仕方ないですね、一週間別行動ですか?」


「そうなりますね」


「ま、トーコもレオンも私のことは気にせずに遊んでてね」


「よしっ」


「でもそこで露骨に喜ばれるのは何だかイラつくわね」


「何ですか悲しんでほしいんですか? 哀れんでほしいんですか?」


「そんな事は無いけど、さ。堅ーい儀式の前なのに何も言うことはないのかなーって」


 トーコとレシアはこのやや長い旅で少し仲良くなっていたようにレオンは感じた。


 レシアが神子としての口調を崩して言い争う姿は、悪くはないとレオンは思う。きっとボードンもそう思ってるんだろうな、とも。


「金銭については気にしないで下さい、私が工面いたします」


「そんな、毎回悪いですよ」


「ですが、お二方はお金の類を持っては居ないのでは?」


「そうですけど」


「年上の厚意と言うのは受け取っておくものですよ」


「分かりました」


 正直自分以外の人のお金を使い続けることに抵抗があるのだけれど、街で過ごす以上、避けられないかと諦める。


 ───にゃぁあ


 ああニャーちゃんとの森生活って言うのも悪くないかもね、とレオンは呟いた。


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