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「「異世界から来て魔王と勇者を兼業した唯一無二の人間だよ」」  作者: Hurricane(そよ風)
2章・「まさか一度に6種族と戦う羽目になるなんて・・・」-エルフ・マーメイド領域征服戦
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第三十八話・「異世界だろうが世の中金・・・はぁ・・・」

リザルトゲーテから数十時間。

途中睡眠休憩を取ってようやくソレイン評議国までたどり着いたマギアとガザニアは、


「・・・・・・思っていたよりも遥かにひどい惨状だな」

「『俺たちがいない間にこんなことが・・・!運転手急いでくれ!』」


ぐっちゃぐちゃに「切り裂かれた」ような街並みに驚愕していた。

街の人たちが協力し建物を修復している、のだが何故か彼らに絶望した様子はない。

どちらかと言えば笑顔や笑い声が多いような気がした。

どうなってるんだ・・・?と、マギアが訝しげに首を傾げていたところで、


「あ!!!まあああああああぎぃぃぃぃぃああああああああああああんんんんんんんん!!!!」


もう聞き慣れてしまった愛称と高い声が聞こえ。

ずどッ!!と馬車の横合いからアルティアナが突っ込んできてマギアへと抱き着いた。


「落ち着けよ、まったく・・・」

「うううぅぅぅぁんんんまぎあんだぁああ・・・!」


いつも通りの彼女に安心しつつミチの宿屋の前へと出る。


ぎゅっとマギアを離さないアルティアナ。

半壊状態の宿の上でトンカチを振る恵。

足場の悪い壊れた箇所をピョンピョンと走るサーシャ。

設計図片手に恵へ指示を出すアスタルト。

悪態をつきつつ、飛びながら資材を運ぶシレーヌ。

宿の一階でカウンターやテーブルを直すミチ。


そして。


「アルティアナ、サボるんだったら私も混ぜてよ・・・って。なるほどね、おかえりマギア」


ここを出発する前とは違い、笑いながらそう言う継ぎ接ぎだらけのゾンビ。


(なんだよ、乗り切ったみたいだな。心配し過ぎだったか?)


全員いることを確認し、


「ああ。ただいま」


マギアも笑いながら返事を返した。




宵闇との決戦前。

ゾンビは作戦について説明していた。


「まず私の力のことなんだけど、幽世っていうのが転移とは別にあってね。

正直言ってこの力の上限は自分でも分からないんだけど限定的な場所において、どんなことでもできる、って力なの」

「・・・・・・どんなことでも?」

「そうよ。考えうるすべてがね」


首を傾げるサーシャに力強く頷くゾンビ。

それにミチが問いかける。


「なんだその訳の分からない力は。なぜ今まで使わなかった?」

「・・・使わない理由の一つは心情的なものなんだけど、それとは別に問題点があってね」

「Re:疑問/問題点ですか?」

「ええ。生命力の消費が本当に半端な量じゃないのよ。9属性魔法に匹敵する量が常時流れ出るっていえばわかりやすいかしら?」


9属性魔法と言えば、ドラゴンですら使用できないと言われるほどの天文学的な生命力消費量である。

それが常に流れるとなれば、使用なんてできようはずもない。


「・・・・・・使えないんじゃ、どうしようもなくない?」

「だからそこを、霊脈で補うわ。覚えてるかしら、私と恵とマギアが出会った遺跡を。あの場所には数多の霊脈が通ってるってことを。それを使うわ」


霊脈。

それは大地に流れる生命力とでも言おうか。

霊脈の場所を感知できるものは少ないが、ひとたびそれを利用すれば半永久的に生命力を魔法へ込めることができる。

たとえばマギアとゾンビが結婚させられた、あの魔法のように遺跡が壊れようとも起動するのだ。


「あの場所なら、何とか持つはずよ。当然私は遺跡から出られないし、それでも多分足りずに私自身の生命力も消費して制限時間ができると思うけど、マギアに匹敵する化け物を殺すにはこれしかないと思うのだけど、どうかしら?」


反対意見は無かった。

というよりも、その力に頼るしか勝算がなかった。

そこまで黙っていたアルティアナが珍しく静かに聞いてきた。


「・・・で、私はなにをすればいい?主役は譲ってあげるよ」

「そりゃどうも。でもこの作戦において、アルティアナにはかなり酷なことを要求するわよ?」

「具体的には?」

「・・・死んでもらう。しかも何度も」


ぎょっとした雰囲気を出す周囲と違い、アルティアナは即答した。


「任せろ。逆の立場でもゾンビちゃんはそういう言うでしょ」

「まぁね。その代わり絶対に勝ってもらうけど。具体的には、宵闇と戦いながら誘い役をしてほしいの。私がいる遺跡へとね」

「その過程で殺しちゃっていい?」

「・・・そういうのマギア曰くフラグって言うらしいわよ」




遺跡へ宵闇を誘導したはいいが、覚醒され負けたアロマと依は遺跡の中へと転がり込む。


「・・・?誰よ貴方たち?兎に、狼?」


そこには心配そうに爪を噛むゾンビの姿があった。


「説明はまた今度。お前がゾンビっていう奴であってるんだよな?」

「宵闇関係の話?」

「宵闇・・・そんな名前だったな、確かに。その魔王を殺そうって話だよ」


二人の話が緊急であると直感したゾンビは問いかける。


「で、何?なんか暗いし、何が起きたのかしら?」

「簡単に言えば、私とここの狼が宵闇を倒したら本気になりやがった。手に負えないからゾンビって奴と一緒に戦えって言われたんだよ」

「しかも時間稼ぐとかなんとか言ってたよね。って訳でさっさと行くぞ」

「・・・私の力の範囲は遺跡の中だけよ。霊脈は・・・」


いや待てよ。

こいつらの話が誇張じゃないのなら、宵闇を倒す程にこいつらは強い。

だとしたら・・・


「霊脈の操作、出来る?その宵闇が戦ってた場所に移動させられない?そうしたら私が片付けるわ」

「・・・私ってか夜ができるし、アロマがいれば全部力技で曲げられるだろうけど、一人で戦うってのか?」

「お願い。今も仲間が戦ってる。早く!」


切羽詰まったゾンビに顔を見合わせる二人は、決断した。


「・・・分かったよ・・・。絶対に勝てよ」

「とりあえず代わるわ・・・・・・・ぅつ、あ。えっとようするにれいみゃくをうごかせばいいんですよね・・・?」


その返答を聞くや否や、即座に手のひらサイズの鋏を掲げ、


「幽世、発動」


その瞬間、空間がゆがんだかと思うと、目が眩むほどの光が遺跡を包んだ。

アロマがゾンビがいた場所を見ると、そこにいたのは継ぎ接ぎの少女では無かった。

20歳くらいの体に透き通った白い肌を持つ彼女。

水色のくせ毛をいじりつつ、巨大な鋏を一振りし、姿が掻き消える。


「・・・何よあれ?最後のは転移っぽいけど、幽世?」

「わからないですけど・・・とりあえずれいみゃくを!」




「・・・っていうことがあったのよ」


マギアとガザニアが帰ってきたことで、いったん作業を中止し一階に集合した後。

この街の惨状をゾンビに問い詰めた。

・・・問い詰めた、というのも何故か話したがらなかったからだ。


「俺が出る前から魔王と会ってたって・・・!なんで俺の居場所くらい言わなかった?お前らの安全の方が先だろ」


多少のいらだちを込めつつ、マギアはゾンビに言う。


「じゃあ聞くけど、マギアはあんたと知り合いらしい宵闇を殺せた?戦闘的な意味でも、心情的な意味でも。少なくとも宵闇はマギアを殺す気満々だったわよ」

「・・・それは、分からないが」


事実、話を聞く限り宵闇とかいうのは昔のマギアの好敵手であったらしい。

今の力押ししかできない自分では勝てたかどうか分かったものではないだろう。


「もっと、私たちを頼りなさいよ、マギア。なんでもかんでも自分でやって終わり、そんなマギアは確かにすごいけど限界があることだってあるでしょ。私はあんたの妻ですらあるわけだし?」

「まったくだよぉお。初めの出会いこそひどかったけど、まぎあんとアルティアナちゃんは仲間でしょ?これで役に立てるって思ってくれたかなぁ?」


そんなゾンビとアルティアナの言葉に困惑する。

・・・隠している事だらけの、彼には重い言葉だった。

隣の恵も、思うところがあったらしい。


「・・・そうだね。そういえば、なんだかんだこうしているけど、あんまり腹を割って話したこととか無かったかも」

「ねぇ、マギア。私は知りたいのよ。あんたが何を考えて、本当は何を目的としてるのか。私も、ちょっとくらいなら昔話するから」

「・・・・・・・・・・・・・・」


眼をそらさず、マギアを見つめるゾンビ。

が。


(ここで全部話したら俺が何者なのか分かるかも・・・いや・・・だめだ、今のマギアは魔王軍が恐れ人間とエルフが頼る存在。ゾンビたちや恵が口を滑らせることが無くても態度で図られる可能性は大いにある・・・だったら)


「・・・話せる範囲まででもいいか?信用していないとかじゃ無いんだが、これに関しては最後の最後まで言う訳にはいかないんだ」

「いいわよ、別に。でも・・・それはあんた一人で解決できることなの?」

「余裕、と言いたいが・・・今は嘘をつくのをやめるよ。正直不安だし糸口もほぼ見えてねえ。けどやるしかないさ」

「・・・そう。で、話せる範囲ってのは?」

「俺は黄昏の魔王マギアだ」

「はい?何をいまさら・・・」

「本当にそう思うのか?」


全員が、マギアを見たまま固まった。


「俺が黄昏の魔王マギアである確たる証拠、それが一つでもあったか?アスタルトが言った見た目の情報、それだけだろ?」

「ちょっ、ちょっと待ってどういうこと?!マギアは、ってかあなたは魔王じゃ、ない、の?」


恵の驚いた声に笑いつつ、


「さぁ?俺は誰なんだろうな?」


彼は困惑を返す。


「要するに、俺には記憶がねえのさ。あの遺跡で目覚める前までの記憶がな」

「・・・・・・それは、自分の名前までってこと?」

「ああ。綺麗にな。むしろなんで言葉が喋れているのかが謎だ」


あっけらかんと言うマギア。

それにアスタルトが疑問を呈した。


「Re:疑問/しかし貴方は自らマギアと名乗りませんでしたか?」

「あれ適当に名乗ったんだよ。けどどうやら宵闇とかいうのの反応を見る限り、何故かは知らないがビンゴしたらしいな。もしかしたら記憶が無くなろうと、何年と呼ばれ続けた名前は自然に出てくるものなのかもな・・・?」

「・・・本当みたいね。ってことはあんた、記憶がない状態で私達と会って、駆け引きして、戦闘して、更には先のことまで考えてたの?十分魔王レベルの精神力ね・・・」


呆れたようなゾンビ。

それにマギアは本心を伝えることにした。


「まあそういう訳で、俺は戦い方に関しても魔法に関してもこの世界に関してすら知らねえ。

恵とかアルティアナとか黒龍とかは全部元あったマギアの身体能力でごり押してるだけだし、昔のマギアと同等だったと自称してる宵闇と俺が戦ってたら、負けてた可能性がはるかに高いだろうな。

だからありがとう。本当に助かったよ」


ストレートな感謝の言葉に、喜びを隠さないアルティアナと隠しきれていないゾンビ。

そんな中、恵がつかつかとマギアに寄ってきて、

勢いよく頭を下げた。


「今までごめんなさいっ!!」

「・・・え?なんかされたっけ?」

「魔王だから悪いやつって決めつけて、戦ったり、裏でマギアが何か悪いことをしそうになったら止められるように対策してたり・・・

私の早とちりで迷惑かけちゃってごめんなさいマギア君!」

「迷惑・・・なんかされたっけ?」

「それはそれでなんか悲しいよ!?」


本気で恵に邪魔された思い当たりがない。

戦ったりしたはずなのだが、差がありすぎて記憶にあまり残っていなかったらしい。


「・・・ということはマギア君はアリスという魔王のことも知らないんだな?」

「アリス?話に出てきた未明の魔王か?知らねえな」

「ま、そうだろうな・・・」


微妙に当てが外れたようなミチ。

言いづらそうにしながらもミチにサーシャが尋ねた。


「・・・・・・あの時言ってたよね、フェアリーの国を滅ぼした魔王だって」

「そう、そこだ。俺もそこは気にかかってた」


サーシャに乗るマギア。

首脳会議に出席しなかった理由が、まさか滅んでいるからだとは思わなかった。

ミチは少しの間目をつぶっていたが、おもむろに話し始める。


「・・・簡単に言えば、私を召喚したフェアリーがいた『妖精清帝湖ようせいしんていこ』という国は未明の魔王の手によって滅ぼされたんだ。

私は召喚してくれた子に、アリスに負けた所を助けられ、一人生き残ってしまったわけだ。

・・・魔王を倒せと女神に言われ、召喚されたというのに私は誰も助けられなかった・・・」

「・・・なるほどな。女神っていうのは?」

「それなら私も会ったよ。私たちがいた世界、そこから来るときに変な白い神殿に移動して、そこでね」


恵の言葉をさらに問う。


「どんなやつだった?姿は見せたのか?」

「う、うん・・・?綺麗な黒髪のお姉さんだったよ。布とか浮いてたし、まさに神!って感じ。そこで力と剣を貰ったの」


アバウトだなーと思いつつも、女神なる者が確かにいるということだけは分かった。


(俺会ってないんですけど・・・。何?神にすら見放されてるの?)


微妙にやけになるマギア。

詳しくは話す気がないのかミチも続ける気はないらしかった。

代わりにガザニアが恵の話に入る。


「『ふん、呼び出しておいて放置して、しまいには元の世界に戻る方法が分からないなど、その女神には言ってやりたいことが山ほどあるがな』」

「戻れない?」

「えーっと・・・うん。戻り方とかそのあたりは一切聞いてないんだよね。というか私に至っては魔王の話すら聞いてない・・・」

「・・・期待されてないんじゃね?」

「そ、そんなこと!・・・あるかも・・・」


しょぼーん、とする恵の頭をサーシャが撫でる。

いじりがいのある勇者だな、と思っていると端の方からため息をついているシレーヌのつぶやきが聞こえてきた。


「・・・魔王も勇者もぼろっぼろじゃねえか。大丈夫なんだろうな・・・」

「そういえばシレーヌ、お前にも聞いておきたいんだが、突然変異ってのは何のことだ?」

「お前とかそこの銀髪とか私とかの事。以上」

「・・・いや分かんねえよ」

「あーめんどくせぇな・・・。いいかよく聞けよ。この世界の種族ってのは特徴とか強さとかが大体固定されてるだろ?でも時々、種族の壁を越えて強くなる奴らがいる。

それが突然変異だよ。突然変異した奴らはそれぞれの種族の力を天元突破したような能力みたいなもんを持ってるって言えばわかりやすいな。

セイレーンの歌声から強制させる声を持つ私とか、そこのヴァンパイアの再生能力から不死性を持つ銀髪とか。多分魔王を倒した兎とか狼とか王宮のメイド服のやつとかもそうなんじゃねえかな?」


言っている内容もさることながら、もう一つ驚いたところがあった。


「アルティアナってヴァンパイアなのか?」

「あぁあうん、そぉだよぉ!言ってなかったっけぇ?」

「ゾンビと同じだったのか」

「うぇ!?ゾンビちゃんヴァンパイア?」

「元、な。今は・・・何なんだろうな」

「前も言ってたな。じゃあ最後はゾンビの話か?」

「・・・しょうがないわね。驚くような話でもないけど、どこから話そうかしら。もうあんまり覚えてないけど、それなりに幸せだったわ。

で、よくある話として権力争いが起こって、私は巻き込まれて国を追われそうになったの。それをしたのがノリア・ヴラドってやつ」

「それと幽世に何の関係が?」

「ノリアはただのキチガイ。あいつ自身は大した問題にはならないわね。・・・問題はその裏にいるやつなのよ。幽霊なんだけどね」

「・・・ゆうれい?」


前にも思ったが流石はファンタジーのお手本のような世界だ。

というか視認できるのか?それ以前にそれ強すぎじゃね?

と、思ったのはマギアだけではなかったらしい。


「Re:未知/幽霊?なんですかそれは」

「え?タルトちゃんも知らないの?てっきり私とかミチさんとかが知らないだけかと」

「・・・・・・幽霊なんて、おとぎ話でしか、きいたことない」


アスタルトや恵、サーシャの話を統合すると、だ。


「要するに実はこの世界に『幽霊』っていう種族がいて、そのひとりがヴァンパイアを動かしてる、そういうことか?」

「たぶんそうなんでしょうね。私も実際に会うまでは信じてなかったし。

結論だけ言うと、

その幽霊に私は体を奪われたの。なんであの幽霊が私に目を付けたのかは知らないけどね。

その代わりにその幽霊の力の幽世がつかえるようになったって訳」

「お前・・・ほんとにとんでもない修羅場くぐってるな。身体を奪われた?じゃあ今の身体は?」

「これは人形みたいに無理やり動かしてるだけよ。感覚もないし。ただ唯一頭だけは本物なんだけどね。

私も奪われた時はホントにびっくりしたわよ、首から下をズバッと斬られて自分の首と死体の身体がくっついたんだから。

あ、ちなみに私の元の名前はクー・レヴェルっていうのよ」


そこまで話し終えて勝手にワインを開けるゾンビ。

キレるミチを置いてマギアは疑問を覚えていた。


(・・・?じゃあすでに結婚してる人がいるとか謎の貞操観念の低さとかはどこでどう生まれたんだ?それに俺とクーが初めて会ったあそこで、何しようとしてたんだ?)


まだ全てを話しているわけではないのかもしれない。

首を傾げているとゾンビが・・・いやクーがこちらを見た、ような気がした。


(言うなってことか。ま、そのあたりは探っても仕方ねえしな)


知りたいことの少しは見えたわけだ。これで後はヴァンパイアの国に行くだけ、とマギアがそう考えていると。


「・・・ねえマギア。提案なんだけど、全員でヴァンパイアの国に行かない?」


恵が、そう言いだした。


「俺もそのつもりだが。いくつかやることをしてからかな、マーメイドの家建設とか」

「あら?別に庇護欲を掻き立てるつもりじゃなかったんだけど」

「あはは、ゾンビちゃんの、ああ違うか、クーちゃんの事もあるけど、それに加えて会いたい人がいるんだよね」

「会いたい人?」

「うん。ちょっと助言を受けたくて」


少し歯切れの悪い恵。


(まあ恵なら大したことじゃねえだろ)


そんな感じで適当に考えつつ。


「じゃ、最低限のやることやって、ヴァンパイア潰すか」


いつも通り、悪い笑みを浮かべるマギア。


知らなかったんだ。


・・・現実的な窮地がすぐそこに迫っていることに。


それは何故かシレーヌの口より発された。


「いやあんたら・・・どうやってヴァンパイアの国『ヴァムピーラ&エグゼ統領国』まで行くわけ?」

「どうって・・・馬車だろ?」

「・・・私さぁ、初めてここに来たとき盗めるものないかなーと思って帳簿とか見たんだけど、生活資金すらぎりぎりだぞ。どこから馬車を借りるんだ?」

「・・・・・・・・・・・・・・え?」

免許のテスト前日に教科書を開かないそよ風と申します。

ちなみに免許のテストは明日の10時からです。やべえ・・・。

どうにかなると信じて今から勉強します。

という訳で今回はこの辺りで!

ここまで読んでくださった方に感謝を。



少しずつこの世界のことが見えてきた、か?

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