95話
「じゃあいってくるよ」
「行ってらっしゃい、楽しんで来なさい」
程よい時間になり参加費をもらって家を出た。
《今家でたよ》
歩きながら明里さんにLINEを送る。
それにしても…学校以外でクラスメイトと会うなんて…はは、自分でも驚くほどの変化だな。
このまま何事もなく中学3年間が終わって、いつも同じような景色を見て、自分の学力に合った高校になんとなく進んで…そんな風に思ってたんだけど…
3年になってからはいろんなことがあったな…
友達…涼也や瑛太とも仲良くなれた。
女の子と話すことなんて無いと思ってたのに、伊勢さんに椎名さん、柳さん。
そして、明里さん。
あぁ…今の俺はなんて幸せなんだろう…
これから先、まだまだみんなと一緒に居たいなぁ…
「……き!直樹!」
…あれ?明里さん?
「直樹?どうしたの?」
「明里?」
「大丈夫?なんかぼーっとしてたよ?」
気がつくといつの間にか明里さんの家着いていた。
「あ、いや、ごめん、大丈夫」
「体育祭で疲れちゃった?」
心配そうな顔の明里さんが目に入った。
「ううん、ありがとう、…明里…ありがとうね」
「えっと…うん!どういたしまして!」
そうニコニコと微笑む姿に心がけて温まり、何故か涙が出そうになった俺は「よし!じゃあ行こっか!」と、誤魔化すように明里さんの手を取り歩き出した。
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スマホのナビを頼りに店に着くと、まだ集合時間10分前にも関わらずほとんどのクラスメイトが集まっていた。
「おぉ!来たかお二人さん!」
「こっちこっち!」
声の方を見ると、店の駐車場の端に瑛太と椎名さんと柳さんが居たので俺たちもそっちに移動した。
「3人とも早いね」
「…暇だったから」
「俺腹減っちまってなー早めに来ちまったわ」
「早く来てもご飯食べれるわけじゃないのにねー」
「まぁそこはあれだ、あれ」
「食いしん坊だねー」
3人の掛け合いにほっこりしていると店から新山が出てきた。
「店入れるぞー、順次入ってくれー」
「よかったね瑛太、もうちょっとでご飯食べれそうだよ」
「あぁ、でも涼也達待たなくていいのか?」
…そういやまだ涼也と伊勢さん来てないよな。
「さっき望美からもう着くってLINEは来てたんだけど…」
椎名さんがそう言っていると「おまたせー」
「もう店入ったのかと思ったわ」
と、言葉と共に涼也と伊勢さんが揃ってやってきた。
「すまん、遅くなっちまって」
「ごめんねー」
「時間ピッタリだし、遅れたわけじゃないじゃん」
「みんな揃ったし入ろーぜ!腹減ったー!」
「そうだね」
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店に入ると意外にも広い店内に驚いた。
すでに焼き始めているのかお腹が減るいい匂いも漂っている。
店内を見渡すと奥の方に7人ぐらいなら座れそうな座敷を見つけたのでそこへ座った。
「出来た順にどんどん出していくからちょっとまってなー!」
新山の親戚の叔父さんだろうか、デカい鉄板で次々にお好み焼きを作りながらそうみんなに話している。
「飲み物なににするんだ?」
俺たちが座っている座敷に山盛りのフライドポテトとメモを持った新山が聞きに来た。
「あれ?新山が持ってきてくれんの?」
「あぁ、準備手伝う約束で店貸切にしてもらってるからな」
「烏龍茶かコーラかオレンジジュース、どれにする?」
「私烏龍茶」
「「わたしもー」」「…私も」
女子達はみんな烏龍茶みたいだ。
「コーラで!」「俺も俺も!」「烏龍茶にしとこうかな」
瑛太と涼也だけがコーラだった。
「わかった、持ってくるわ」
それからみんなの所へ飲み物が渡ったところで新山が店の真ん中へと出てきた。
「みんな飲み物きてるよなー?乾杯して打ち上げはじめようぜー!」
「「「「「「イェーイ!」」」」」」
「主役から乾杯の言葉もらおうぜー!!」
「「「「「直樹ー!!」」」」」
「お、俺がみんなの前で言うの!?」
と言い同じ席のみんなを見渡すとウンウンと頷いていた。
「がんばれ!」
「…三津島君が主役」
明里さんと柳さんにそう言われて、緊張しながらもグラスを持って席を立った。
静かになる店内。
ドキドキと緊張から心臓が速くなる俺。
「え、えっと……今日はお疲れ様でした、優勝おめでとう、か、かんぱ〜い」
「「「「「「かんぱ〜い」」」」」」
ワイワイとうるさくなる店内。
「ふぅ…」
「はは、緊張してたなー」
「そりゃそうだよ、こんなことやったことないし」
「ほい!おまちどうさん!」
新山の叔父さんがテーブルの鉄板の上に焼き立てのお好み焼き達を運んで来た。
「足りんかったら言ってくれよ、おかわり作るからよ」
「「「「「「「ありがとうございます!」」」」」」」
「おし!食べようぜ!」
「そうだな」
「「いただきまーす」」
そう言って食べ出した瑛太と涼也は熱々のお好み焼きを頬張りながら「うまい!」「うめぇ!」と言いながらガツガツと食べていった。
…俺も食べよう、2人を見てるとお腹減ってきた。
ヘラで一口分をお皿に取り、少し冷ましてから口に運ぶ。
……うま!ふわふわじゃん!
今まで知らなかった店の意外な美味しさに驚いた。
「美味しい!」
「ねー」
「…うまうま」
「こんな店あったんだね」
空腹は最高のスパイスって言うけど、それを抜きにしてもかなり美味しい。
「メニューみてみ!種類多いしここ安いぞ!」
メニュー表を持った瑛太が嬉しそうにみんなに話している。
「おぉー!学生でも通えそうじゃん」
「ほんとだ!通おうかなー」
「他のも食いたいし、みんなで集まる時はここにしようぜ!」
「「「賛成ー」」」
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それからしばらくお好み焼きを堪能し、瑛太と涼也、さらに椎名さんがおかわりを貰いに行った時、俺らの席に新山がやってきた。
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