第224話
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その日も午後五時には仕事を終えてから、刑事課を出て、街を歩いていく。夏場でも人通りが多い。思う。体がきついと。だが、意識して背筋を伸ばし、歩いていった。確かにいろいろあり、疲れる。それに仕事が終わると、気が抜けてしまう。
駅から地下鉄に乗り込む。そして自宅へ舞い戻った。帰宅してすぐに入浴し、汗や脂を洗い流して食事を取る。自炊して料理を作り、食べた。慣れてはいる。買い食いなどをするよりも、返って作った方が美味しい。
そしてまた一晩眠った。疲労ですぐに寝入る。エアコンを入れて、タイマーをセットし、就寝した。
翌日も朝起き出し、キッチンでコーヒーを一杯淹れて飲んだ後、出勤準備する。部屋を出て、歩き始めた。毎日何かと消化試合みたいな感じだが、仕方ない。それに宮仕えは今も昔も全く同じで、休めない。
地下鉄で新宿に出て、署へと向かう。午前八時二十分には刑事課に入り、パソコンを立ち上げて、キーを叩き始めた。通常通り仕事だ。月岡も吉倉も梨香子も、他の刑事たちもいて、業務を始めている。相変わらず、だるさはあったのだが……。
昼になると、またコンビニ弁当が一人分渡された。食べてから、しばらく休む。眠気が差した。まあ、別にそう気に留めることもなく、椅子に座ったまま、休憩を取る。日常ではいろいろあって複雑だ。新宿の街も入り組んでいて、警察が全部管理できるわけじゃない。それに各マンションなどには、自治会等があった。犯罪の巣窟なのだが、一部の自治は住民にゆだねている。それで治安も何とか維持できていた。もちろん、歌舞伎町は無法地帯なのだが……。(以下次号)




