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「「異世界から来て魔王と勇者を兼業した唯一無二の人間だよ」」  作者: Hurricane(そよ風)
2章・「まさか一度に6種族と戦う羽目になるなんて・・・」-エルフ・マーメイド領域征服戦
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幕間8・宵闇と継ぎ接ぎ少女3(ダスク・オブ・ディタミネーション〝ガールズ〟)

「「で?」」


マギアがマーメイドを叩き潰しに宿を出た後。

宵闇との戦いを経て、心が折れかかっていたところを元気づけられたゾンビにアルティアナとミチが躊躇なく問いかけた。


「・・・いや、で?ってなによ。今の話アルティアナとミチには関係ないわよ」


そう言った瞬間、


「まぎあんんにぃ関係してる事柄がぁ、まぎあんの忠実なしもべであり部下であり奴隷であり愛人であり恋人であるアっルティアナちゃんにかんけぇ無いなんてぇあるわけないよねぇっ!っていうかそれ以前にゾンビちゃんだけが優しくされるの許せないいいいいぃぃぃぃ!!!」

「かんけいがない?関係無いだと?よく言えたものだな君は。君とマギア君が来てからというもの、毎日が実に刺激的だよいろいろな意味でな。店を破壊して、広場を破壊して、世界を破壊宣告して、次はどこを壊しに行くんだ怒らないから言ってみろ」


「「それで、何があったんだ?」」


2人から同時に反論された。

普段のゾンビであれば、余裕でスルーし適当に冗談の一つでも言っているだろう。

しかしマギアの言葉によって感化されていたゾンビにはこの二人の気持ちが分かった。



変幻自在、不死身にして最狂の殺し屋、白銀のアルティアナ。


そもそものところ異形ともいえる彼女に恋人など、家族など、友人などいたのだろうか?

殺し屋として単独で働いていたのは偶然か?

その稼ぎにほぼ手を付けず宿に持ってきたのは偶然か?

否、だろう。

使い道が無かったのではないだろうか。とすれば彼女が本当に欲しかったものは何なのか。

誰からも恐れられた彼女が全てを投げ捨てででも欲しかったものは。


居場所。自分を認めてくれる人がいる場所。そうではないのか。


マギアとの戦いで何を言われたのかは分からないが、本気でアルティアナを追い出そうとか貶そうとかする者はここにはいない。それどころかマギアはアルティアナのことを心配しているだろう。仲間として、だが。

だからこそ臨死魔王が出た時もあそこまで必死に、頑なまでにマギアの手を煩わせることを嫌がった。

マギアから、今まで無数に出会ってきただろう嫌悪の視線が現れるのを心底恐れて。

アルティアナが好意の寄せ方も寄せられる方の気持ちも知らないのなら、いつもいつもマギアにべったりなのは冗談でも何でもなく好かれたいがための行動なのだろう。



異世界から来たという摩訶不思議な補助魔法を使うミチ。


異世界から女神とかいう者の意向でこの世界にやって来た彼女は、教師を名乗り子供を守ることに必死だが、その理由は本当に教師だからという理由だけか?

ドラゴン騒ぎの時もそうだったが、やけに準備が良く過剰に反応するように見える。

それこそ子供を盾に取っただけでなんでも言うことを聞きそうなくらいには。

それにお世辞にも教師には見えない見た目や態度。何歳か、なんてどうでもいいこと聞く気はないが本当に彼女は異世界で教師をしていたのだろうか?

もし、教師とは無縁な生活を送っていたとしたら・・・彼女は何をきっかけにして奮起したのだろう。

なんだかんだと言いながらゾンビたちを置いてくれるこの優しさの裏にどんな過去があるのか、彼女が語ってくれる日は来るのだろうか?



長々とそんなことを考え。

今までの自分の、境遇なんて数あるうちの一つだろうと思い始めていた。

皆が皆、様々な難関四苦八苦を乗り越えそれでも望んだ未来に行き着こうとしている。


「死ぬかもしれないわよ。この国ごと亡びるかもしれない。それでも聞く?」


だからこそ毅然とした態度でゾンビは問う。それぞれが望む未来へ行きつけるように。


「私はもうまぎあんに命まで捧げてるよ?」

「チッ、またそういう災害か。事前に止められる猶予はあるんだろうな」

「Re:受諾/私は恵が帰ってくるこの場所を守らなくてはいけませんので」

「・・・・・・右に、同じ。長居したせいで、ここには好きなものが、増えすぎた」


快諾する二人に続き、残った勇者勢・・・アスタルトとサーシャも話に入る。


「物好きな連中ね、相変わらず。今回はドラゴンなんてのが可愛く見えるレベルの敵だから、話聞きながら心臓発作で倒れないようにね?」


そういいながらゾンビは8日前、宵闇と殺し合ったときのことを話す。


「まぁあた魔王かぁ。しかも前の変な臨死とかいうのの超上位互換なんてぇ」

「Re:疑問/前から気になっていたのですがゾンビさんのその体・・・それはどうなっているんですか?」

「ああこれ?ちょっと大昔に呪われてね。今では針と糸と生命力があればいくらでも取り外し可能なのよ。感覚もないしね」


大雑把な答えだったがこれは意図的にやったことだった。

過去のことを乗り越える自信が生まれた今、真っ先に話すべきはマギアだと思ったのだ。

包み隠さずちゃんと話したら、マギアが隠していることも教えてくれるんじゃないかという期待も持ちながら。

まあ、そのためには魔王くらい倒して私のすごさを見せつけてやらないとね、と考えつつ、話を続ける。


「宵闇の口ぶり的に、相当マギアとの戦いになれているようなことを言ってて、その上で来たなら、サシで戦えば勝てると確信してるってことだと思うのよ。だから今回は正真正銘マギアには頼れない。そこはいい?」

「なんだかんだと言ってマギア君にはピンチの時に守ってもらってばかりだからな。今回はマーメイドのこともあるしそちらに集中してもらおう」

「Re:不怜/作戦はあるのですか?あのマギアと同等以上の敵と戦う作戦は」

「あるわよ」


ゾンビは自信ありげに笑う。

召喚魔法陣を逆回転させることでほかの人間に押し付けようとさえした、忌み嫌った力を使うことをこんなにも簡単に決意した自分に呆れながら。

自らの体を奪い、今もどこかで遊び暮らしているだろう仇敵から引き換えとして得た忌み嫌った力をマギアのために使えることを誇らしげに思いながら。


「私の、私の物じゃない力を使えば勝てなくはない。でもそれも確実じゃないしお膳立てだっている。そんな踏み台になってくれるなら私が直接引導を渡すわ」


そのゾンビの問いかけに対する答えは無言のうなずきだった。


決戦は満月が輝く明後日の夜。

そこで示される。

またもや長期で家を空けるそよ風と申します。

そうなんです、日曜日まで家を空けるんですクソがッ!

スマホで投稿したら?みたいな話もありますが、結論から言うと難しいです。

わたくし、スマホに疎く1文字を打つのにリアル時間で平均1分ぐらいかかります。

つまり2000字書けば2000分。約33時間くらい必要になります。

いや・・・それは無理・・・。

という理由から携帯からはできませんごめんなさい。

スマホ持って半年たたない初心者(時代遅れ)には厳しいのです。

さてここまで読んでくださった方に感謝を。次回は敬老の日かな?



ようやく今から本格的に戦い始めるのに、5日も開けるド外道はこちらになります。

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