79話
「い、痛かったら言ってよ」
俺は覚悟を決めて出来るだけ優しくソッと明里さんのふくらはぎを触った。
〝ふにふに“
さっき明里さんが俺にしたように、両手で包み込むように握ってみる。
…これはヤバい…柔らかくもハリがあり、さらに信じられない程にスベスベとしている。
「…ん、ちょっとこしょばい、もうちょっと強くても大丈夫だよ」
「ご、ごめん」
ちょっと優しくし過ぎたみたいだ。
〝キュッキュッ“
「どうかな?」
「うん、いい感じ、気持ちいいよ」
「良かった、これぐらいの力加減だね」
少し慣れてきた俺は、足首の方からふくらはぎの上へと徐々に押したりと色々な方法でマッサージをやってみた。
「おおー!いいねそれ!めちゃくちゃ痛気持ちいいよ!」
…反応は上々のようだ。
それから明里さんの足を夢中で堪能…いや、マッサージを行い、次は腰回りへと移ることになった。
「じゃあ次は腰、お願いしますねー!」
「う、うん、わかった」
そう返事をしたものの、明里さんがしてたみたいに太ももに乗って腰を押すのは体勢が色々とヤバい…
…ここはなんとか明里さんの隣からやることにしよう。
うつ伏せになっている明里さんの横に移動して恐る恐る腰を押してみることにした。
「じゃ、じゃあいくよ?」
「うん、お願いします」
返事を聞いてからゆっくりと背中と腰の間ぐらいを押してみる。
〝グッ“
「ん、そうそう!上手!」
「痛く無い?」
「ちょうどいいぐらいだよ、その感じでお願いします」
「わかった、痛かったら言ってよ」
そう言って腰と背中の間を少しずつ押す位置を変えながらマッサージを続けた。
2分ほど経った時だろうか、腰の下の方を押した時
「あっ…」
と言う声とともに明里さんの身体がビクッと震えた。
「ごめん!痛かった?」
強く押し過ぎたと思って慌てて手を離すと
「だ、大丈夫…痛く無いよ!ちょっとびっくりしただけだから!」
良かった…力加減ミスったかと思ったけど、反応良かったな…何かのツボってやつなのかな?
気になった俺はもう一度さっきの場所を押してみることにした。
〝グッ“ピクっ
〝グッ“ピクっ
押すたびにピクッとなる明里さんを見て楽しくなった俺は気がつくとそこばかりを押していた。
〝グッ“〝グッ“
「…あっ」という声が口から出て、慌てて口を手で押さえる明里さん、なぜか耳まで真っ赤になっている。
本当は痛いけど我慢しているのかと思った俺は手を止めて「大丈夫?」と声を掛けたけど、明里さんは口を押さえたままウンウンと頷くだけだった。
…まぁ大丈夫ならいっか。
ピクピクと動く反応を見たかった俺はまた同じ場所のマッサージを再開した。
しばらく押していると明里さんは膝と膝を擦るような動きをしだして
「は、はい!そろそろおしまい!」といって身体を起こし「ちょっとトイレ行ってくるね!」と言いながら足早に部屋を出て行った。
よほど我慢していたんだろうか…
そのあっという間の出来事に、俺はポカンとしながら出て行ったドアを見るのだった。
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それからすぐに帰ってきた明里さんのスマホに着信が入った。
♫〜♫♫♫〜
画面を見た明里さんは「あれ?ママからだ…なんだろう」
と言って電話に出た。
「もしもし?……うん、うん、直樹に聞いてみる、ちょっと待ってね」
…ん?俺の話し?
スマホを耳から離した明里さんが「ママが晩ご飯一緒に食べようって!どう?」と聞いてきた。
「え!?いや、それは悪いよ!流石に急に来て晩御飯まで頂くのはちょっと…嬉しいけど今日はやめておくよ」
と慌てて断った。
「ちょっと待ってね!…もしもしママ?今日はやめとくって……え?…うん、わかった、…直樹?ママが話したいって」
そう言ってスマホを渡してくる明里さん。
なんだろう?と思いながらもスマホを耳に当てる。
「もしもし、お電話代わりました直樹です」
「直樹くん?愛菜です、今日パパ残業になったみたいで帰ってくるの遅いのよー、私たちだけじゃ寂しいし、良かったら一緒にご飯食べて行ってくれないかしら」
そこまで言ってくれるならなかなか断ることもできない。
まだ5時前だし、すぐ母さんに連絡したら間に合うだろう…
「えっと…では、ご迷惑で無ければ…頂きます」
俺の横で話を聞いていた明里さんが「やったぁ!」と喜んでいる。
「良かったわぁー、苦手な物とかはあるかしら?」
「いえ、大丈夫です」
「わかったわ、出来たらまた明里に連絡するわね!」
「はい、ありがとうございます」
電話が切れたのですごくニコニコしている明里さんにスマホを返した。
「やった!一緒にご飯食べれるね!」
…嬉しそうだな。
「はは、ちょっと母さんに連絡入れとくよ」
そう言って母さんに《明里さんの家で食べることになったから、今日の晩ご飯は要らないです》とLINEを送った。
すぐに母さんから《失礼の無いように!!》と返事が来た。
それからしばらくして晩ご飯が出来たと連絡が来たので2人で一階へと降りた。




