6話 〜林間教室と秘密の出来事・後篇〜
茜色の空が包む海の下で起きた二人だけの秘密
海の色と思い出の歌 〜林間教室と秘密の出来事・後篇〜
2日目の朝講堂で先生が今日の予定を発表した
「今日の日程を言うぞ!午前中は海での自由行動でお昼は皆でカレーを作るぞ!分かったな」
『はい』
その時小波はどこか違うことを考えていた
どうすれば詩音が自分のことを思い出してくれるのかを
(う~んどうすれば)
「小波、小波!」
その時、声が頭の上から降ってきた
「ぇ、」
「え、じゃない!みんなもういちゃってるよ!」
「うそ!本当だ」
「もー小波たっら何度も声かけたんだよ」
「ごめん來」
「ほら、行くよ!!由衣も待ってるし」
「うん」
「うわ~すごいね!來」
「そうだね!さっそく泳ごう!」
「うん」
そう言って来と由衣は海に入っていった
その様子を見ていた和木は「俺も!」と言って二人に着いていき
琉胡も來を口説くと宣言し後をついっていった
もっとも來には相手にされていないが・・・
四人が海で遊んでいること小波は一人砂辺に建てられたビーチパラソルの下にいた
「いいな~私も泳ぎたいな~まあ、入った時点で人魚になるから無理か」
とぼやいていると
「おい」と声をかれられた
その声の方向に目を向けると詩音が居た
「食べるか?」
そうして差し出されたのはかき氷だった
「わ~おいしそう!ありがとう」
ぱっく
ぱっく
キーン
「ん~頭いた!でもおいしい!」
「よかった」
「そういえば、詩音君は海行かないの?」
「俺は別にいい。それにおまえ一人じゃつまらないだろ」
(え、心配してくれたんだ)
「なあ、この後堤防のほうへ行ってみないか?」
「それって・・・」
「そこで一人でいるよりもいいだろ」
「うん!行く詩音君大好き!!」
ガッバ
「おい、抱きつくな重たい」
「えーだっ・・」
ピッピー
「あ、笛が鳴った戻るぞ」
「うん!」
そのとき先生の集合の笛が鳴ったので二人は一度皆の元に戻っていった
その後お昼をみんなで作ったカレーを食べながら
來・由衣・小波・琉胡・和木・詩音は午後の事を話していた
「この後また海入ろう」
「うんいいね!!」
「小波はどうするの?」
「ん、私は詩音君とデート!!」
「お!デートですか~いいですね」
「違う、堤防のほうに行くだけだ」
「な~んだ、でも楽しんできてね」
「うん」
二人は皆の元を離れて堤防に行った
少しずつ堤防の上に登っててっぺんまで登った
「うわ~スゴイ!!終わりが見えないよ!!」
「そうだな、海はずっと先の方まで続いているからな」
そしていつしか3時半過ぎになっていた
「もうそろそろ戻るか」
「そうだね」
こうして二人は空が茜色に染まっていく中で足場の悪い岩場を歩いていた
ガッツ
バッタ
大きな音立てて小波がこけた
「イッタ~」
そうして小波がお尻をさすているっと
「大丈夫か?お前ってやっぱドジだな」
そう言って詩音は手を差し出した
「うん」
小波は立ち上がろうとしたが
「イタ!」
「ん、足くじいたのか?って血が出てる手当てするからそこに座れ」
「あ、ありがと」
そう言って小波は大きな岩の上に座った
「サンダルなんかで来るから」
「うん、ごめん」
「いいから足出せ」
っと詩音に小波が手当てをしてもらっていたその時だった
ザバーンと大きな波が二人の方まで襲ってきた
一瞬のことだったので二人は対処できずに全身ずぶぬれになった
「うわー濡れちまった、小波は大丈夫か…!!お前その格好・・・」
「ん、あ!!見られた」
そう、あの一瞬で小波は海水をかぶってしまったため人魚に戻ってしまったのだ
「う、そだろ小波が人魚だ何って」
「えっと隠しってごめん見られちゃったね・・怖いよね」
ばれちゃった・・しかも一番好きな人に
もうタイムリミットか早かったなもっと一緒に居たかったでも
恐ろしいよね怖いよねクラスメイトが人魚だ何って
小波は足早に約束の通りに海に戻ろうとしたその時だった
突然右手をつかまれた
掴んだのは詩音君だった
「行くな、たしかにびっくりはしたけどお前こと嫌いになんてなってないよ」
「ほ、ほんとに」
「ああ、それにきれいだよ人魚のお前も」
「嘘怖くないの?」
「怖くないよ」
「よかった、嫌われちゃったかと思った」
「大丈夫」
「あのね、このこと秘密にしててほしいんだ」
「いいよ二人だけ秘密だ」
「あいがとう」
茜色に染まってっていく夕日の中で幼いころに毎日のようあの岬でに交わした
二人の約束のように
今日また二人の間に小さな秘密が出来た
林間教室編これにて終了です
次からは新展開に移ります
此処まで読んでくださった皆様ありがとうございます