44話
迷いそうな家の中を伊勢さんに先導されて部屋に着いた。
「どうぞー」
「お邪魔しまーす!」
女子の部屋に入るの初めてだな…
2人が入って行ったけど、俺が緊張で扉の前で固まっていると
ドアからひょっこりと明里さんが顔を覗かせた。
「どうしたの?」
「あ、うん、女子の部屋入るの初めてで、ちょっと緊張して」
「大丈夫大丈夫!ほら!」
そう言って俺の手を引っ張って部屋に入る明里さん。
「ちょ!」
ドタバタしてる俺たちを見て
「どしたん?2人とも」
「直樹くんが緊張しちゃって!」
「ははっ!なにそれ!」
そんな話をしている2人は気にせずに、伊勢さんの部屋をキョロキョロと見回してみる。
部屋ひろっ!…俺の部屋の倍はあるよ…
勝手なイメージだけど、ぬいぐるみとかあってもっとファンシーな感じだと思ってたけど、そんなこと無いんだな…
「……きくん?直樹くん!」
「は、はい!」
部屋を観察するのに夢中になってた、恥ずかしい…
「荷物置いてリビング行くって!」
「わ、わかった」
バックを部屋の真ん中に置いてあるローテーブルの横に置かせてもらって、3人で部屋を出た。
また1人では迷いそうな複雑な廊下を伊勢さんに先導してもらってリビングに着いた。
これまためちゃくちゃ広い…俺の語彙力じゃ説明できないな…なんせ、あるもの全部かなんかスゴい…とにかくスゴい…
「ちょうど出来たわよー、さっ!食べて食べて」
これまた高そうなテーブルに、豪華な料理たちが並んでいた。
「男の子が来るって聞いてたから張り切っちゃった!遠慮なくいっぱい食べてね!」
ニコニコした伊勢さんのお母さんがエプロンを外して椅子に座った。
「うわー!美味しそう!いただきますね!久美さん!」
伊勢さんがお母さんの隣座り、明里さんが伊勢さんの対面の椅子に座ったので、俺はとりあえず明里さんの隣に座ることにした。
「はい、じゃあいただきます。」
「「「いただきます」」」
大皿に盛られた唐揚げを1つ取り食べみると、噛んだ瞬間ジュワッと肉汁が口の中に溢れてきて、思わず「うまっ!」と声が出た。
「久美さんの料理美味しいよね!」
「お店の味みたい」
「あら、嬉しいわー!どんどん食べてね!」
「はい!」
俺はその後もパエリヤやグラタン、なんて名前か分からないオシャレな料理など夢中で食べた。
「いいわぁ…いっぱい食べてくれる男の子って可愛いわよね!」
その言葉に食べることを夢中になってしまっていた自分が恥ずかしくなって、箸を止めた。
「ごめんなさいね、うちは女の子ばっかりだから新鮮で、三津島くん遠慮しないでドンドン食べてね」
「まぁウチもお姉もそんな食べないからね」
ん?お姉?
「伊勢さんってお姉さんいるの?」
「うん、3つ上の高3に1人いるよー」
「そういえば今日はエリちゃん居ないね!」
「そうなの、今日恵梨華朝から出かけちゃってて」
「久しぶりに会いたかったなぁー」
へぇ、知らなかった、伊勢さんって妹だったんだ。
そんな話をしながら昼ご飯を美味しくいただくのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーー
お腹いっぱいご飯を食べたあと、お茶を飲んでいると
「三津島くんは一人っ子かな?」
伊勢さんのお母さんが聞いてきた。
「いや、姉がいます、今高2です」
「前にクレープ屋行った時にあったよね!」
「なにそれー2人でクレープとか食べに行ってたんだー、うち知らないんだけど」
「なになに、明里ちゃんデートしてたの??詳しく聞かせて貰おうかしら」
「いや、えっと…デートと言いますか、まぁ、はい…」
デート認定なんだ…
「デートと言えばアーンとかしちゃったり??されちゃったり??」
「…しようとしたところにちょうど直樹くんのお姉さんが来まして…ね」
明里さん!?そんなとこまで話しちゃうの!?
「う、うん、結構自由な姉でして…」
「へぇ、三津島くんとは全然タイプ違うんだねー」
「スゴい綺麗な人だったよ!優子さん!」
明里さん名前覚えてたんだ、まぁインパクトある会い方だったからな。
「三津島くんもスゴいイケメンだものね、お姉ちゃんが綺麗な子なのは想像できるわ!」
イケメンって…お世辞でも照れちゃいますって!お母さん!
「い、いえいえ!俺なんてそんな」
「えー!私はカッコいいと思うんだけど…ねぇ?明里ちゃん?」
「ぇ!?は、はい!凄く…カッコいい…です…って何言わせるんですか久美さん!」
そんな顔を赤くしてチラチラ見られるとこっちまで照れちゃうって…
「初々しい反応…いいわ!いいわよ明里ちゃん!写真撮っちゃおうかしら!」
と、ポケットからスマホを取り出そうとしたのを「ママそれはさすがにやり過ぎ」と伊勢さんが止めてくれた。
「それに、そろそろ今日の本題に入らないと」
「明里ちゃんのノロケ話でしょ?」
「違う違う、勉強!勉強会するために集まったんだから」
伊勢さんがそう言ったところで思い出した!
…そうだった!お昼ご飯が美味しすぎて忘れてた。
「はっ!そうだ!勉強しに来たんだった!」
明里さんも忘れてたっぽいな。
「あら残念、そうだったわね、じゃあ一旦ここらでやめときましょうか」
そう言って食器を片付けるために席を立った伊勢さんのお母さん
俺は「か、片付け手伝います」と言って席を立ったが
「いいのよ、3人はお勉強頑張って!」と言われた。
「じゃあウチの部屋行こっか」
「うん、久美さんお昼ごちそうさまでした!」
「ごちそうさまです!」
お礼を言って望美の部屋に行く3人だった。




