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ずっと片思いだった女子が同じクラスになった途端グイグイ来るんですけど  作者: ナミツキ


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71話

いつもの日常に、放課後体育祭の練習をするということが増えた以外に特に変わりもない日常を過ごし、あっという間に日曜日が来た。


今日は明里さんの家に行く日だ。

第一印象が大事だし、いつもより気合を入れて身だしなみを整えている。


彼女の両親に会う事を母さんに伝えると、「手ぶらじゃ行けないでしょ!お昼も頂くんだから!」と朝1番に、手土産として持っていくためのそこそこお高めのプリンを買ってきてくれた。実にありがたい。


部屋で服選びに悩む俺は、潔く姉ちゃんに助けを求めることにした。


自分の部屋を出て姉ちゃんの部屋へと向かう。

コンコン

「姉ちゃん?ちょっと頼みがあるんだけど…」

ガチャ

「なに?」

と少しめんどくさそうな様子の姉ちゃんが部屋のドアを開けた。


「いや、今日彼女の両親と会うんだけど」

「まさか着ていく服が分からないとか言わないわよね」

なぜわかった…

「いや…そのまさかなんだよね…」

俺の言葉を聞いた後、姉ちゃんは「はぁー」と大きくため息を着いて

「…分かったわ」と言い俺の部屋へと向かった。

俺の部屋に入り、ベット、テーブル、ラグの上に広げられた服を見た姉ちゃんは、パパッと上下を選び

「はい、これとこれなら無難だと思うわよ」

と服を渡して来た。


「ありがとう、助かった」

「はいはい、初対面の印象って大事なんだから、頑張んなさいよー」

と手をひらひらさせながら部屋を出て行った。


よし、これで服も大丈夫だろう。

時計を見ると10時になっていた。半に明里さんが迎えに来るから、そろそろ着替えて準備しよう。


それから服を着替えて髪をセットし、どこか不備はないか最終チェックしていると、明里さんからLINEが届いた。


《もうすぐ着くよ!》

《わかった、すぐ出るね》

返事を送った後、冷蔵庫に入っているプリンを付属の紙袋に入れリビングに居た母さんに行ってくると伝えて玄関へと向かった。


家を出て、道に出るとすぐ近くまで明里さんが来ているのが見えた。

「直樹ー」

手を振りながら小走りで寄ってきた明里さん。

「迎えに来てくれてありがとう」

「いえいえ、もう慣れたもんですからね!」

最近ずっと平日の朝は迎えに来てくれていた明里さん。

流石に毎日は申し訳ないと、迎えに来てもらう日は週に3日、月、水、金曜日だけにしてもらった。

もちろん、それ以外の日も一緒に登校している。


「それじゃあ行こ!」

「う、うん」

手を繋いで歩き出した途端、一気に緊張感が押し寄せてきた。

「大丈夫?」

「だ、大丈夫、この前明里もウチに来てくれたし」

あの時明里さんが緊張してたのがよく分かるよ…


ドキドキしながらも足は進み、とうとう明里さんの家に着いた。


「じゃあ入るよ?」

「うん、お願いします」


ガチャ

明里さんが玄関の鍵をポケットから取り出して鍵を開け、ドアを開いた。

「ただいまー!」

「お邪魔します」


家に入ると、なにやらドタバタと音がした後、正面のドアが開き、ヌッと、大柄でめちゃくちゃ厳つい顔の男性が出てきた。

そのまま玄関にいる俺たちのところに近づいてきた「…君が三津島くんか…明里の父の剛志(つよし)だ、よろしく」

と言って鋭い眼光を光らせながら握手をしようとしたのか手を差し出してきた。


「は、初めまして!三津島直樹といいます、よろしくお願いします」

そう言って差し出された手に自分の手を重ねた。

ギュッ

ちょ、い、痛い痛い!力強すぎませんか!!


「もうパパ!いつまでしてるの!」

明里さんの声を聞いた剛志さんは力を緩めて、手を離してくれた。

「…上がりたまえ」

「お、お邪魔します」

耳元で明里さんが「ごめんね、パパも緊張してるんだと思うから」と言うけれども、緊張してるからだけじゃないと思うよ…


玄関で早くもやや不安な空気を感じたが、そのまま3人でリビングへと向かった。



「こんにちは」

リビングに入ると、明里さんによく似た女性が迎えてくれた。

「こんにちは、み、三津島直樹です!今日はお邪魔します!これどうぞ」

手土産として持ってきたプリンを渡す。


「あら、ありがとう、ふふ、明里からあなたの話は聞いてるわよ。申し遅れまして、愛菜(あいな)です、愛菜さんか義母さん(おかあさん)って呼んで。パパのことは気にしないで、ゆっくりしていってね」

おかあさんのニュアンスが変だった気がするけど…


それにしても綺麗な人だなぁ。

腰まで伸ばした綺麗な髪に、柔らかい笑顔で…少し歳の離れた明里さんの姉って言われても信じちゃいそうだ。

明里さんはお母さん似なんだな…


「…樹!直樹!」

いたっ!

愛菜さんに見惚れしまっていると、突然脇腹に走る痛み。

隣を見ると少し不機嫌そうな様子の明里さん。

どうやらつねられたみたいだ。

「直樹?そんなママのことジッと見て、どうしたのかな?」

「い、いや、明里と愛菜さんがそっくりだと思って」

「…ふーん」


「あらあら、明里ったらヤキモチ妬いちゃって」

「べ、別にヤキモチなんて…」

「ふふ、かわいいわねぇ」


「…俺はバーベキューの準備しに行ってくる」

愛菜さんが明里さんを揶揄っていると、剛志さんそう言いながらリビングを出て行った。


「あの…何か手伝えることありますか?」

俺は意を決して聞いてみると、明里さんが何か思いついたような顔になった。

「私たちもパパの準備手伝う?」

「う、うん、なんでもするよ」

パパさんと一緒とはかなり緊張するけど、ここは頑張ろう。

「じゃあ外行こっか!」


これで少しでも打ち解けれるといいけど…


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