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ずっと片思いだった女子が同じクラスになった途端グイグイ来るんですけど  作者: ナミツキ


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47話


広いリビングに入ると、昼ごはんを食べたテーブルに先ほどより心なしかツヤツヤとした顔の伊勢さんのお母さんと明里さんが、席に着いていた。

近寄って行きテーブルの上を見ると、色とりどりの綺麗なケーキが並べられていた。


俺と伊勢さんも席に座る。


「ちょうどいい時にきたわね、さぁ食べましょ」


「「「「いただきます」」」」

改めて良く見てみると、なんかすげぇ…普段食べないような高そうなケーキばっかりだ。


とりあえず1番手前にあるやつ食べよう。

そう思って手前にあったチーズケーキを取ろうとしたら

「「あ」」

と、隣から伸びてきた明里さんの手と俺の手が触れてしまった。


「ど、どうぞ!」

「いいよいいよ、俺が違うの食べるから、明里さんはこれ食べて」

「いいの?ありがとう!実は準備してる時から狙ってたんだ」

「だから取りやすいとこに置いてたの?」


「うん!まさか直樹くんと被るとは思わなかったよ」


そんなやり取りの後、一口食べて「美味しー!」と言っている明里さんを見てほっこりしながら、自分はどれを食べようか悩む。

どれも美味しそうだからとりあえず手前にあるやつを食べるか。

どうやらメロンのケーキみたいだ。


一口フォークで掬って食べてみたら驚いた。

めっちゃ美味しい!ケーキ自体はさっぱりした甘味たけど、メロンが甘くてとにかくうまい!

勉強で疲れた頭に、糖分が染み渡る感じがする。

思わずバクバク食べていると


「明里ちゃんたちはどこの高校に行きたいとかは考えてるの?」

と伊勢さんのお母さんが聞いてきた。


高校か…特に行きたいところは無いから、家から近いところにしようかな、ってぐらいしか考えてないや。

そういや明里さんはどこか決めてるのか?


「私は今のところ明峰高校ですね!電車乗らずに通学できるところがいいので!望美もだよね?」

「そうだねー、毎日電車乗ってとか嫌だしー」


「三津島くんはどうなのかしら?」


「えっと、ハッキリはまだ決めてないんですけど、俺も明峰ですかね、やっぱ徒歩で行けるところがいいんで」

明里さんも明峰だったんだ、これは嬉しい情報だ。


「千晴も明峰って言ってたから、みんな一緒だね!」

「だねー」

明里さんたちはみんな明峰か、涼也たちはどこ何だろう。

せっかく友達になれたし、同じ高校行きたいなぁ。


「そういや前に優子さんに会った時、明峰の制服だったよね?」

「うん、姉ちゃんも明峰行ってるよ」

「そうだよね!もしみんなで明峰行けたら優子先輩だね!」


はは、もし姉ちゃんに学校で会ったら色々とパシらされるんだろうな、俺。


そんな事を話しながら4人でしばらくケーキを楽しむのであった。


ーーーーーーーーーー



糖分も補給して伊勢さんの部屋に戻ってきた俺たち3人は勉強に励み、夕方になってきたところでそろそろ解散という流れになってきた。


「じゃあそろそろ帰るね!ありがとう望美!」

「今日はありがとう、1人じゃ勉強する気になかなかなれないから、すごく助かった」


俺と明里さんはローテーブルに広げていた勉強道具をバックに片付けた。


「いいよいいよー、今日は面白い場面も見えたし楽しかった」

伊勢さんは明里さんの方を見てニヤニヤしてる。

きっと2人で倒れてたことを言ってるんだろうな。

俺はなるべく意識しないようにしたけど、明里さんは顔が赤くなってる。モロにくらったな。


「もう!いつまで言うのよ!あれは事故って言ったでしょ!」

「はいはい、ごめんごめん、では玄関まで送りまーす」

悪びれた様子のない伊勢さんは明里さんの背中を押して部屋から出たので俺も慌てて後を追う。


長い廊下を歩いて玄関まで来た時に、伊勢さんのお母さんがやってきた。


「あら、もう帰っちゃうの?」

明里さんが靴を履きながら「はい!もう夕方なので、暗くなる前に帰ろうかと」と答えていた。


「あの今日はありがとうございました、ご飯もケーキもめっちゃ美味しかったです」


「いえいえ、美味しそうに食べてくれて嬉しかったわ!また明里ちゃんとご飯でも食べにいらっしゃい」

…来れるかどうかは分からないけど、またご飯食べに来たいなぁ


「また久美さんのご飯食べに来ますね!直樹くんと!ありがとうございました!」

ペコリと頭を下げて玄関を出た明里さんに続いて、俺もお辞儀をして出ようとしたら「あ、三津島くんちょっとこっちきて」と伊勢さんのお母さんに引き止められた。


何だろう?俺なんかやらかしたかな?と思いながら近づくと「明里ちゃんの事頑張るのよ!私は応援してるからね!」と言われ思わず伊勢さんの方を見た。

伊勢さん口固いって言ったじゃん!


俺の目線に気付き「うちは何も言ってないよー」と言って手をブンブンと振ってたけど、まぁお母さんぐらいにならいいか。

と思ってスルーして伊勢さんのお母さんに向き直って

「は、はい、頑張ります…お邪魔しました」と言って明里さんの後を追った。


玄関を出て少ししたところで立ち止まっていた明里さんに「最後何か話してたの?」と聞かれて咄嗟に「今日のお礼言ってただけだよ」と誤魔化した。


「そうなの?」

「うん、ほんとにご飯おいしかったし!」


怪しんだ感じだったけど何とか誤魔化せたようだ。



それから門を出て、2人で夕陽の中歩いていると


「今度さー2人で勉強しない?」と明里さんが言ってきた。

ふ、2人!?俺は嬉しいけど…

「え、いいの?」

「う、うん、て、テスト直前の土曜日!17日とか…どうかな?」

「俺はいつでも大丈夫だよ、でも場所はどうするの?図書館でする?」

えーっと、図書館の他にどこかあったかな。


「え、えっとね、あの……そうじゃなくて…ね」

何だかモジモジと言い出しづらそうな雰囲気の明里さん。

図書館嫌だったのかな?

「図書館じゃないなら勉強OKのカフェとか?」

どこかオススメの店があるんだろうか?






「いや…あのね……うち来ない?」








この時恥ずかしそうにそう言った明里さんを見て俺は衝撃をうけたね。

カラスでも頭にぶつかって来たのかと思って思わず周りを見渡したよ。


「え?明里さんの家???ご両親居るんじゃ?男の俺だけが行くのって良くないんじゃ…」


「あ、あのね!17日お父さんとお母さん用事で居ないの、だ、だから大丈夫!」

俺はゴクリと喉を鳴らした。

そりゃ明里さんの家で2人で勉強したい…でも本当に行っても大丈夫なんだろうか…

返事に困っていると


「うちじゃ、ダメ…かな?」

悲しそうな明里さんの顔を見てとっさに「行きます!」と言葉が出ていた。


その言葉を聞いた明里さんはみるみる嬉しそうな顔になっていき、頬を染めて

「よかった!約束だよ?破ったら怒るよ!?絶対だよ?指切りだよ!」

と小指を出してきた。


「ほら!約束!直樹くんも!」

明里さんの小指に自分の小指を絡ませて指切りをした。

「ふふっ、良かった…断られたらどうしようかと思ったよ」

そう言って上機嫌になった明里さんと、暗くなって来た帰り道を、どこか上の空で歩くのだった。


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