第217話
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仕事が終わり、新宿の街を歩く。昼間の眠気もほとんどなくなり、駅まで歩いていった。刑事はハードな仕事だ。日々疲れてしまい、家に帰ると、寝るだけだった。それに自宅マンションにいる間は、気持ちも落ち着くのだし……。
新宿駅のコンコースから地下鉄に乗り込み、電車に揺られて自宅へと向かう。いつも規則正しく、同じ時間帯のほぼ同じ便に乗っていた。揺られながら、スマホでネットする。ニュースを読み、いろんなことを知るのだ。
帰宅後、食事を取って冷たいシャワーを浴びてから、寝室に向かう。ベッドに潜り込み、そのまま眠った。さすがに疲れている時はすぐ寝入る。一晩ゆっくり眠り、また新たな日を迎えた。日々同じことの繰り返しなのだが……。
翌朝も午前六時に起き出し、キッチンでコーヒーを一杯淹れて飲んだ後、支度する。スーツに腕を通し、カバンを持って部屋を出た。疲れていたのだが、朝から通常通り仕事がある。暇はない。
地下鉄で都心に出て、駅から署まで歩く。午前八時二十分には刑事課に入り、パソコンを立ち上げて、キーを叩き始めた。快晴だが、屋内で仕事する。月岡も吉倉も梨香子もいて、パソコンに向かっていた。窓口には制服姿の婦警が二人座っていて、また今日から警察も窓口業務が通常通り再開される。
まあ、刑事の仕事には慣れた。毎日署に詰めるのだし、仕事は相変わらずきつい。食事時はいいのだが、その後が眠くなる。休憩中は休んでいた。いつも昼食後は急激に眠気が差す。勤務すればするだけ、疲れは溜まる一方なのだし……。何かと蒸し暑い季節だから、眠くてしょうがない面もあるのだが……。(以下次号)




