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ずっと片思いだった女子が同じクラスになった途端グイグイ来るんですけど  作者: ナミツキ


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9話

教室に入り席に着くと、後ろの席の涼也が肩をつついてきた。

「おはよう直樹!なんか朝から疲れた顔してんなーどした?」


「あぁ涼也、おはよう、ちょっと色々あって脳がバグってる。まぁ大丈夫、ありがとう。」

後ろを振り向きながら返事をする。


「なんだ悩み事かぁ?困ったら相談しろよー」

「あぁ、そのときは相談させてもらうよ。」


そう言い西條さんの方に視線を向けると、仲の良い友達グループで席に集まり話しをしているのが少し聞こえてきた。


「明里がこんな遅いの珍しいね?寝坊でもしちゃった??」

「そのわりには嬉しそうな顔してんねーなになにー何があったのー」

と椎名さんと伊勢さんがイジっている。


「別に何もないよーいつもと同じ顔!変なこと言わないでってー」

といいつつも顔を赤くしながらも反論する西條さんに

椎名さんがニヤニヤした顔で

「今日三津島と一緒に教室入って来たよね?朝一緒に来たん?」

話の内容にドキッとする俺。


「たまたま一緒の時間になっただけ!三津島くんは関係ないよ!!」


伊勢さんは「んーー」といいながら考え込んでいるように

「三津島くんって背も高いしー、痩せ型じゃん?あのぼさっとした髪型とメガネをなんとかしたらもしかしたらイケメンの可能性とありそうじゃね??」


「たしかに、いきなりイメチェンして来たら今までのギャップでときめく女子もいるかもねー!ねっ明里!」


とまたニヤニヤした顔で西條さんに話を振っている椎名さん。

俺はドキドキしながら話を盗み聞きしていた。


「べ、べつに私には関係ないもん!ほらっもうチャイム鳴るから自分の席に戻るっ!」


「はいはい。」

「じゃまたねー」


そう言いながら自分たちの席に戻る友達を見送りながら俺の方をチラリとみて、目が合って顔を赤らめていた西條さんだった。



・・・・・・・・・・・


昼ごろからポツポツと降り始めた雨は、放課後の清掃活動の時間にはザーザーとした雨足に変わっていた。


清掃のため、教室には俺と西條さんの2人しか居なかった。


「雨降って来ちゃったねー今日は教室の掃除だね」

窓の外を見ながら話す西條さん。


天気予報って当たるもんだなぁ……

そう考えながら「掃き掃除と黒板掃除どっちがいい??」

と、箒を片手に西條さんに聞いてみた。


「んー掃き掃除を担当いたします!」

ビシッと敬礼をしつつ笑顔で返事をする西條さんに

「わかった、じゃあこれ」

と、箒を手渡した。


「ありがとう!頑張って終わらせちゃおうね。」

気合いを入れる西條さんを横目に


やっぱり掃除するのが好きなんだなぁ

などと思う俺だった。


俺も自分の担当の黒板掃除に取り掛かる。

黒板消しクリーナーでウィーーーンと黒板消しを綺麗にし、黒板を端から順に綺麗にしていく。


・・・・・・・・・・・・・


あと少しで黒板掃除が終わる頃、集中していた俺は隣に来た西條さんのことに気が付かなかった。


「三津島くん!」

「あひゃい!」

「ふふっ、そんなに驚かなくてもー」


急に近くで声を掛けられた俺は驚いて情けない声を出してしまった。


「掃き掃除終わったよ!」

教室の掃き掃除が終わり、暇になったのか俺の所へ来た西條さん。

黒板が9割ほど綺麗になっているのを見た西條さんは


「三津島君ももうすぐ終わるよね!あとはお話ししながらやろうっ?」

ニコニコと笑いながら「なに話そっかなぁ…」と呟いてる。

「三津島君球技大会の種目は決めたの??」


俺は黒板掃除の仕上げを終え、振り返りながら

「一応涼也と話しててバスケにしようかなぁ、と。」

「渡辺君ね、最近よく一緒にいるよね!」

「まぁ後ろの席だからね。」

頬を掻きながら話す。


「私はねーバレーにしようかなぁって、千晴と望美と一緒に!バレーとバスケなら同じ体育館だね!三津島君ちゃんと応援してよね!」

と陰キャには難易度の高いことを言われ

「う、うん、み、みんなと応援するよ。」

そう返すしかできなかった。


「…三津島くんに応援してほしいんだけどなぁ…」

なにやら西條さんが小さく囁いた声はほとんど聞こえなかった。


キーンコーンカーンコーン



「よし、じゃあ片付けて帰りますか!」

掃除用具を手早く片付けて、教室を出る2人。

その時何故か西條さんの顔が赤いような気がしていた。


玄関まで来ると相変わらずザーザーと降っている雨。


俺がカバンの中から折り畳み傘を取り出す隣で、傘を出す様子の無い西條さん、

「あー朝寝坊したから傘持ってくるの忘れちゃったよー」

顔を赤くしながら俺のほうを向き、棒読み気味に言う西條さん。


「帰り道のコンビニで傘買うから、よかったらそこまで傘に入れて欲しいなぁ〜なんて、ダメかな?」

チラチラと照れながら提案してくる西條さん。


え!?一緒の傘!!?それって相合い傘ってことじゃ…

ドキドキしなからそんなことを考えていると。


「嫌だったよね!やっぱり走っていくね!ごめんね!」

と、雨の中出ていきそうな西條さんのカバンを慌てて掴み

「い、いやじゃないよ!風邪引いたら大変だし、良かったら入って……」

俺は顔が熱くなっているのが分かるほど緊張して、俯きながら言った。


「ごめんね、じゃあ一緒に入らせてもらいます。」

自分から言い出したくせに、顔を真っ赤にしている西條さん。


いざ歩き出すと、1つの傘の中という肩と肩が触れてしまいそうな狭い空間にお互い緊張してしまい、一言も話すことなくコンビニに着いた。


「じゃ、じゃあ傘買ってくるね。」

と小走りでコンビニに入る西條さん。


コンビニの外で待つ俺はさっきまでの相合い傘を思い出し

めちゃくちゃ良い匂いだった…女の子ってあんなに良い匂いするんだ…


と考えていたところに困ったような表情の西條さんが帰って来た。


「どうしよう、傘売り切れてた…」


コンビニから西條さんの家までまだ10分はかかる、ザァザァと振る雨の中走ったとしても服もカバンもびしょ濡れになるのは確実。


「こ、このまま傘入ってく?」

そう提案した俺に申し訳なさそうな顔をした西條は

「いいの??三津島君濡れちゃってるよ??」

と言い肩を指差す。


「だ、大丈夫だよ。男だし、ちょっと濡れるぐらい気にしないで。」


「私が濡れないように気つかってくれてたよね、ごめんね」

「じゃぁ」といいながらさっきまでより傘の中で距離を詰めてくる。さらに俺が持っていた傘の柄を西條さんも持った。

「これで濡れないかな?」

とコンビニに来るまでより距離を詰めてくる西條さんにドキドキが止まらない。


いきなりの行動に驚いた俺は


ちょっと近すぎないかな?!


と思わず傘から手を離そうとすると

「ダメだよ!これ以上濡れたら風邪引いちゃう!このまま帰ろう?」

と言われぎこちなく頷きなから歩き出すのだった。


相合い傘という特別な時間はあっという間に過ぎ、西條さんの家の前に着いた。


「ごめんね!やっぱり結構濡れちゃったね。タオルで拭いた方がいいかも!」

俺の腕を見ながら言う西條さん。

「ちょっとうち寄ってって!」

「え!?え!?」という俺のことは気にせず、西條さんは家の鍵を開け、そのまま腕を引かれて半ば強引に玄関の中まで引っ張り込まれてしまった。




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