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ずっと片思いだった女子が同じクラスになった途端グイグイ来るんですけど  作者: ナミツキ


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80話

「すご…」


テーブルに置かれた色々な料理を見て驚いた。

電話からそんなに時間も掛かってないのに、これだけの種類が用意されているなんて。

麻婆豆腐、エビチリ、酢豚など、中華料理が大皿にドドンと置かれていた。


「ふふ、ちょっと張り切っちゃった、直樹くん、遠慮しないでどんどん食べてね」

「ありがとうございます、頂きますね」

「いただきまーす!」


明里さんと共に席に着いた俺は愛菜さんにお礼を言ってから、美味しそうな料理を食べ始めた。

まず、エビチリを用意されていた小皿に取り、ひとくち食べると、エビのぷりぷり感と甘めに味付けされたチリソースがとても美味しかった。


「めちゃくちゃ美味しいです!」

「ふふ、良かったわ」

思わずガツガツと食べてしまった俺、次は酢豚に手を伸ばした。


大きめの豚肉に程よい酸味、野菜のシャキシャキ感。

…凄いな、これもまた美味い。

「どうかしら?」

「酢豚もめちゃくちゃ美味いです!」

「良かったねママ」


そんなにお店で中華を食べる機会はないけども…正直お店レベルだと思う。

お茶碗に用意してくれていた白ごはんともまた合う!

…麻婆豆腐も美味しいんだろうな。


一度お茶で口の中をリセットしてから麻婆豆腐を皿に取った。

「あ、直樹辛いの大丈夫?」

さぁ食べようかと思ったところに明里さんから声が掛かった。

「え、うん、多分大丈夫だと思うけど…」

「パパが辛いの好きだから多分うちの麻婆豆腐かなり辛いと思うよ?ちなみに私はムリです!」

…そんなに?でもまぁ流石にそこまで辛くは無いだろう…


俺はエビチリと酢豚を食べてかなり美味しかったから油断していたんだろう。


「…うっ!」

スプーンで一口分口に入れると、舌を刺すような刺激と燃えるような辛さが口の中を襲った。

急いでお茶を飲みなんとか飲み込んだのだが、全然辛さが消えない。

ゲホゲホと咳き込んでいると、明里さんが牛乳を持って来てくれた。

「これ飲むと辛さマシになるよ!」

牛乳が入ったコップを受け取り急いで口に含んだ。


…辛過ぎだろぉ~!ここまでとは思わなかった…


「ふふ、直樹くん無理しないでね、麻婆はパパ専用って感じだから、言うの遅くなっちゃったけどね」

愛菜さん、それ…もうちょっとはやく言ってくれないですかね。


牛乳を飲み干してやっと口の中が落ち着いてきた。

「今日はありがとうね直樹くん、急だったのに」


「いえいえ、こんな美味しいご飯食べさせてもらって、こちらこそありがとうございます」


「直樹くんならいつでも食べに来て良いのよ?」

そう言って優しく微笑む愛菜さんに少しドキドキしてしまった。


「わ、私だってご飯作れるもん!今度はわたしが作るから!」

急に明里さんが大きな声を出した。


「ふふ、あらあら明里ったら」

「直樹も私が作るご飯食べたいよねっ?」

前に作ったもらった肉じゃがやオムライス美味しかったもんなぁ…

「う、うん、もちろん」

「…月曜日…月曜日の晩ご飯私が作る!ママ!キッチン使っていいよね?」


「まぁ良いわよ、でも、私とパパの分も作るのよ?」

「大丈夫!任せて!」

…月曜日晩ご飯を明里さんの家で食べることは決定事項みたいだな。


「じゃあ直樹、食材も買って帰ろうね!メニューは月曜日からまでに考えておくから」

「わかった」

「買い物まで行ってくれるの?てっきり私が買っておくものだと思ったわ」


「月曜日直樹とイオンでデートする予定なの、そのまま食材も買って帰ってくるね!」

驚いていた愛菜さんに明里さんが月曜日のデートのことを話した。


「あら、いいわねぇデート、なら材料費多めに渡すわ」

「ありがとうママ!」


それから麻婆豆腐は遠慮しつつ、残る料理を堪能してながら楽しく食事を頂いた。

「ごちそうさまでした、美味しかったです」

「ごちそうさまー!」

「いっぱい食べてくれて気持ちいいわ」


時刻はもうすぐ7時になるころ。ご飯を食べ終えた俺たちは明里さんの部屋には戻らず、リビングのソファーに座っていた。


「もうそろそろ帰るよ」

「外も暗くなってきちゃったもんね、また明日だね」

「うん、明日頑張ろう」

「楽しみ!借り物競争のお題何かなー」


明里さんと話していると愛菜さんもソファーにやってきた。

「直樹くんリレーのアンカーよね?明里から聞いてるわ、ちゃんと動画撮るからね」

「は、はい!頑張ります」

「ま、撮影係はパパなんだけどね」


「ただいま」

玄関からパパさんの声が聞こえた。

「帰ってきたみたいね」

ガチャりとドアが開いてパパさんがリビングに入ってきた。

「おかえりなさい」

「おかえり!」

「お邪魔してます」

ソファに座ったまま頭を下げた。

作業服を着ているけど、何の仕事をしているんだろう。

俺見て少し驚いたパパさん。

「…あぁ、直樹くんか、いらっしゃい」

「遅くまでお邪魔してしまってすいません」

「…いや、気にしなくてもいい、明日頑張ってな」

そう言ってキッチンに向かい、手を洗い出した。


「じゃあ俺は帰るね」

隣に座っていた明里さんにそう告げてソファを立った。

「うん」

「お邪魔しました!ご飯美味しかったです!」

「また明日ねー」「…おう」

キッチンにいる愛菜さんとパパさんに挨拶をして、明里さんと一緒に玄関に向かった。


リビングに繋がるドアを閉めて靴を履こうとすると

「直樹」と呼ばれて振り向くと、ふわりと抱きしめてくる明里さん。

「ふふ、帰り気をつけてね!」

抱きしめ返して「うん、また明日ね」と返した。

短い時間の抱擁を終え、靴を履いて忘れ物が無いかポケットの中を確認した後玄関のドアを開ける。


「ばいばい!」

「うん、バイバイ」


明里さんに手を振り、帰路に着く。

なかなかに濃かった1日を過ごし、家に帰るのであった。


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