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「「異世界から来て魔王と勇者を兼業した唯一無二の人間だよ」」  作者: Hurricane(そよ風)
1章・「この世の大抵は予想通りいかないものだよな・・・」-人類王国革命戦
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第十五話・「保健体育の時間ってそういや寝てたわ」---(二日目前編)

「今度という今度は、ぜったいぜーったいに許さないんだからぁ・・・っ!」


マキナが「4日以内に身分制を撤廃する」と約束した次の日。つまり2日目の朝、第三王女シャルロットは、ぷんすか怒りながらマキナの自室に向かっていた。

当然である。

勝手に王国騎士を出動させ、勝手にメイドのルーレに複合魔法の使用を許可して広場を消し飛ばし、勝手に自らスラム街まで赴いてなお、平然とした様子で帰って来たのだから。


「いやー、でもルーレさんの魔法は一級品でしたねっ!ランちゃん思わず震えちゃいましたよっ」

「ふざけるのはやめなさい、ラン。まったく、いくらドラゴンを撃退するためとはいえ王国の中心である時計塔広場を消し去る必要はなかったでしょうに・・・」


シャルロットの後ろでしゃべるのは、マキナに仕えるメイド2人。

ユリと、赤毛のショートツインテールを揺らすランである。

興奮気味に話すランをあきれたように見つめるユリだったが、流石に自らの主人の部屋の前まで来ると身だしなみを確認し、戸をノックする。


暫くしても返事がない。ここのところルーレはマキナの自室の机で眠ってしまうことがあるようなので、今日もそうなのかしら、と考え、


「失礼いたします、ご主人様。シャルロット様が・・・・・・おあ、いに・・・・・」


ユリともあろうものが絶句した。

その姿を見たシャルロットとランは不思議に思い、ユリに続き部屋に入る。

すると、やはりルーレが眠っていた。


マキナと一緒のベットで。


「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」


硬直するユリとシャルロットに、ランの


「ひやぁああっ!もしかして愛を、愛を育んじゃったんですかね?ですかねっ!?」


という超興奮した声が追い打ちをかける。

その声によってなのか、「ぅ・・・ん・・・」という声をあげながらルーレが身じろぎをし

・・・た瞬間、なにかイケナイことを見ている気がした3人は隠れた。

それにしても彼女たち、ノリノリである。


「い、いや、いやいやいや!いくらお兄ちゃんでもメイドに手を出すなんて、ねえ・・・っ?!ありえないよ、うん、というかルーレのほうが拒否すると思うし!」

「でも恋は障害がある方が燃えるって言いますしねっ!もしかしたら若さで一線を超えちゃったのやも・・・っ?」

「ななんあなあなたは何を言ってるんですラン!めったなことを言うもんじゃありません!で、でもじゃああれは何なのでしょう・・・?」

「まぁまあっ、落ち着きましょうよお二方!」


ふふん、となぜかドヤ顔をしながらランは話し始める。


「同僚としてルーレさんのことを皆で応援すべきですよっ!どれだけ険しい道かはわかっていますが、きっと、きっと、強い気持ちがあれば想いは叶いますもんっ!!」

「・・・!!!!そ、そうだね・・・。私も妹として協力してあげないとだよね・・・っ!」

「はいっ!数多の恋愛を経験してきたランちゃんには分かります、あの二人の間には身分など超えた、愛があるとっ!!」


余談だが、ランに恋愛経験は無い。それも一切。しいて言うならば恋愛小説に最近嵌っている程度である。シャルはごく簡単に騙されているが。


「そうと決まれば行動あるのみですっ!シャルロット様、ルーレさんに聞いてみてくださいっ。子供は何人ほしいかって!!」

「はぁっっ!!!?」


子供と聞いて顔を真っ赤にさせながら叫ぶシャルロット。


「ちょっとラン?!シャルロット様相手に何言ってるの!」

「チッチッチッ、これは必要なプロセスなんですっ!そういう夜の営みは計画的にしないとズブズブの泥沼にはまったりするんですっ!しちゃうんですっ!いいんですか?!」

「よ、よくない!!お兄ちゃんとルーレには幸せをつかんでほしい!」

「流石ですっ、じゃあ皆で行きましょうっ!」

「大丈夫なのよねラン!?ホントに大丈夫なのよね!?」


その時タイミングがいいのか悪いのか、ルーレがぼんやりしながら起き上がる。

そしてランを先頭にした3人がベットの前に立つとルーレは目を見開き、わたわたと言い訳を始める。


「あ、あああああ、いやあの、違くてですね、これは・・・っ!」

「ルーレさん!言うに及ばずっ!ランちゃんにはすべて分かっているのですっ」

「そ、そうですよね誰が見ても生命力不足で倒れただけって、



「処女喪失は痛かったですかっっっ?!!」



「「聞くこと変わってんじゃないの!!」」


いきり立ちながら叫ぶランに、後ろからシャルロットの平手とユリのトレイが襲った。

そしてその結果前にずっこけたランはルーレにぶつかり、二人してベットの後ろがわに倒れこむ。


「・・・・・・・・・・・・・オイ」


マキナが寝ていたのにも関わらず。

マキナに抱き着くような恰好のまま至近距離で目が合ったランは、たらたらと冷や汗を流しつつも、ごまかそうと起死回生おもいつきの言葉を投げた。


「・・・えーっと、マキナ様大好きぃっ!・・・なんて。あははははは

「はっはははっはは。

     全 員 正 座 ァ ! 」


・・・・・・それでごまかせる程世界は甘くなかった。



「うぅぅマキナ様ひどいですよっ!ランちゃんだけ正座なんてっ、せめてユリさんも一緒に!」


結局成り行きを聞いたマキナはランだけを正座させていた。下がカーペットであるため別に痛かったりすることはないと思うが。


「なんでよ!?・・・申し訳ありませんご主人様。あとで死ぬほど言って聞かせますので」

「いやまあ、そんなに怒ってるわけじゃないさ。機械的な目覚ましより格段に目が覚めたしな。それでシャルは何の用で来たんだよ?」

「う、うん。昨日のことで怒りに来たんだけど・・・なんか・・・勢いそがれちゃったよ」


微妙にしょんぼりとした様子のシャルロット。

あー、なるほどね。とマキナは思う。昨日はかなり強引かつ勝手に行動したため、なんらかの罰は覚悟していた。もちろん逃げ道(言い訳)も用意していたが。


(でも、その罰はちっちゃい妹に怒られる程度で済むことなのか?それくらいなら安いもんだけどな)


「・・・なら、あと3日ぐらい後にまとめてくれるか?」

「・・・・・・え?どういうことお兄ちゃん?」

「少なくとも3日ほどは無茶苦茶するのをやめる気はないからな」


とても不穏な言葉に、はぁ、とため息をつくシャルロット。


「さて、ラン。最後の罰だ、朝食作ってきてくれ。軽いやつでいいぞ」

「おおっ!了解しましたっ、このランちゃんにお任せあれっ!!」


そう叫ぶと、嵐のように去っていくランに一抹の不安を覚えたマキナはユリに言っておく。


「・・・ユリ、悪いがランの様子を見ておいてくれ。何かしでかさないか不安だ・・・」

「・・・お任せください」

「じゃ、行くぞルーレ。ひとまずエンブレに礼を言っておかないとな」

「・・・はいっ!」


そうして自室を後にし、ルーレと二人きりになったところで、話かけてきた。


「・・・あの、ご主人さま。本当にいいのですか?ご主人様のことを裏切るような真似をした私を殺さなくて」

「昨日の夜も言ったが、実害はなかったし、後悔してくれてるんなら俺はルーレのこと信じるよ。つかそれで一緒に寝たのにまだ足りないのかよ?」

「いっ、いえ!とっても、うれしいです・・・!」


実はランの妄想は、方向性においてのみ割と当たっていた。

昨日の夜のことである。


「・・・・・・ご主人様に、言わなければならないことがあります」

「・・・反国王組織の参謀してます、ってか?」

「・・・・・・・・・・・・・っ!??」

「知ってるよ。大体ルーレ、黒龍を倒した後獣人と話してたじゃん?」


するとルーレはナイフを取り出し、跪いてささやいた。


「ご主人様に仕える者としても、王宮のメイド長としても、万死に値する反逆行為です。いかなる罰でも受ける覚悟で参りました」

「それで、ルーレは何がしたいの?」

「・・・・・・?」

「それを俺に言ってどうするんだよ?ってこと。大事なのは俺がルーレをどうこうするとかいう話じゃなくて、ルーレがなにしたいかだろ。これからルーレは、何を目的として生きていくの?」

「・・・・・・わかり、ません」

「え?」


てっきり王国の平和、だと言われるものだと思っていたマキナは驚く。


「自分が、何をしたいのか、分からないんです・・・っ!私は16年間、貴族を、王族を打ち倒すことだけ考えて生きてきました。それを自分の中で王国の平和になると解釈することで、私がやっていることを全部正当化して・・・」

「・・・まぁそれも一面では正しいことだとは思うけどな。使えない貴族は多いみたいだし?」

「でも、私は、ご主人様と出会ってしまいました。さらにはご主人様と普通に話す、まともで誠実な人たちを。・・・・・・もう、自分で自分をごまかせません。教えてください、ご主人様!わたしは、これから、何をするために、生きていけばいいんですか・・・!?」


・・・・・・・・・・・ここで。

俺のために生きろ、と言えばルーレは喜んで人生を捧げるだろう。

たとえ狂っているとしか思えない命令だとしても従順だろう。

戦闘能力的にも学力的にも外見的にも性格的にも最高水準のルーレを自分に依存させることも可能だろう。

完全にマキナに依存してしまえば最早抜け出すことすらできないだろう。

それはマキナの、マギアの目的に完璧に合致し、実に都合がいいことだろう。


跪くルーレに目線を合わせるようにしてしゃがみ込む。


「・・・ルーレ。知っているか?」

「何をでしょう・・・?」

「異世界まで含めたこの世の中に、自分がなにをするために生きていけばいいかを知ってる奴なんて一人たりともいないんだぜ?」

「・・・え?」

「なぜなら、それを探すのが、人生だからだ。寄り道もするだろう。迷いもするだろう。時にはまちがいも犯すだろう。けど、最後の最後、死ぬ瞬間に『なるほど自分はこれをするために生まれてきたのか』って後悔しないようにすれば、それでいいのさ」


マキナは手を差し伸べ。


「分からねえことは探しに行こうぜ。目の前にある道を自分が信じるとおりに進んでいけば、必ずそれは見つかるから。それで、どうする?俺を信じるか、信じないか、それもお前次第だルーレ」

「私は・・・ご主人様の事を信じます・・・っ!そして後悔しない道を、必ず見つけようと思います。でも、その・・・、ご主人様はいいんですか?私をそばにおいて」

「かまわないよ。っていうか俺もともと王族とか貴族じゃないし。信じられないなら一緒に寝てやろうか?」


誓っていうがこれは本当に冗談のつもりだった。

そもそもマキナはねることが出来ないために。


「ぇ・・・・・・・・・・・・・はい」

「え?」

「その、一緒に、寝たいです・・・だめですか?」


上目づかいで可愛いメイドさんにこんなこと言われて断ることができるのはガンジーくらいのものである。

余談になるが顔を真っ赤にさせた寝巻きのルーレとべットに入って、ドキドキが止まらなかったのだがいつものように眼を閉じた瞬間、マギアのほうに意識が持っていかれ「くそがああああああああああああああああああ!!!!」と叫び散らした結果、寝ぼけたゾンビに枕を投げ飛ばされた。

これはひどい。



そんな悲しい夜の事を思い出しつつ歩いていると、バタバタと走る音がしてランが走っていた。


「ラン?何してるんだ?」

「あっ、マキナ様っ、ごめんなさい、やけどしたメイドさんが倒れてて、今熱湯がかかった服を脱がせて、」

「いや待て!」


(落ち着いて思い出せ・・・こういう対処法は習っているはずだし。ぐっ、保健体育の時間ちゃんと聞いとけばよかった・・・っ)


「・・・たしか、服の上からやけどを負った場合は服の上から冷水をかけるのが定石のはずだ」

「そ、そうなのっ!?まずいまずいっ、ユリさん止めてきますっ!」


と、言うや否や走り去っていくラン。

・・・やばい。ものすごく心配になってきた。


「・・・うん、ルーレ。俺の自室にシャワーあったよな。そこで冷やそう。薬ってある?」

「はい、取ってきます!」


10分ほど後、やけどしたメイドさんをマキナの自室に連れていき、冷水をかけて冷やしていると、メイドさんが目を覚ました。


「・・・っ」

「大丈夫か?・・・でもまあ痛むなら神経までやられてることはないな。不幸中の幸いか」

「マキナ、王子・・・?それにルーレさんたちまで」

「ふー、よかったよかったっ!倒れてるときはどうなるかと思ったよ~!」


とりあえずは命に別状が無さそうで一安心である。

しかし、薬を持っている様子がないルーレに首をかしげ、


「あれ、ルーレ薬あった?」

「それならユリさんとノーブルさんが、あ、丁度来ましたね」


ノーブル?なにそれ丸いチョコレート?などと思っていると、

入ってきたのは金髪になぜか貴族然とした若い男とユリだった。


「失礼します、マキナ殿下。やけどの薬をお持ちしました」

「ああ、この子だよ。ユリ、塗ってもらえる?」

「承知いたしました」


つまりノーブルというこの若い男が執事で、ルーレ、ラン、ユリがメイド、ということか。

薬を塗り冷えた体をタオルで巻いて、とりあえず一段落した室内で次なる疑問が浮かぶ。


「・・・・・・あ。もしかして、フィリアか?前に会った・・・」

「は、はい。そうです。・・・覚えていてくださったんですね」

「おぉっ感動のさいか、


危険を脱した瞬間に元の調子に戻るランの頭を押さえ、忠告をしてくれたメイド、フィリアに事情を聴くことにした。


「で、フィリアはどうしたの?全身に熱湯がかかってたみたいだけど・・・」

「えっと、手を滑らせてしまって・・・」

「ドジっ子とか言うレベルじゃないですよ・・・。ホントに次から気を付けてくださいね、フィリアさん」

「はい、ルーレさん。・・・気を付けます」

「うん、で?」


唐突といえば唐突なマキナの言葉に全員が困惑しているようだった。


「えっと・・・?」

「いや、ヴィレッジ?」


にやにやと笑いながら、とある貴族の名をマキナは言う。すると言いたいことを悟ったフィリアは硬直したように驚いていた。


「あ、あの、どういうことです?」

「分からねえ?そもそもフィリアがかかった液体って熱湯じゃなくて紅茶だよねコレ。で、紅茶がかかったのなら当然カップやポットみたいなものもあるはずだよな。けどないんだったら話は簡単だろ?かけられたとしか考えられない。それを俺たちに隠すならそれなりに上位の人間であるということで、フィリアが仕えてるのはヴィレッジ。だったら答えは簡単だろう?」


そのマキナの言葉に全員が顔をしかめる。しかも相手は貴族。

この場にいる者が言ってどうにかなる問題ではない。

・・・たったひとりを除いては。


「・・・フィリアにしか頼めないことがあるんだけど。それとラン。君の新しい罰が決定したぞ」

「「え?」」



30分後マキナはルーレを連れ、ヴィレッジの部屋まで来ていた。


「明日、王国中の商人をできるだけ集めてどうするつもりなんですか?たいていがヴィレッジ卿の傘下だと思いますが・・・」

「うん、ランにしてもらってることを知ってても分からないなら第一段階はクリアだな」


そう言いながらマキナが部屋に入ると、そこには小太りの男が座っていた。その男が身に着ける多数の貴金属類を見ればどんな人でも成金のような印象を受けるだろう。


「すまないな、ヴィレッジ卿。お待たせしてしまったかな?」

「いえいえそのようなことは・・・。して今日はどのような用事でいらしたんですか?」

「うん、まあ大した用ではないのだが・・・」


そう言いながらヴィレッジの正面に座ると、部屋にいたメイドから紅茶が出された。

じゃあ、ここから始めようか、とマキナは話し始める。


「ふむ、紅茶か。これはどのような銘柄なのだ?」

「それはモスキット山脈で自生する珍しい茶葉と王国内の茶葉を独自にブレンドしたものでしてねぇ」

「ほう?それは素晴らしいな。どうやらヴィレッジ卿は紅茶に詳しいと見える、私にも色々教えてもらいたいものだ」

「ええ、喜んで。明日お茶会がありますからそこに来ていただければ、主催者としてもいいイベントになるでしょう」

「明日か、それは残念だが行くことはできないな。先約がある」

「・・・それは例の魔王軍の関係で?」

「ああ、そうだ。やれやれ、一切の光明が見えないのは本当に大変だがな」


後ろに立つルーレが身じろぎし、ヴィレッジの方もほんの少しの困惑をにじませる。

一体マキナが何をしに来たのかが分からないといったところか。

それは行幸、そう思わせるように話を進めているのだから。


「・・・数でも個人でも負ける我々ですからねぇ。方策が浮かばないのも仕方ないことでしょう」

「まったくだ。それでもやらねばならないのが王子のつらいところだな。そういえばその関係だが、軍資金を出してほしいと言ったらいくらぐらい出せる?」

「そうですね、5000万金貨と言ったところかと。上納金の納期は来月なのであんまりないんですよ。というか予算として出した1億金貨では足りないので?」

「ああ、おそらくな。徴兵して兵が増えるとなればその分予算もかさむ。悪いが今日明日中に渡してくれ」

「ええ、構いませんよ。でも勝って下さるんですよね?」

「ああ。それ‘は’疑いようもなく言い切ろう。必ず勝つ。それにしてもだがそのように膨大な金貨、どのようにして管理しているのだ?銀行に預けているとか?」

「ぎんこう?いえ普通に金庫に預けてありますが・・・。いくらマキナ王子とは言え金庫の場所を教えることはできませんよ?」

「ははっ、勿論だ。ヴィレッジ卿相手にそのような不躾なことなど言いはしないさ。王宮にあるものも安くしてくれたりしているのだろう?」

「ええ、当然ですとも。5割引きで手を打たせていただいております」

「それは美味しいな。それにしてもヴィレッジ卿から予算を貰い、その予算でものを買うというのも不思議な話だな」

「半分を還元していただいてるといったところで。ははは、それにしても王子は冗談が上手い。『一応』貴族全員から予算は出ておりますよ、まあ9割9分が私の金で動いているのは確かですがね、はっはっはっ」

「流石だな、これからもよろしく頼みたいところだ。うん・・・?おっとルー、メイド。予定の会議はもうそろそろか?」

「・・・・・・え、

「そうだなそろそろだろう。それではヴィレッジ卿私はこれで。紅茶、おいしかったぞ」

「ええ、いつでも紅茶でも飲みに来てください」


そう言ってマキナが部屋を出たことを確認したところで、ヴィレッジは毒づき始める。


「チッ、何なのだ一体!まさか本当に何の用事もなく来たのか?暇人め!・・・それにしてもあいつの水槽の魚を見るような眼、あれはなんだ気味が悪い・・・っ!おいメイド!紅茶をさっさと入れろ!」


その叫びを扉の裏で聞きつつ、マキナは声を殺して笑っていた。


「『明日はお茶会でヴィレッジはいない』

『おそらく手持ちの金は1億金貨ほど』

『ヴィレッジの傘下に入るには上納金が必要』

『国家予算は貴族から出ているが1億金貨には遠く及ばない』

『この世界には銀行というものが存在しない、つまり金利も存在しない』

『消費税だけでなくおそらく税金という概念が存在しない』

『5割と言った歩合は存在する』

まーここまでわかれば十分だな。これで商業関係は乗っ取れるだろ」

「も、もしかして情報を聞き出すために・・・!?流石ですご主人様っ!」


キラキラとした目でルーレに見られると罪悪感を覚える。

なぜならマキナのやっている事は異世界の知識を振りかざして騙そうとしているだけなのだから。

そこで、まあ必要な犠牲だな、と自己完結するマキナもマキナだが。


その後、昼寝を敢行するとルーレに伝え、マギアのほうに意識を飛ばすのだった。

また本文消しちゃった残念な子、そよ風と申します。

ああ・・・また6時間くらいぶっ飛んだ・・・。

深夜に投稿出来なくてごめんなさい・・・

でもそのおかげで次回の内容は完全に決定しています、やったね!

さてここまで読んでくださった方に感謝を。次回は、今日明日中な、はず・・・!



今回はルーレさんデレ回。けどまだ主従関係から出てはいない、かな?

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