第214話
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一日署内に詰め続けた。デスクワークは何かと疲れるのだが、パソコンに向かい、キーを叩く。そして午後五時を過ぎれば、署を出て、刑事課を後にした。新宿の街を歩く。毎日同じことの繰り返しで物憂い。だが、警察官など所詮そんなものだ。そう思い、ずっと勤務する。
駅から地下鉄に乗り込み、自宅へ戻った。食事を作って取り、入浴してから、ゆっくりし始める。夜は眠る時間だ。健康を保つため、午後十一時には就寝し、朝は午前六時に起き出す。そしてコーヒーを一杯淹れ、飲んだ後、出勤するのだ。
その週の金曜も朝起きて、支度した後、部屋を出る。とにかく倦怠に関係なく、勤務は続いた。地下鉄で新宿に出て、署へと向かう。刑事課に入り、デスクのパソコンを立ち上げて、キーを叩き始めた。やることは山ほどある。外は晴れて、夏の気候だ。気温が上がる。それだけ体にも負荷が掛かるのだが……。
月岡も吉倉も梨香子もいて、皆パソコンに向かっている。庶務は疲れるのだが、仕方ない。刑事も派手な立ち回りばかりじゃなくて、普段は主に地味な仕事をしているのだ。事件捜査に動くのは犯罪が起こった時、組織された班で、いつもは署内勤務である。
昼になり、またコンビニ弁当を一つもらって食べる。食事休憩しながら、しばらく休んでいた。電話応対などは窓口の婦警か、手が空いている刑事が交代で行う。ずっと組織全体がフル稼働してるわけじゃない。そして昼からもまた仕事をこなす。単調だが、面白くもないことがこの職業の大部分を占めていることは間違いない事実だ。そう思い、気に掛けてなかった。もちろん、同じことをずっと続ければ、脳は着実に疲弊するのだが……。(以下次号)




