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「「異世界から来て魔王と勇者を兼業した唯一無二の人間だよ」」  作者: Hurricane(そよ風)
2章・「まさか一度に6種族と戦う羽目になるなんて・・・」-エルフ・マーメイド領域征服戦
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第三十二話・「エルフの国で一人旅もたまにはいいかもしれないな」

「『そろそろ二人がソレイン評議国に着いたころか』」

「ああ、俺たちも早めに帰るべきだな」


リザルトゲーテにてシレーヌと恵を(無理やり)行かせた後。

人魚とガザニアとマギアは馬車の準備を待っていた。

そんな中人魚がマギアに話しかける。


「えぇっとぉ~・・・。私はどうすればいいのかな~・・・」


怯えたように言う彼女。

しかしそれは仕方がないだろう。

マギアの気分次第でマーメイドが、ついでにセイレーンも、滅ぼされることが証明されたのだから。

当然拒否権など無い。

実際幻覚などを得意とする彼女は逃げようと思えば逃げられるのだ。

が、ライブラ・ミュー・メーアから任された現マーメイドの長として仲間を見捨てることは出来なかった。


(どんな難題でも・・・やるしかないなぁ~)


そう覚悟し、マギアの言葉を待つ。


「そもそもお前名前は?」

姫海老ひめえびだよ~」


え、人魚なのにエビなの!?


という突っ込みを必死に抑えつつ、


「戦いのせい、というか俺のせいで住処が無いってことか?」

「ち、ちがうちがうよ~!」

「ああ、いや怒ってるとかじゃねえよ。確かに俺はお前らに騙されたし、お前らは俺にやられた。けど今からは違うだろ?」

「えぇっとぉ~、黄昏の魔王の配下~?」

「・・・俺的には仲間の方がしっくりくるけど、まあ何でもいい。とにかくお前らが抱える問題は俺の問題でもあるんだよ。で、俺が壊した海底と岩場は大丈夫なのか?」


マギアの言葉を聞き、呆気にとられている姫海老だったが暫くすると、


「・・・ふふふっ、マーメイドの方は大丈夫だけどセイレーンの方は住処の岩場が欠けてきついかもしれないな~」

「なら一時的にリザルトゲーテに住んでもらって直すか。ソレイン評議国にも家造りの職人くらいいるだろ」

「なるほどね~」


脈絡なく頷く姫海老を不思議に思いつつ、マギアとガザニアは急ぎ馬車に乗り込み、姫海老に見送られながらソレイン評議国へと向かう。


マギアの対応に多少なり思うところがあったらしいガザニアが話しかけようとする、が。

馬車に乗り込むなり即寝る体勢に入ったマギアに呆れた様子を見せる。


「『・・・突然神器のような光が上がるわ、突然夜になるわで明らかに大事件が起こっている中よく寝る気になるものだな』」

「今俺たちが焦って馬車の到着が早くなるのか?」

「『まぁそれはそうだが・・・』」


頭では分かっているが心情的に気が気ではないのだろう。

見た目のごつさと裏腹に、繊細で心配性の男である。

むしろそれがガザニアのいいところでもあるが。

よく考えてみれば勇者のパーティは、無謀で素直過ぎる恵、冷静で博学ではあるが感情に乏しいアスタルト、せっかちで先走りやすい(具体的には初めて見た魔王マギアに突っ込んでくるくらい)サーシャの3人である。

おのずと面倒見が良くもなるか・・・とそう考える。


「『だが、ここに来る前のゾンビの様子もおかしかったろう?』」

「ああ、明らかにな。もしかしたら今の現象にもゾンビが関係してるのかもしれない・・・。でも本人が俺を頼らないと決めたんだったら邪魔は出来ねえよ。俺にできるのは影から応援して負けそうになったら仇を討つことくらいだ」


正直に言って頼られなかったのはどんな理由があれ少し寂しい。

しかしいつまでも頼られっぱなしでは彼女たちの成長を阻害してしまうかもしれない。

だからこそ今回の出来事は任せてみようと思ったのだ。

・・・それが正解なのか間違いなのかはマギアには分からないが。


「『・・・・・・・・・』」


悩んでいるマギアをガザニアがじっと見つめてくる。


「・・・なんだよ?」

「『いや、とてもではないが初めに会ったとき、人間風情が、などと言っていた魔王と同じ人物には見えなくてな。なるほど確かにマギアなら良い支配者になれるかもしれん』」

「同じだっての。何も変わっちゃいねえよ」


気恥ずかしさをため息で覆い隠し、マギアはもう一つの問題の解決を図るため、意識を飛ばすのだった。




「・・・ふぅ。久々に一人になった気がするな」


マキナが目覚めた場所はエルフの国『エンデ・ヘルヴ』の外れにある宿屋だった。


(ここまで来るのもそれなりに大変だったが・・・これからが本番だな)


夜とアロマ、そして人狼たちと蒼い光を見て二人を送り出した後。

マキナは人狼たちに道案内をされながらエンデ・ヘルヴまで到着していた。

人間や人狼がエルフの国に入るというのは前代未聞で危険らしく、心配をする人狼たちとは国境で別れ、フードをかぶって宿屋に着いたというわけだ。


(これは全部に言えることだが・・・幸運だったのはエルフも人間も人狼も兎たちも使っている言語が同じってところだな。しかも・・・)


宿のカウンターに行っておかみさんに話しかけ、会計をする。


(貨幣まで同じ。これ常識的におかしいだろ・・・)


二つの体を持つ自分やら、性別の不均等さなど、この世界には気になることは多々あったが、個人的には言語と貨幣が同じであることの方が信じられなかった。


(これで人間とエルフが古代からかかわりの深い国っていうならまだ分かる。でも首脳会議すら初、とか言ってるレベルのこの世界でどうしてこんなことが・・・?)


考えようとも答えは出ない。

この問題に関しては俺に知識がなさすぎる。

そう判断し、宿を出たところで。


ゴッッ!!!


と、強烈な突風によりマキナは路地裏へと弾き飛ばされた。


「ぅおうううううう!!??」

「だっ、大丈夫ですかっ!?」


頭を強打し、地面でもだえるマキナに少女が駆け寄る。


「なん・・・だってんだよ?」

「あら、随分とタイミングの悪い人だねぇ」


更にもう一人が道を塞ぐようにして現れる。


マキナに駆け寄った少女は、当然のように耳がとがっていて薄い緑の髪をくくっている。

年齢は・・・18程度だろうか。身長はかがんでいるため分からないが、エルフのイメージにあるような優雅な服ではなく地味で利便性がある傭兵のような服に剣やらナイフやらを持っている。


もう一人の方はドレスに凝った装飾があったり、ほのかに赤い髪にかんざしがついていたりと気品あふれる20歳くらいの女性だった。

手には鉄でできているように見える杖を持っていて、よく見ると風を纏っているようにも見える。


「タイミングって・・・お姉ちゃん、流石に他の人を巻き込んだらダメだよ!」

「そんなことより魔王の討伐をしなくちゃならないじゃないか。大体、戦う意思の有るものはもうとっくに政樹会軍に加わっているはずなんだから、ここにいるような奴は腰抜けだけだろ?」


つまりは姉妹か。『政樹会軍』とかいうのが何なのかは知らないが、魔王軍への備えは前々からしてるらしい。軍隊の名前か何かだろうか?

しかし、だ・・・。


「・・・じゃあその政樹会軍に加わらずここで暴れてる君たちも腰抜けってことになるぞ?」

「ちょっ」

「なんだと貴様・・・。私たちは今から向かうところだっ!ここでおっぱじめてもいいんだぞ!」

「もうやめてお姉ちゃん!!それに君も君だよ!?吹き飛ばしたのは私が代わりに謝るから喧嘩はやめてっ!」


妹?の方がぶんぶんと姉?とマキナを必死にたしなめる。

ちなみにだがマキナとて、やみくもに喧嘩を売ったわけではない。

洞窟内でアロマにやられた2属性魔法。あれより今受けた風の魔法の方が遥かに弱く、そこまで強くはないと判断した。

それに、マキナの目的は地元のエルフがいた方が達成しやすい。

心の中でゲスく笑っているとは露知らず、姉妹は少し落ち着いたようだった。


「・・・まぁ、悪かったよ」

「あのー、ごめんなさい。これから決戦だと思ってた矢先に、突然夜になったものだからちょっと混乱しちゃって・・・」

「いやいや仕方ないよ、むしろこんな異常な状況で冷静でいられる方がおかしいしな」


そう言って早めに和解し、マキナは次の手を打つ。


「ま、それは兎も角、ここであったのも何かの導きかもな」

「と、いうと?」

「俺も丁度政樹会軍に行って魔王軍と戦ってやろうと思ってたところなんだよ。どうだ?一緒に行かないか?」


さも、名案を思い付いた様子で語る。

これで賛成してくれるならよし、反対なら素直に引いて他のエルフに政樹会軍の場所を聞けばいい。

ぶっちゃけダメ元である。

すると予想していなかった答えが返ってきた。


「ぇえっと・・・お話はありがたいんですけど、実は私達弱すぎて政樹会軍の規定外にされてしまっていて・・・」

「規定外?」

「政樹会軍に入るには衛兵と戦って勝たないとダメなのはご存知ですよね?そこで私達ぼろ負けしまして・・・それで帰ってきて修行をしている時に・・・」

「・・・丁度良く俺が魔法にぶち当たったと」

「お恥ずかしい限りです・・・」


目線を逸らす姉妹。

なるほど腰抜けがどうのと言っていたのは負い目があったからか。

そう思うが、なら尚更引けなくなった。

政樹会軍というのがどういう物か知っておいた方が有利には違いないのだ。

マキナが戦えるのかどうか知らないが少なくとも2人よりも3人の方がいいだろう。


「・・・で、それがどうかしたのかよ?」

「な、なによ?笑うなら笑いなさいよ・・・」

「ああ、お笑いだね。たっかだか1回負けたくらいでウジウジすんなって」

「でももう笑われるのも痛いのも嫌ですよ・・・」

「けどここでまた挑戦しなかったらお前ら・・・二度と汚名返上できるチャンスは来ないんだぞ?」


汚名返上、その言葉に姉妹が目を見合わせる。


「馬鹿にしてきたやつらに目にもの見せてやりたくねえか?」


マキナは姉妹の返答を待つ。

しばらくして先に口を開いたのは妹の方だった。


「・・・・・・それは、魅力的な提案です。が、今会っただけの人を信用するのは、

「・・・やるわ」

「・・・へっ!?お、お姉ちゃん?」

「この人が信じるに値するかはわからないけど、何事もやってみなくちゃ分からない、でしょ?どうせもう私たちに取られて困るようなものは無いわけだしね」

「・・・・・・分かった。私も賭けてみるよ」

「話はまとまったみたいだな」

「ええ。私はイブキ、こっちは妹のカリンよ」

「俺は・・・マキナだ。早速向かいながら戦術を確認しようか」

「マキナさん、ここまで煽ったんですから責任とって勝てるまで付き合ってもらいますからね!」

「任せろ」


この言葉だけは嘘にするつもりがないマキナは、そう自信ありげに言い切ったのだった。

最近リア充にヘイトが向きまくっているそよ風と申します。

あんまり話さない人たちとしゃべってみたところ、パチンコとたばこと酒の話題しか出てきませんでした。

ギャンブル嫌い、たばこ吸わない、酔いに弱いという3拍子揃った私は残念なことに話がかみ合わないどころの騒ぎではありませんでした。正直しんどかった()

やはり人の価値観はそれぞれですね。そう思いながら私はいつもの連中と闇鍋をすることにしました。

脈絡?ああ、奴ならもう死んだよ。

ちなみにですが今週の土日、また私は家を空けます。試合なので、なんとか頑張ってきます。

勿論次のお話も可能な限りサクッと出します!た、たぶん(震え声)

ではここまで読んでくださった方に感謝を。



久々のマギアさんマキナさん登場。

ようやくここからエルフ崩しが始まる・・・はず。

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