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ずっと片思いだった女子が同じクラスになった途端グイグイ来るんですけど  作者: ナミツキ


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55話



「ここわかんねぇんだけど、誰か教えてくれー」

「分からないとこは望美に聞くといいよ」

「そういや伊勢って頭良かったもんな!了解でーす」


明日のテスト対策として放課後にいつもの6人図書室で勉強している。

図書室には俺たち以外にも友達同士で勉強している人がチラチラと見えた。



数学はある程度理解出来だしたので、社会の勉強をしていると隣に座った明里さんが、俺の耳元に顔を近づけて、周りに迷惑にならない程度の小声で話しかけてきた。


「どう?分からないとこある?」

「んー大丈夫かな、数学は明里が教えてくれたから、とりあえず今はテストに出そうなとこ暗記してるだけだよ」


「えぇー…直樹の先生やろうと思ったのにな、残念」

すこし拗ねた様子の明里さん。


「明里は勉強しなくても大丈夫なの?」

「うん、テスト範囲はもう大丈夫だと思う、だから今日は教える方に回ろうかなーって思ってたの」

それで何も教科書出して無いのか。


「じゃあ理科の勉強するから教えてくれる?」

「うん、任せて!テスト範囲ってどこからどこまでか覚えてる?」


俺はイソイソとカバンから教科書を取り出してページを捲る。


「ここから……ここまでだよね?」

「そうそう!今回はエネルギー関係がメインだから……」

すっかり機嫌が良くなった明里さんと、まるで2人だけで勉強しているような空気が自然と出来ていた。


ーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー


「そこのお2人さーん、そろそろ帰るよー」

という伊勢さんの声でハッとして辺りを見回すと、チラホラといた他の生徒たちはいなくなっていた。


「2人で楽しそうに勉強しちゃって、あぁー羨ましいわ」

と涼也に茶化された。

俺的には別にそんなつもりじゃなかったんだけどな。

「べ、別にそんなことないって!」

「明里ー、結構カップルの雰囲気でてたよー」

「え!?ほんと!?やった!」

照れる俺とは対照的に喜ぶ明里さん。


俺以外片付け終わっていたので慌ててカバンに教科書を詰めた。

「ごめん、お待たせ」

「大丈夫大丈夫、さ、帰ろ帰ろ」

と椎名さんを先頭にゾロゾロと図書室を後にした。


図書室を出て廊下を歩いていると瑛太が話しかけてきた。

「明日のテストいい点取れるんじゃないか?けっこう勉強したんだろ?」

「そうだね、中学になって今までで1番勉強したかも、瑛太は?出来そう?」

「数学と英語は厳しいな。今日の夜とテスト直前までの暗記にかけるわ」

「はは、ヤバいじゃん」

「まぁ、何とかなるっしょ!」

特に気にした様子もない瑛太。

瑛太や涼也は高校どこ行くか考えてるのだろうか?気になるな。


「そういやさ、高校ってどこ行くか考えてる?」

「いや、まだ特に考えてないな、直樹は?」

「俺は明峰に行こうと思ってる」

「あぁ明峰か、いいよな!近いし!じゃあ俺も明峰にしよっかなー、かなり勉強しなきゃ厳しいかもしれんけど…」

「明里が言ってたけど、椎名さん明峰行く予定みたいだよ」

「まじか、なら明峰だな!」

そうなるよな、好きな人と別の高校は嫌だろうし。


「2人は最近どうなの?」

ラウンドワンで遊んだ後の瑛太と椎名さんの進展具合が気になった俺は、グラウンドに出た辺りで瑛太に聞いてみた。

「あー…あれから2人で遊ぶこと増えたんだけど、告るタイミングが分かんねぇんだよな…直樹はどんなタイミングで告った?」


「……なんか気づいたら告ってた」

「…なんじゃそりゃ」

「いや、マジだよ、ホントに気がつけば告ってたんだって!」

「参考になんねぇじゃん!」

「悪かったな!参考にならなくて!」


そんな話をしていると校門を出た。

俺と明里さんだけ帰る方向が違うから、ここでみんなと別れることになる。



「じゃあなー」「また明日」「2人っきりですな!ヒューヒュー」「ばいばーい」

1人冷やかしてくるやつがいるけど、気にせず別れる。

「じゃあね」「ばいばーい!」


少し歩いて学校が見えなくなると、明里さんが俺の手をツンツンとつついてきた。


「もう恋人モードでもいいよね?」

ニシシと笑う明里さん。

「う、うん」

一応周りに生徒が居ないか確認して明里さんの手掴んだ。

手汗大丈夫かな…

まだ付き合って3日目、普通に手を繋ぐだけでもドキドキしていたのだが、明里さんが繋ぎ方を変えてきた。

指と指を絡める、所謂恋人繋ぎというやつだ。


「私はこっちがいいな!」

と、指を絡めた手を強調するように少し掲げた。

そりゃ俺だってこっちがいい!とは言う勇気がない俺。

実際はドキドキしてしまって「そ、そうだね」と言うことしか出来ない俺だが、全然平気そうな明里さん。


「学校から家まで遠かったらもっと一杯一緒に居られるのにな…」

ポツリと溢す明里さん。

俺だってもっと一緒にいたい。


そうだ!ちょっと提案してみるか…

「あ、あのさ、今週の日曜日って暇?」

「日曜日??どうしたの?」


「あの…よ、良かったらなんだけど、うち…来ない?」

「え!!いいの!!!?行く行く!行きたいよ!」

断られたらどうしようかと思ってたけど…良かった、来てくれるみたいだ。


「えっと、両親ともいると思うけど大丈夫かな?」

「めっちゃ緊張するけど、大丈夫!お家行きたい!」

「良かったー。急だったから断られたらどうしようかと思った」

「断るわけないよ!でもどうして急に?」


「うちなら、その、周りの目気にしなくてもいいかな…と思って」

「いいの?私思いっきり甘えちゃうよ??」

「うん、いいよ、今日家帰ったら親に日曜日明里が来るって言っとくから」


「うわー緊張する!でもすっごい嬉しい!早く日曜日来ないかなぁ!!」

嬉しそうな明里さんを見て俺も嬉しくなる。

誘って良かった…テスト終わったら部屋の掃除しないと。

日曜日のお家デートの約束をしたところでちょうど明里さんの家に着いた。


「じゃあね!」「うん、またね」

繋いでいた手を離して玄関に入ろうとした明里さんが俺の方へと駆け寄ってきた。


ん?どうしたんだろう?

と思っていると「忘れ物しちゃった!」といってギュッと抱きついてきた。

「おわっ!」

「えへへ、実はずっと我慢してたんだ!」

その言葉を聞いた俺は嬉しくなって抱きしめ返した。


1分ほど抱き合っていた俺たち。

「よし!充電完了!」

そう言って俺の背中に回していた手を離した明里さん。

「気をつけて帰るんだよ!じゃあね!」

と言って今度こそ家に入っていった。



柔らかかったな…

手に感じた明里さんの感触を思い出しながら自分の家へと帰るのであった。


ーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーー


家に着き、日曜日のことを母さんに話そうとリビングに入った。


「ただいま」

「おかえり、やけに遅かったのね」

「うん、学校の図書室でみんなと勉強してた」


「そうだったの、えらいじゃない」


「まぁね、…日曜日なんだけど、彼女連れてくるけど、大丈夫だよね?」


「あら!もちろん大丈夫よ!何時からくるの?」

そういや時間決めて無かったな。

「まだ時間までは決めてない、また決まったら言うわ」

後でLINEで聞こう。まぁ昼ごはん食べてからぐらいかな?


「わかったわ」


とりあえず日曜日のことは伝えたし、自分の部屋行こう。


リビングを出て自分の部屋に入ってベットに寝転がった。

時間聞いておこう。

すぐに明里さんにLINEを送った。


《日曜日何時から大丈夫?》


すぐに既読が付いて返事が来た。

《お昼ご飯食べて、1時には出れるよ!》

《OK!じゃあ1時に迎えに行くね》

《迎えに来てくれるの!?》

《うん、もちろん!全然行くよ》

《ありがとう!じゃあ1時でお願いします!》

《了解です》


…よし、これで大丈夫だな。

とりあえず明日のテスト勉強しようかな…



その後も、明里とLINEをしながらテスト勉強に励む直樹であった。

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