62話
《今から行くよ》
《わかった!気をつけてね!》
家を出た俺は楽しみにしている一方で、かなり緊張してきていた。
俺の部屋で明里さんと2人っきりになるのか…心臓がもつかどうか。別に変な事をしようという気はないけども、俺だって思春期の男だ。せっかく付き合えた可愛い彼女とイチャイチャしていたい。
そんなことを考えながら歩いていると、気がつくともうすぐそこに明里さんの家が見えてきた…LINE送らないと。
《もう着くよ》
《わかった!》
返事が来てすぐ、道に明里さんの姿が見えた。
大きめのトートバッグを肩にかけた明里さんがすぐにこっちに気づいて笑顔で駆け寄ってきてた。
「迎えに来てくれてありがとうね!」
「ううん、全然、それ、もしかしてアルバム持ってきてくれたの?」
俺はトートバッグを指さして聞いてみた。
「うん!この前約束してたから、それに今日直樹の写真も見せてもらうし!」
「一応準備はしてるけど…俺の写真はそんなに期待しないでね、あ、バッグ持つよ」
アルバムが入っているならそれなりの重量になってるだろうし。
「え!いいよ!自分で持ってきといて持ってもらうなんて悪いし!」と遠慮してする明里さん。
「気にしないで、か、彼氏なんだし、それぐらいはさせて欲しい」
「ありがとう、じゃあお願いしようかな!」
肩にかけていたバッグを受け取ると思ったより重くてビックリした。
「ヨイショ」と肩にバッグを掛けて
「じゃあ行こうか」「うん!」
と、俺の家に向かって歩き出した。
「あぁ緊張してきた、大丈夫かな?今日の格好変じゃない??」と言って数歩先に歩いて振り返る明里さんは少し不安そうな表情だった。
ショートパンツに裾が長めのTシャツを合わせたシンプルな服装だが、スタイルの良い明里さんはとても似合っている。
太陽の光が反射して足なんて輝いているみたいだ。
あまり足ばかりジロジロ見ているとドキドキしてしまうので慌てて明里さんの顔を見る。
「へ、変じゃない!す、すごく可愛いよ!」
こういう時さらっと褒めれたら良いのに。
俺の言葉を聞いた明里さんはみるみる顔が赤くなり
「あ…ありがと…」と、その綺麗な足をモジモジさせていた。
おもわず抱き締めたくなる衝動を抑えて、明里さんの手を取り家へと再び歩き出した。
ーーーーーーーーーーー
ーーーーーーー
「ふぅー…」
家に着いて明里さんは玄関の前で深呼吸している。
「大丈夫?入るよ?」
「う、うん、大丈夫!」
その返事を聞いて玄関のドアを開けた。
「どうぞ」
「お、お邪魔します…」
「いらっしゃい!」
と、恐る恐る家に入ると玄関で母さんが待っていた。
「初めまして、直樹の母の翔子です!翔子さんでもお義母さんでも好きに呼んでね」
…実に楽しそうな母さんだ。
いきなりの母さん登場にポカンとしていた明里さんだったが、ハッと気を取り直した。
「は、初めまして!直樹くんとお付き合いさせてもらっています!西條明里です!」
…なんとか自己紹介を終えたようで、ホッとしていたけど
「よろしくね明里ちゃん!」
「よ、よろしくお願いしましゅ!」
カーっと赤くなる明里さん。最後に噛んじゃったな。
「じゃ、じゃあ俺ら部屋行くから」と言うと「はいはい」と言ってリビングに帰っていく母さん。
赤くなってプルプル震えている明里さんに
「大丈夫?」と声を掛けると
「か、噛んじゃった…」と涙目になっていた。
か…かわいい……
「大丈夫大丈夫気にしないで、ほら、部屋行こう?」
と言って手を引いて俺の部屋に向かった。
階段を上がり、部屋のドアを開けて「どうぞ入って」と入るように促す。
「お、おじゃましまーす」
と緊張した様子で部屋に入った明里さんに続いて俺も部屋に入る。
「一応片付けたから散らかってはないと思うんだけど……」
「スゴい綺麗だよ!初めて男子の部屋入ったけど、こんな感じなんだね!」
と明里さんは物珍しそうにキョロキョロと部屋を見回している。
「あ、あんまり見られるとちょっと恥ずかしいかも…」
「ご、ごめんね!嬉しくてつい」
恥ずかしくなった俺は
「と、とりあえず座ろっか」と提案してラグの上に置いてあるクッションに座るように勧めた。
肩に掛けていたバッグをテーブルの上に置いて、明里さんに勧めたクッションの隣に座った。
「あ、これ直樹のちっちゃい頃のアルバム?」
あらかじめテーブルの上に置いておいたアルバムに気づいたようだ。
「うん、母さんに言って出してもらったんだ」
「見ていい??」
「どうぞ」
「ありがと、じゃあ拝見いたします!」と言って赤い分厚めの表紙を開いた。
俺もこんなの見るの久しぶりだなぁ
そこには赤ちゃんの時からの写真が挟まれていた。
「うわぁーカワイイ!この子が直樹だよね!」
「お目目クリクリ!」
「ぷくぷくしてるー!」
とはしゃぎながらアルバムを捲る明里さん。
「直樹ってパパさん似なんだね!」
と、赤ちゃん時代の俺を抱っこしている父さんが写っている写真と俺を交互に見る明里さん。
「そ、そうかな?」
「直樹に似てパパさんカッコいいもん!…あれ?パパさんに似て直樹もカッコいいの?あれ?」
と、何やら混乱している様子だ。
カッコいいと言われると照れるな。
それから保育園時代の写真でもカワイイを連発していた明里さんだったけど、小学生時代になるとカワイイがカッコいいに変わってきた。
「流石に高学年になってくると今の直樹感が出てきたね、背も高くなってきたし!」
「うん、小5ぐらいから背が伸びてきたかな」
と話しながらアルバムを見ていると、肩を寄せ合っていることに今更ながら気づいた。
い、いつのまに…つい懐かしくなってアルバムに気を取られてた…
チラリと明里さんを見てみると、アルバムに集中しているようで特に気にしてないみたいだった。
そのままアルバムのページも終盤に差し掛かり、中学にもなると、入学式に撮った写真がアルバムの最後に挟まれていた。
「あー終わっちゃったー!中学に入ってからは写真撮らなくなったの?」
「そうだね、まぁ思春期ってやつかな?なんか恥ずかしくて」
反抗期という反抗期は無かったと思うけど、思春期特有の恥ずかしさはあるし。
そう話していると、今のこの肩を寄せ合っている状況に明里さんも気づいたようだった。
1話から少しずつ今の書き方に編集していこうと思います。
話の内容などは変えないように頑張りますので、引き続き本作をよろしくお願い致します!




