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第2話 異世界に来て10分だけど仲間(仮)と戦う

すみません、遅くなりました。

ブックマークしてくれた皆さん、ありがとうございます。拙い文章ですが、よろしくお願いします。


「・・・・・・」


俺(と言うよりミツキだけど)が召喚したムラマサはこちらをジッと見つめたまま微動だにしない。

取り敢えず声でもかけようかなぁ、なんて思って近づこうとした時、ゼキアが俺の袖をクイクイと引っ張ってきた。可愛い。


「今はイツキ、だよね?ちょっと待って。あのミツキって子が出てきた原因が分かったから」


俺は頷いて、ゼキアに話の続きを促した。


「私がイツキに与えた能力と服装は、イツキがやってたゲームから取ってきたって事は分かってるよね?多分その時に、イツキが使ってたアバターの人格もくっついて来ちゃったみたい。現実とゲームで言動が違い過ぎたから、別の人格として反映されちゃったみたいなんだ」


う。つまり自業自得って事か。

てか嫁に黒歴史解説される俺って一体・・・

そう項垂れる俺に、ゼキアがすかさずフォローを入れた。


「あ、でも!そんなイツキも好きだよ!」


なんと眩しい笑顔。邪神じゃなくて天使。

ありがとうございますゼキア様。

今は落ち込む暇なんてないよな。

ムラマサの特徴も思い出せたし。


「ああ、ありがとうゼキア。それよりも今は、目の前のムラマサだ」


「へー、あの男ムラマサって言うんだ。でも召喚したのに敵意剥き出しじゃない。なんで?」


「大体検討は付いてるんだけどな。あいつのゲーム内での設定は、『呪われし名刀に取り憑かれた哀しき復讐の亡霊。自分を死に追いやった相手を探し今日も彷徨い歩く』・・・だった筈だ。だからあいつは呪われてる状態。射程圏内に入ったら見境なく襲ってくると思う」


これはゲームじゃなく、現実。ゲーム内ではこんな事にはならないだろうが、ここでは説明に書いてない事が起こっても不思議じゃない。某カードゲームの俺ルール的なやつだ。


「なるほど。じゃ、私がふっとばして─────「いや、待ってくれ」え?」


「一旦俺の能力を試させてくれないか?ゼキアが言ったんだろ?俺に強くなってほしいってさ。魔法の試し撃ちもしたいし」


ムラマサの種族は確かアンデット。補助魔法の『神の天恵』ならダメージを与えれる筈、って、またゲーム基準にしてるわ。やっぱ楽観視してるのかねぇ・・・ま、まぁ。引き受けちゃった手前、「やっぱり嘘です、てへ」じゃ男のプライド的にいかん。物は試しだ。


「いくぞ・・・我が与えしは最上の神による加護 魂の昇華により 人智を越えし者になれ『神の天恵』!」


そう俺が叫ぶと澄み切った空に魔法陣が現れ、ムラマサに降り注ぐ。するとムラマサから煙が上がり、苦しみだす。よし、成功だ!

『神の天恵』は一定時間味方に全ステータスアップのバフ効果を付与するものだ。

今のムラマサにとってはデバフ(不利益な効果)だろうが。

あ、一応これもオリジナル詠唱だ。穴があったら入りたい程恥ずかしいが、無詠唱でいける気がしないので頑張りました。


「イツキ、凄い、凄いよ!どうやったの!?」


ゼキアが褒めてくる。やめて!恥ずか死ぬ!

とか思ってたら、両肩を掴まれた。

え?もしかしてキスとか──────いだだだだだだだだだだ!!!


「でも最上の神による加護ってどういう事かな?んー?ちょっと説明しようか?」


いだだだだだだだだだだだだだだだ!!!

も、もしかしてクソビッチって最上神なのかな?だから怒ってるのか。いだあぃ・・・

あっ、一周回って痛みが快感に変わってきたぞ。俺にはMの素質があったのか・・・


「あっ、やめてください、深い意味は無いんで、あっ、『神の天恵』解けてるし!あっ!なんかムラマサビクンビクンしてるし!心なしか薄くなってるし!」


俺もビクンビクンしてるし!


「私達の関係より男の容態なのかなー?」


あぁ、俺の喘ぎも聞こえて無いようだ。サービスしてるのに。冗談です。

そろそろ肩がもげそうなので、最終奥義を使わせてもらう。効くかは知らない。


「ゼキア、何処かの町に着いたら、何でも言うこと聞くから!だから許して!」


男の何でもは需要があるのか?


「あーあー何も聞こえな・・・ん?今何でもって言ったよね?」


効いたようだ。だがそれと引き換えに起こる貞操の危機。ブルブル。

ゼキアさん。目がギラギラしてますよ。


「あ、あぁ」


「・・・ふふふ。しょうがないなぁイツキは。でも詠唱は、私を敬った感じで頼むよ!」


それだと加護系全部悪影響になる気がする・・・でも怖いから頷く。


「まぁ解説は後で聞くとして・・・ムラマサ?がモゾモゾしてるよ?」


あ、本当だ。

今のムラマサは地面に這い蹲り必死に立とうとしてる感じだ。ムラマサの色合いも心なしかよくなってる気がするので、ゼキアに許可を取り近寄ってみた。


「おい、大丈夫か?」


「だい、じょうぶです・・・私の悪の心が浄化される寸前に、精神を蝕み完全に乗っ取ろうとしてきたのです。その所為で私の魂共々浄化されてしまうところでしたが、寸前に主が止めてくださったため、何とか切り離し悪の心を完全に消滅させることができたのです。遺恨を完全に断ち切ってくださり、誠にありがとうございます、主」


立ち上がったムラマサは、何があったのかを説明してくれた。喋れたのね。

じゃあ俺が肩を鷲掴みされてなけりゃ、ムラマサは本体共々消える所だったんだな。ゼキア様様だ。


「主、私のすてーたすとやらを見てくだされ。私の頭に手を置いてすてーたすと念じればでてくるはずです」


横文字に慣れていないといった感じで、ムラマサはそう言った。変わってる?何がだろ?


「わかった。やってみるよ」


これまたゲームとは違う点だな。あ、もうゲームがどうとか気にしない事にした。使える情報は使っていかないと。俺が召喚するモンスターくらいにか役は立たないと思うけど。


そう考えた後、俺は手をムラマサの手に置いて|(何故か置けた。後から聞いた話だと頭は実体化出来るみたいだ。怖い)、“ステータス”と念じた。そうしたら、頭の中に文字の書いてある紙が置かれた気がした。俺はその紙を見てみた。


【無銘刀持ちし光の剣豪 村正】【英霊】【Level:1】【クラス:S】


【基礎能力値】


【生命力:47/47】 【魔力:0/0】


【攻撃力:452(+80(+90(+200】 【魔法技能:0】


【持久力:124(+90】 【敏捷性:242(+80(+90】


【器用度:146(+80】 【幸運:9】


【特殊能力】


【剣豪Level8】 【身体強化Level9】


【光魔法Level1】 【英霊Level1】


【居合斬りLevel10】


おぉー、さっきの姿から一転して光の武士って感じになったな。あれ?クラスが1段階上がってSになってる。村正がクラスアップするなんて聞いたこと無いぞ。ランクが上なほどステータスの伸びやらスキルの伸びしろが上がるので良いのだが・・・

てかこいつチートじゃね?

攻撃力と敏捷性はもうAランクのLevel50位のと同じだし。早くこの強さを実感したい。

でも、その確認はここから移動するときにでも良いか。ゼキアが倒したのはAランクの集団って言ってたからほんの少し不安はあるが。


「主、どうされました?」


考え込み過ぎたみたいだ。村正に心配された。


「大丈夫、大丈夫。慣れない事したからさ・・・ゼキア。ここが何処か分かるか?」


「えっとね、うーんとね・・・分かった。《パウルニクス大陸》の《エラトス大草原》だよ。《魔法都市エーギル》が南に進んだ先にあるね。イツキ、まずはそこに行ってみる?」


「分かった。その《魔法都市エーギル》とやらに行ってみるか!」


「おー!」


「私は主について行くのみです」


知らない単語が沢山だ。後で教えてもらおう。そう思いながら、俺たちは南へ向かって歩みを進めるのであった。



回復魔法でダメージを与えるゲームってありますよね。

明日も1話投稿予定です。

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