第203話
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暑い一日が終わっても、夕刻はまだ辺りに熱が残る。都心特有のものだ。午後五時には刑事課を出て、外へと歩き出す。疲れはあった。新宿駅まで歩き、そこから地下鉄に乗って、自宅へと戻る。電車の中でスマホを使い、ニュースなどを見ていた。
自宅マンションに着き、入ってからすぐに部屋着に着替える。さすがにワイシャツには汗が浮き出ていた。洗濯機で溜まっていた汚れ物を洗濯する。ものの三十分ぐらいで終わるから、大したことはない。
食事を済ませて、シャワーで汗を流した。入浴後、ミネラルウオーターのボトルを手に取り、一口二口呷る。そして寝室のベッドに潜り込む。すぐには眠れなかったが、徐々に睡魔が襲ってきた。午後十一時前には眠りに就く。
翌朝、午前六時に起き出し、キッチンでコーヒーを一杯淹れた。飲んでから、スーツに着替えて部屋を出、出勤する。いつも通り、都心へと向かう地下鉄に揺られた。新宿は曇り空で、何かと物憂い。
午前八時二十分には刑事課に着き、パソコンを立ち上げて画面に向かった。キーを叩きながら、データなどを打ち込んでいく。思う。朝から単調だと。窓口には婦警が座っている。今日からまた通常業務だ。皆、意識してやっている。
確かに連休中、街ではとりわけ大事がなかった。だが、国際的にいろんなテロなどが頻発しているから、ここ新宿も予断を許さない。特に繁華街は危険だ。そう思い、幾分身構えていた。
昼になり、食事を取る。出前でチャーハンが人数分取られていて、食べながらしばらく一休みした。いくらか寛ぐ。まあ、食事後は急激に眠気が差し、しばらくデスクで眠った状態となるのだが……。
休憩を挟み、午後からも通常通り仕事する。緊張感はあった。襲ってくる眠気を吹き飛ばすような……。(以下次号)




