余談 『一之瀬恵とマギア=シェイドの週一依頼』
「はぁあああああ!!!」
珍しく鋭い恵の声と共に、白い剣線が奔り人ほどの大きさを持つ蜘蛛が両断される。
「これで最後、かな?」
「おお!流石は勇者殿!素晴らしいですッ」
剣をしまい、依頼主へと笑いかける。
今回の依頼は郊外の村の近くの洞窟から、人食い蜘蛛が出るので退治してほしいというもの。
依頼主の見習い青年冒険家と共に、恵ともう一人はここまでやってきたというわけだ。
「そう言えば大丈夫だったのですか?あの黒髪の青年は。一人で洞窟の奥まで入って行ってしまって・・・」
「あー大丈夫だよ、あの人は。むしろやばいのは、」
そう言いかけた、次の瞬間。
大地が割れた。
ずっどぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおん!!
という、およそ平穏に生きていれば聞くことは無いような轟音が地面と空気を震わせる。
洞窟が元あった場所から縦に入った大地の亀裂、そこから頭から触覚を生やし背中から蜘蛛の足を飛び出させる女性型のモンスターがはい出してきた。
「ゆ、勇者殿ぉ・・・!奴はA級危険生物テシア=ヴアス・・・、鋼のような糸を吐き出す蜘蛛の先兵ですよ!!上級モンスターがいるなんて聞いてない・・・、いくら勇者殿でもあいつに一対一は無謀です!逃げましょう!」
顔を青ざめさせる見習い青年冒険家。
そんな彼の畏怖に反応したのかテシアはニヤリと嗤う。
そしてそのまま見習い冒険家に飛びかか、
ろうとしたが、姿勢を低くしテシアの腹を恵の聖剣が撫で切りにした。
ズブシャッ、と緑色の体液が噴出する。
『ヒュィギィイッ!』
痛みと驚きに叫びながらも、右手から出た白い糸を恵に叩き込む。
「・・・・・・」
「ゆうしゃさぁんっ!?」
反射的に反撃とは流石に上級モンスターと言われるだけはある。
事実テシアと呼ばれるこのモンスターは人間を食料とすることも多く、鋼のような強靭さを持つ糸で村人を縛り、さらい、食らうことで有名な危険生物だった。
単体の強さもさることながら、テシアは危機を察知すると即座に仲間を呼ぶ叫び声をあげる。
仲間意識の強い軍隊のようなモンスターなのだ。
が。
相手が悪すぎた。
テシアが上位の危険生物だろうが何だろうが、一之瀬恵はこの世界の人類史に残る程の勇者である・・・ッ!
「神器開放・・・エクス、カリバ―ーッ!」
周囲を染め上げる極光。
それが剣を染め上げ、光を纏ったその一撃は、恵の身体にまとわりつく糸を弾き飛ばしそのままテシアの上半身を消し飛ばした。
「・・・・・・!これが、勇者・・・!」
神器開放されたのちにも閃光を纏う剣を軽く振る彼女に、羨望のまなざしを向ける見習い青年冒険家だったが、
「・・・はっ、そういえば洞窟に入った青年は・・・!?」
「そもそもこの地割れ自体がマギア君の・・・いや、まあ迎えに行こうか」
苦笑いしつつ戦闘態勢をやめて剣をしまい洞窟へと入る恵。
それを不思議そうに見つつ、見習い青年冒険家はその後ろに続く。
「それにしてもすごいですね勇者殿!僕も貴方のような人類の希望に少しでも近づきたいです!」
興奮気味にそういう見習い青年冒険家に反して浮かない様子の恵に、
「・・・どうかされたんですか?」
「私もさ一時期は、そんなふうに思ってた時があるんだ。女神様に選ばれて、すごい力を貰って、仲間も増えて、口では『私は勇者って呼ばれるのはちょっと嫌かなー』なんて言いながら、心の中では舞い上がってた。
でも、上には上がいるよ。しかもそれが味方とも限らないし。ほんと・・・嫌になるくらい」
「そ、そんなこと!」
「・・・ほら。これを見てもまだそう言える?」
半ばあきれたように洞窟の奥を指さす。
そこは。
緑色の体液に染まった壁壁壁。
原型をほとんどとどめていないが、大きい蜘蛛やテシア種の破片が無数に爆散している。
あげくの果てにはテシアのさらに上位の最上級、S級危険生物アルミテシア=レンジャーの死体が壁にめり込んでいた。
どうやら強烈な力で壁に叩き込まれたらしく、そこから亀裂が広がっている。
そして。
それはいた。
黒髪に黒い服、背が高めのその青年はこちらに気が付いたらしく振り返る。
「ん、ああ、恵か。何かが逃げた気配がしたんだけど見たか?」
「うん、私の方で倒しといたよ」
「じゃあ依頼もクリアだな。予定はこれから泊まりだっけ?」
「ここの近くの村に温泉が湧いてるらしいんだ~」
「・・・私情しかねえな」
「えぇーいいじゃん仕事の合間に露天風呂行くぐらいさ」
あたかも何事もなかったかのように話しているが、少なくとも10以上はいただろうテシアを殴り飛ばし軍隊規模で討伐されるS級モンスターを無傷で倒しているのだ。
正気の沙汰ではない。
「っていうか今回『も』、派手にやったねぇ。まーた目立つよ?」
「・・・途中で剣が折れたんだよ。海を叩き斬ったときは恵の聖剣の力のおかげがあって折れなかったらしいな」
剣の柄だけになったそれを彼は放りながら吐き捨てる。
「くそっ、これはこれで結構高い買い物だったんだぞ」
「だから私言ったじゃん?マギア君が得物使うなら神器レベルじゃないと、ってさ」
「・・・なんかその辺に落ちてたりしねぇかな」
「流石に無理でしょ」
無駄話をしつつ、洞窟を出る二人。
その背中を見て見習い青年冒険家は驚嘆と畏怖に震えていた。
(・・・あれが噂の黄昏の魔王マギア・・・!勇者殿も恐れる、この世界の元覇者・・・!)
「・・・で、本題は?」
依頼を終え、食事処に来た恵とマギアの二人はテーブルに座り早めの昼食を食べていた。
「本題?」
ラーメンのような食べ物をすすりつつ、恵はそう返してくる。
「いや・・・ただ単に依頼こなして、露天風呂入りたいだけならいつものメンツで来ればよかったろ?わざわざ俺だけを呼んだ理由があるもんだと思ったんだが」
そう。現在進行形で金欠のマギアたちは依頼をこなすことで金を稼いでいた。
今回の蜘蛛退治もその一つである。
普段であれば恵たち勇者勢とマギアやクーたちが一緒に行くということは少ない。
なのだが今回に限っては、何故か恵がマギアだけを呼んで行くことになったのだった。
・・・アルティアナに見つかって死ぬほど面倒なことになったのは思い出したくないが。
「理由がなくちゃ、マギア君と仕事しちゃダメかな?」
「いや別に俺はいいけど、アルティアナとクーをなだめるのは恵がやってくれよ」
「そ、それは実質的にダメってことじゃないかな!?」
「そうとも言う」
きっぱりそう言うマギアに苦笑いしつつ、恵はようやく本題に入った。
「いや実はさ、頼みたいことと話したいことがあるんだよね」
「話したいことから聞こうか」
「うん。マギア君の記憶のことなんだけど・・・本当に何も覚えてないの?」
「何を疑ってるのか知らないが、覚えてないよ。何一つね」
覚えていない、というか知らないのは紛れもない事実である。
完全な真実ではないが。
「・・・私、少しだけマギアの事聞いたことあるんだよね。知る覚悟はいいかな?」
「覚悟?自分のことだろ」
「うん、まあそうかも。マギア君は勇者と殺し合って死んだ、そう聞いてる」
ああ、そのことか。と、考える。
マギアの記憶がないと言っているのだから、当然死んだことも知らないことになっているのだ。
知らないふりをするのが無難か、ととぼける。
「俺が死んだ?じゃあなにか、死者蘇生の魔法でも使ったのか?」
「死者を生き返らせることは出来ない、それが定説だしありえないとは思うけど、実際マギア君は死んだことになってるんだよ。一人目の勇者、ヒラノトオヤと相打ってね」
・・・こいつ知ってることしか教えてくれないな、と興味が薄れるのを感じつつ。
まあ相手も同じ異世界人で同じ世代くらいの女の子だしなと思い適当に返答をした。
だからだろうか。
「・・・うん、で?別に昔のマギアが死んでようが今の俺に何の関係があるんだ?俺は今間違いなく生きてる、それでいいんだよ」
彼は気が付かない。
この事実を知った時の動揺もなく、冷静に話せたのは初めてであることに。
それが恵という少し抜けていて素直な少女の前だからだと。
「・・・ははっ、そうだね。てっきり俺を殺した勇者など全員滅ぼす、って怒り狂うかと思ったけど」
「お前・・・マジで俺を何だと思ってやがるんだよ」
あきれ顔で冗談めいて言った言葉、それに恵は珍しくまじめに返した。
「遥か昔に悪魔たちすべてを併合して、まとめ上げた覇者。滅ぼした国は数知れず、生み出した秩序も数知れない、善悪あわせもつ魔王。そんなところかな」
「・・・一切具体性はないが興味深い話だな」
「私も人づてに聞いた話でしかないしね。でも少なくとも昔のマギア君は勇者に狙われるくらいには目をつけられてたみたいだよ」
「・・・ふん」
つまりは、勇者を召喚した女神に目をつけられていたということなのだろうか?
だとしたら何のために?わざわざ異世界から呼んで倒させるより、自分で動いた方がはるかに速いと思うのだが。
そんなことを考えるマギアとは裏腹に恵はやけにさわやかな声で、
「でも関係ないよね、今のマギア君と昔のマギア君は別物だと、私も思うよ。だってマギア君優しいもん」
「勝手に信じるのは結構だが二人きりで話すのは不用心すぎるだろ」
「えへへ、まぁ結果オーライって感じ?」
「行き当たりばったりの間違いじゃねぇの・・・」
気にも留めないように笑う恵。
そんな彼女を不思議に思いつつ、話の続きを促す。
「で?頼みっていうのは?」
「うん、正直これを言うのは怖かったけど、マギア君の事、もう信じることにするよ。私と、戦ってくれないかな」
「・・・はい?」
「ん?だから戦闘をしてほしいの。この数カ月、何もせずにのうのうと過ごしてたわけじゃないんだよ?きっと前よりは手ごたえのある戦いができると思うの」
正直、意外だった。
「お前そんなに戦い好きな奴だったのか?」
「ちょ、違う違う!好きではないよ。でも私にだって、失いたくないものがあるから」
「・・・答えになってねえよ」
「うーん、じゃあこうしよう。私と戦ってマギアが勝ったら、一緒にお風呂入ってあげる。背中を流し合うのもいいかもねー。ふふっ」
「え?つまりこういうことか?勝ったら恵と混浴できるよ、と?」
「う、なんかそう言われると恥ずかしいけど・・・そうだよ」
顔を赤らめる恵。
彼女に向かってマギアは呟くように、
「いや・・・それ俺のメリットはどこにあるの?どっちもしんどいだけなんだけど」
「あっれー?!思ってた反応と違うなー?!」
先ほどとは打って変わって叫びつつ、恵とマギアは店の外に出て、平原の方まで歩き始めるのだった。
「で、ルールは?」
少し距離を置いて対峙する勇者と魔王。
マギアの声に恵は剣を抜きつつ、
「ないよ。何でもあり。殺す気で来て」
「ほう、本当に殺してもいいんだな?」
そんな脅しに恵は笑う。
「大丈夫。マギア君は殺しを理由なくする人じゃないって信じてるし、事故で死ぬほど私も甘くないよ」
「・・・ふん、精々気を付けることだな」
「じゃ、先手はもらうよ。・・・神器開放・・・ッ!」
恵が剣を振るとやはり極光が生まれ出でる。
しかしそれを見ていながらもマギアは微動だにしなかった。
隙だらけの彼に音速で右足を踏み込み、
「・・・エクス、カリバ――っ!!」
横なぎの極閃光が放たれる。
それは女神からあらゆるものを破壊できる力を与えられた攻撃手段。
神器開放の初撃。
その一撃は、マギアのいた空間ごと断裁したかのように光すら捻じ曲げ、
ばぎんッ!
と。
マギアの右手によって砕かれた。
恵の右手には中間程から砕かれた剣。
いつかのように剣先が地面に突き刺さる。
「オイ。コレのどこに手ごたえが、
煽ろうとしたその時、初めて。
本当に初めてマギアは強烈な危機感を感じ、背後にのけぞる。
その瞬間、マギアの身体があった部分に下から白い剣線が迸った。
「・・・初めて、避けた、ね。マギア君」
砕かれたはずの剣が、極光によってつながっていた。
2撃目はその修繕光剣の一撃らしい。
(そうか、聞いた話だと宵闇も刀に蒼炎を纏わせていたとか。恵だって出来てもおかしくない)
しかし、話で聞いたからと言ってそうも簡単にできるだろうか?
見てもいない恵が?偶然かとそう思った自分の考えを否定する。
(・・・いや、これは才能というしかねえな。要領が良いと言うべきか、飲み込みが早いと言うべきか、流石は勇者というところか)
エルフの国でひどい目に合ってなお、彼は長考することをやめることはできないらしい。
ましてや恵は音速での攻撃を可能とする勇者、コンマ1秒のロスすら致命打になりうるというのにだ。
姿勢を低くしてマギアの腹を蹴り込んだ。
ソニックムーブを纏うその一撃は、流石のマギアでも後退させ恵との距離がまた開く。
「・・・・・・」
「少しは、成長したでしょ、私も。本気出してもいいんだよ。10属性魔法とかいうの、あるんでしょ?」
そんな彼女の言葉に、
にたりと、笑う。
「惜しいな」
「・・・え?」
「神器をものにするその力といい、その身体能力といい、ほんとに恵は強いと思うよ。ただ足りない。ただ力押しするだけが戦闘じゃないんだぜ」
まあこれは俺もだけど。
心の中で思いつつ、マギアは恵の手を神速で蹴り剣を取り落とさせ、
ズドンッッ!!!と、地面を蹴り砕き亀裂に恵を落とした。
「ぐっ、ひゃああああああああああああああ!!???」
悲鳴を上げながら暗闇の地下に落ちかけた恵の手をマギアが掴み上げた。
「まず初めから最速で動いたのは悪手だったな。それのおかげで恵の反射神経の限界がすぐに見えてしまった。それに近づいたのなら調子に乗らず押し切って殺してしまうべきだった。
それと残念なお知らせなんだが・・・」
そう言うと光を纏う剣を首筋に当てる。
「・・・え」
「やっぱりだな。神器でも俺にかすり傷を付けるのがやっとみたいだ」
剣が当たっているはずのマギアの首には擦り傷しかできなかった。
「さて。これで満足か?勇者サマ」
「・・・うん。また完敗だね」
ため息をつきながらマギアの手を取り立ち上がる恵だった。
「・・・・・・で、なんでこうなるの?」
「ま、まあ約束だしさ」
湯煙でぼやけてはっきりとは見えないがバスタオル一枚で体を隠す恵。
要するに本当に混浴することになってしまったのだ。
「でも、これほんと・・・ほんとに勇気ふり絞ってるんだからね・・・!」
「いやその根性他に回せよ」
やれやれと思いながら恵を見る。
思いのほか豊満な胸の谷間がギリギリまで見えている上、肩も腕も太もものラインまでも見えている彼女のどこに視線を向ければいいのか分からなかったが。
「う、うぅぅ、座って、マギア君。頭と背中洗ってあげるから」
「へいへい・・・」
「ふんふふん~♪」
わしゃわしゃとマギアの髪を泡立てる恵。
なんだかんだ鼻歌を歌いながら楽しげなのは謎だが。
「人に髪を洗ってもらうとか初めてかもしれないな」
「私は洗うの初めてじゃないよ~。・・・男の人ははじめてだけど」
「というか、なんでそんな恥ずかしがってるのに戦闘なんかしようとおもっ、!?」
ばしゃーん、とお湯が頭からかけられる。
「えへへ、露天風呂、いこ?」
「・・・ああ」
質問をスルーし、お湯につかる恵に連れられてマギアも中に入る。
(そう言えば・・・久々かもな、お湯につかるのも)
そんな日本人的考えをしていると、夜の星空を見上げながら恵が話し始めた。
「勝ちたかったなぁ」
「まあお前ならもっと強くなるとおもうけどな」
「私さあ、この世界で負けたの、2回目だよ」
「・・・2回って俺が戦ったのが・・・」
「うん。私マギア以外に負けたことないもん」
「それはそれですげえな・・・。俺も昔負けちまったらしいし、やっぱり上には上がいるもんだ」
「ほんとだよねー。一人目の勇者が魔王と相討って、二人目のミチさんが魔王に負けて。
でも私なら、この二人とは違って絶対勝てるって、この世界を救えるって慢心してた。
いやー・・・ほんとに世の中は厳しいね。死ぬほど悔しかったけど私じゃこの世界は救えないみたい。
けど私には自分の命よりも大事な仲間達がいるの。
世界を救えない私でも目の前の仲間ぐらいは、友達くらいは守りたいんだ」
「珍しくあきらめが早いな」
「え?」
「恵のいう世界を救うってのが具体的に何なのかは知らないけど、俺は戦闘や戦争に善悪なんてないと思うぞ。
どいつもこいつも自分が求める事に向かっていってる所で戦いが始まるだけなんだ。
今の魔王軍もそう。あいつらにもきっと何かしらの理由があって戦争しているはず。
それが納得できる内容か、そうじゃないかは分からないけどな。
そんなに気負うなよ、『一之瀬恵』。勇者なんて肩書きなんて二の次で、自分の正義を貫けばいいさ」
「・・・そう、かな」
「それにだ」
そう言いながら湯船を出るマギア。
「お前やお前の仲間くらい、俺が守ってやるよ」
すたすたと脱衣所まで行ってしまう彼を見やりながら恵は、
「・・・あーもう、そんなこと言われたら頼りたくなっちゃうじゃん・・・マギア君ったら」
ため息をつきながら湯船を出るのだった。
「はやくはやくーっ!」
「おまっ、ふざけんなよ!?適当に突っ込んだら練習になんねえだろうが!」
それから一週間ごとに、マギアと恵は二人で依頼に出かけるのが習慣となっていた。
恵の剣術を鍛える目的と、マギアの剣を見繕う目的、そして、正反対の立場のリーダー同士として今後を話し合うのが目当てだ。
いや、だった。少なくともマギアは。
「もー終わっちゃったよー」
街の裏稼業をしている連中のアジトを正面から強襲して制圧した少女が言う台詞ではない。
「何はしゃいでるんだよ?別にそんな急がなくたって・・・」
「うん?だって私が無茶しても、マギア君が守ってくれるんでしょ?私もすぐにマギア君ぐらい強くなるから・・・」
スッと、マギアに寄りかかりながら。
「ちょっとの間だけは、頼らせてね。マギア君♪」
彼女は、はにかんだように笑い声を上げるのだった。
*キャラクター紹介*
「一之瀬 恵」
年齢 20歳
身長 160cm
体重 49kg
種族 人類
特記 女神に呼び出された異世界人にして勇者
戦闘 Sランク(SからDまでの5段階評価)
茶髪にサイドポニーテールを揺らし、セーラー服がトレードマークの異世界から来た3人目の勇者。
日本生まれ日本育ちの女の子。高校生だったのだが謎の落とし穴に落ち、気が付いたら女神の下にいた。
こちらの世界に来てから貴族たちにいいように使われ、兵士たちを見殺しにさせて事を後で知り、王宮を出る。
その後、当時王国で唯一の学校に入学し、そこでルーレやガザニアと出会う。
封印されていたドラゴンと戦ったり、ミチやサーシャ、アスタルトなどと戦ったり仲間にしたりしながらこの世界で楽しく生きてきた。
その後ゾンビちゃんを追いかけているところでマギアと出会い戦って負けて今に至る。
性格は天然でおてんば。しかしながら義務感は強く、また仲間意識もかなり強い。
敵にして恐ろしく、味方にして頼もしい少女なのだ。
戦闘スタイルは女神からもらった身体能力と神器<エクスカリバー>を用いたもの。
極光を吹き出すエクスカリバーは特定の剣ではなく、恵が持った剣すべてがそれとなり、力を発揮することができる。
実際、この化け物だらけの世界においても恵はかなり強い部類であり、突然変異した奴らにも勝てるスペックを保有している。
*キャラクター紹介2*
「マギア=シェイド」
年齢 ??歳
身長 181cm
体重 57kg
種族 ??
特記 黄昏の魔王
戦闘 SSランク(SからDまでの5段階評価)
黒髪に黒服を几帳とした姿を好む黄昏と呼ばれる魔王。
現在は謎に包まれているところの方が多いため、分かっている部分だけまとめると、
①マギアは昔、東雲暁宵闇未明など4人と戦争して勝利し、悪魔の支配者となった。
②マギアは一人目の勇者ヒラノトオヤと相討って死亡が確認されている。
③何らかの魔法陣によってマギアは覚醒した。
④黄昏の魔王にはアスモデウスという眷属がいる。
⑤悪魔たちは神と戦争をしていた。
⑥宵闇の魔王ダスクが使った10属性魔法はマギアからもらった力である。
⑦自称だが宵闇とマギアは同じくらいの強さである、らしい。
戦闘スタイルは現状では決まっていないが、圧倒的すぎる身体能力があらゆるごり押しを可能としている。
神器であるエクスカリバーでもかすり傷であったり、神器初撃の最大出力を片手で砕いたり、ドラゴンをマッハ5で蹴り砕いたり、剣一本で海峡を生み出したりと話のネタに事欠かないくらいには無茶苦茶な強さを誇る。
戦闘ランクが5段階突破しているのは仕様。ちなみに宵闇などの突然変異者は総じてSランク。
マキナかマギアか遠野、それとも他の誰かなのかもしれない彼は真実を掴むことが出来るだろうか?




