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「「異世界から来て魔王と勇者を兼業した唯一無二の人間だよ」」  作者: Hurricane(そよ風)
2章・「まさか一度に6種族と戦う羽目になるなんて・・・」-エルフ・マーメイド領域征服戦
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第二十六話・「この蛙からの落差だよ」

「・・・はぁぁぁ・・・」

「ため息つきたいのはこっち・・・ってなんで休むために寝て起きて疲れた顔してんの?」

「いやうん、色々・・・あってな」


雨が止んだため洞窟内で起きたマキナとアロマは会話を交わす。

マキナが疲れているのは言うまでもなくマギアの方でいろいろ起こったせいだ。

蛙を叩き潰したまでは良かった、羽虫を叩き落す感覚でむしろ若干爽快だったくらいで。

ただそのあと・・・



「おい、そこの!」


恵たちと離れ、一人で宿のロビーでくつろいでいたマギアに声をかけてくるものがいた。

レインコートを着た緑髪の幼女が。


「・・・?え、誰?」

「はああああああああああああああああアッ!?乙女わらわをなぶっておきながらその態度か貴様!!」


その言葉に宿の紳士たちが睨みつけてくる。

当然だ、マギアも女性にしかも幼い少女にこんなことを言われている男などにらみつけるに違いない。

しかし思い当たりがない・・・いや無いわけではないが少なくとも全く悪くない当人にしてみればたまったものではなかった。


「いやあれだろ、人違いだろ。俺は君みたいに緑色の生物に覚えないし、雨に関するような生物にも覚えないし、変に古めかしい言葉を使って騒がしくて一人称がわらわのやつとかやっぱりあったことも、


ここまで言って気が付いた。コレどうやっても逃れられないな、と。


「・・・何の用だよ水蛙」

「蛙というな蛙とっ!!わらわは水の女神へケトッ!世界を統べた御方の伴侶たる未明様の眷属であるぞ!わきまえよっていうか今すぐひれ伏してあっがめ奉らんかいっ!」


手を振り回しながら駄々っ子のごとく叫ぶ人型幼女の元蛙。

いやシュールすぎるだろ・・・とドン引きのマギアになおも話しかけるへケト。


「なんじゃなんじゃなんなんじゃその残念な子を見るような眼は!確かに、確かに貴様にわらわは負けたがこれはまぐれじゃ、まぐれ!!勝負は時の運というであろうが?そもそも今は未明様が愛しの御方を亡くされて連絡を途絶えさせておるから貴様は今も生きれているのであって本来なら未明様の美しき一撃によって殺戮の限りを尽くされておるぞ!要するに何が言いたいかというだな、貴様は今すぐわらわにかしずいて



「要はその未明とか言うやつに放置シカトされてる、と」



「ちっがうっていてるじゃあsdwきいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!」



ぜいぜいと息を吐きながら半泣きで叫ぶヘケト。

その未明とか世界を統べた御方というのも気にはなったが蛙・・・へケトとかかわるのが面倒すぎたためやめた。

そこからも散々わめくへケトを放置し、宿の寝室で寝て、今に至る。


・・・疲れていない訳がない。


当然アロマにそんなことを話せるわけもなく、ため息をつくにとどまったのだが。


「ま、あんたが疲れてようが知ったことじゃないわ。さっさとこの森から抜け出すぞ」

「体の疲れじゃないから大丈夫だっての。抜け出すあてはあるのか?」

「あるじゃん。ここに」


そうアロマは自らのウサ耳を撫でる。

超音波でも聞き取るのかな、と他人事のように考えた瞬間、背後・・・洞窟の奥から重々しい足音が響いた。


「・・・だからそこの化け物にも初めから気が付いてたよ」

『少しはやる様子。ならばこちらも名乗るとしよう』


妙にきしきしとした音と共に響く声とともに出てきたのは、

異常な大きさの蟻だった。

体長はどう見積もっても10メートル以上。どこかの蛙とは比較にならないその威圧感はマキナを震撼させるには十分だった。


『我こそ、東雲の魔王の眷属、錐蟻が一角。汝ら何故にして我らが領域に入るか?』

「東雲の魔王、エルフの領地に何してるんだ・・・?エルフも追い詰められてるみたいだな」

『して汝らはなにも、の・・・・・・・・・・!?


驚愕したように言葉を詰まらせる錐蟻(?)

一体何があったのかと横を見て、分かった。



「魔王だ、エルフだ、関係ないって。今すぐ失せろ、もしくは死んで」



アロマの後ろに巨大な紋章、円形の魔法陣が浮かぶ。

虹色に輝くその超自然的な輝きが照らす木々が、パキパキと音を立てて


石化していく。


あまりの状況に言葉を失い、止める機会を逸した。


その魔法陣から出てくるは、刃先が12に分かれた巨大な剣。


その魔法の名は、


七 属 性 魔 法

『天と星辰の所以なす形骸剣ラーゼン・シャリア


マキナは知らないことであるが、この魔法こそエルフ達の切り札。


数千の術者を使い発動させるはずのソレを片手間で発動させたアロマは、


「『天剣』発動。滅しろよ昆虫風情」


光が、満ちた。


マキナの眼が回復したころには蟻どころか洞窟どころか、円形状に更地と化していた。


「・・・・・・あ、ろま、お前どれだけ強いんだ・・・?」

「はぁ?今更この程度で何よ。さてどっちに行けば家なのかしらね」


特に誇ることもないアロマに、こいつとはマギア以外で戦わないでおこうと心に誓ったとき、

後ろから声がした。


「な、な、ななにをしてくれてるんですかぁぁぁ!!?」

「「??」」


そちらを見ると木の陰から狼の耳としっぽの黒い毛を逆立たせるお姉さんが叫んでいた。


遅れてしまい悲しみを感じているそよ風と申します。

時間が!時間が足りない!!

俺だけ一日の時間を48時間ぐらいにできたりしないものだろうか

世の中の理系の方々頼みます。わりとマジで。

さてここまで読んでくださった方に感謝を。次回もあしたかな?



もしアロマさんとマギアさんが戦ったらどうなるんだろうね?

作者的には勝者は決まってるんだけど。

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