第1話 前線へ
渡された鳥を起動すると、喋りだした。
「やあ。
こんにちは、こんばんは」
私はユニット型オオクチバシモデルの
OKB―48だ。よろしくな、マスター。
オリバーはすぐに、この鳥が喋りたがり屋だと気づいた。
「よろしく、OKB」
二人は軽く、機械の手と機械の羽で拍手を交わした。
「挨拶は終わりだ」
騎士団長がそう言うと、団員たちを訓練室へと連れていった。
⸻
「我々の装備を説明する」
「ヘルメットには通信装置、双眼鏡機能、サーマル機能。
さらにステータスの確認も可能だ」
「腕部には鋭い刃を展開・射出できる機構を搭載している。
鎧を着たオークですら、容易く貫通できる代物だ」
「大型魔獣の討伐にも使えるし、直進射撃で複数の敵を貫くこともできる」
騎士団長は、他の武器についても長々と説明を続けた。
「戦場で生き残れば、修理と共にアップグレードも行われる」
⸻
そしてオリバーとOKBは訓練に励み、
ついに実戦へと向かうことになった。
数ヶ月後。
初めての実戦。
アウスロッシャー重騎士団は、飛行船で目的地へと近づいていた。
ガタン、ガタン。
隣にいた、訓練中に仲良くなったアルベルトが話しかけてくる。
「なあオリバー、カバー頼むぜ」
「俺はこのミニガンで、ぶっ放すのに集中したいからな」
指を差しながら、軽い冗談を言う。
「そうだな。好きなだけ撃てよ」
OKBは興奮していた。
「アルベルトは楽しそうだな、マスター」
「ああ」
その時、ピーというアラーム音が響いた。
降下準備の合図だ。
「マスター、戦場のスキャンはお任せを」
「任せたぞ」
⸻
――地上
「戦えー!」
兵士の叫び声が響いた、その直後。
槍が兵士の頭を貫いた。
魔物たちの勢力は、
主にゴブリン、オーク、ミミック。
ゴブリンは手足が長く、遠距離から槍を投げつける。
オークは捕らえた人間を盾にし、棍棒で人々を叩き潰していた。
ミミックは人を殺し、その皮を使って欺く。
黒い肌、顔のない姿、鋭い爪で獲物を引き裂く存在だ。
地上の兵士たちが苦戦する中、
飛行船が上空で停止した。
アウスロッシャー重騎士団、到着。
重騎士たちは飛行船から飛び降り、戦場へと着地する。
しかし、戦場は激しさを増すばかりだった。
オリバーが地面に降りた瞬間、
本当の現実を知る。
先に降りたアルベルトが、敵に向かってミニガンを構えた――
その瞬間、鎧は一瞬で蜂の巣にされた。
「……っ!」
オリバーは息を呑む。
敵がこちらと同じ武器を使えるなど、聞いていなかった。
「――クソッ、OKB!
敵の数は!?」
OKBはオリバーの肩から飛び立ち、周囲をスキャンする。
次の瞬間、ヘルメット内に情報が流れ込んだ。
オリバーは掘られていた塹壕へ飛び込み、
オークの銃撃に耐える。
息が荒くなる。
ついさっき交わした約束。
友の仇を討ちたい。
だが、情報が足りない。
判断が鈍る。
――戦場は、甘くなかった。




