41話
移動教室の時。
授業終わりのチャイムが鳴った後すぐ、軽い足取りで教科書やらノートやらを持って、明里さんが近づいてきているのが見えた。
……この時間も一緒に行くんだろうな
「直樹くん!次理科室だよ!一緒に行こ!」
そんな事言ったら…ほら…周りの人らが見てるって。
その視線に耐えられなくなり、急いで準備して
「う、うん、行こう!早く行こう!」
「そんなに急がなくてもまだ時間あるよ??」
俺の行動に不思議そうな顔してるけど、そういうことじゃ無いんだよ明里さん。
この周りの視線気にならないの!?
そんな事を思いながら明里さんと教室を出た俺は理科室を目指した。
移動している最中も視線を集める明里さん。
…さすがだよな、男と歩いてるだけでこんなに視線集めるんだもんな。
「明里さん?みんなに見られてるのって気にならないの?」
「んー、いつも見られる事多いし、今日はわざと見せてるからね!気にしないようにしてる!」
美少女は違うなぁ、見られ慣れてる感じか…普段注目される事なんて無い俺にはこの視線気になって仕方ないんだが。
「ここまで注目されて大丈夫なのかな?」
「ドンドン見られた方が良いんじゃない?せっかくだし腕でも組んじゃう?」
めちゃくちゃ楽しんでるじゃん。でもそこまですると俺の身が危ない。
「学校でそれはやりすぎだと思う!」
「そっかーじゃあ学校じゃなきゃ良いってことだね!」
そりゃ人の目が無けりゃ嬉しい事だし。
「ま、まぁそうだね、嬉しいからね」
「嬉しいんだー…えへへ」
その言葉を聞いた明里さんは照れているように見えた。
俺今ニヤけてないよな!?
と廊下の窓ガラスで急いで顔を確認するのだった。
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昼休み
給食を食べ終わって涼也と話していると、こっちを見ながら新山の取り巻きAくんが近づいてくるのが見えた。
まぁ来るとは思ってたけど、ホントに来るとは…
さて、なんて言おうか。
「三津島ーちょっといいか?」
「何?」
「お前、西條さんと付き合ってんの?」
ストレートだなぁ。
「いや、付き合ってないよ、仲良くはさせてもらってるけど」
そう言って新山の席を見ると、こっちを睨みつけるような目で見ていた。
「なんか付き合ってるだ、付き合ってないだってかなり噂になってるけど付き合ってないってことでいいんだな?」
「あぁ、友達だよ」
もうそんな噂になってんだ、スゴいな。
その返事に満足したのか新山の元へ帰っていくAくん
「なんか大変だな」
涼也が苦笑いしている。
「そうだね、でもまぁ仕方ないよ、明里さんって高嶺の花みたいな感じだろ?」
仲良くなれたの今だに信じられないくらいだし。
そこに瑛太が「おーす」と言ってやってきた。
「直樹今日〝仲良し作戦“?ってのやってんだろ?千晴から聞いたぜ」
「そうそう、明里さんの提案でね」
まぁ椎名さんたちには流石に説明してるか。
「なんでまた急に?2人充分仲いいじゃん」
「俺と明里さんが学校で話したりすると周りがヒソヒソするじゃん?それを気にして普通に話せないから、いっそのこと一回大っきく噂になれば堂々と話せるからってさ」
それを聞いた瑛太と涼也が
「「もう付き合えよ」」と揃ってつっこんで来たから思わず笑ってしまった。
そりゃ付き合えるなら付き合いたいけど。
「いやいや、そこまでして西條が直樹と話したいって思ってるってことは向こうも直樹のこと好きだろ…」
呆れているような顔の涼也を見て
「それは分かんないじゃん?」
告ったら勘違いでした!なんて俺耐えられないよ?
「まぁ、直樹には借りがあるからなぁ、手伝えることあったら言ってくれよ!」
「俺もなんか手伝うわ」
「ありがとう、頼りにしてるわ」
良い奴らだなぁ。
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放課後
「直樹くん!帰ろ!」
「うお!」
急に声かけられて変な声でちゃった。
後ろを振り向くと明里さんと伊勢さんと椎名さんがカバンを持って立っていた。
「3人でいるってことは帰りどっか寄るんじゃないの?」
「ううん、門で別れるよ?家の方向違うし、ね?」
「2人のイチャイチャは邪魔しないって」
「そうそう」
そう言われると照れるな。
女の子3人の中に俺だけならキツイけど、それなら大丈夫かな。
イチャイチャなんてしないけども!
「まぁ帰りますか」そう言って教室を出る4人だった。
校門で伊勢さんと椎名さんと別れた俺たちは2人で帰っていた。
しばらく歩いていると明里さんが突然
「学校から離れたから、アレ、しちゃう?」
と言ってきたけど、アレが分からなかった俺は
ちょっと考えて
「アレってなに??」
と聞くと返事は言葉ではなく腕に衝撃とともに帰って来た。
腕に抱きついてきた明里さんに驚いていると
「ほら、学校じゃ無かったら嬉しいって今日言ってたでしょ?嫌だった??」
確かに言った!言ったけども!ホントにするなんて思わないって!!
「い、嫌…じゃないです…」
ホントは嬉しくてたまりません!
「ふふっ、じゃあちょっとこのまま帰ろうよ」
「明里さんが良いんならいいけど…誰かに見られるかも…」
学校から離れたって言っても帰宅時間だから見られる可能性はあるよな。
「まぁその時はその時ってことで、気にしない!気にしない!」
明里さん、なんか機嫌のイイし、まぁいっか。
結局腕を組んだまま、家まで帰る2人。
その後家帰った俺は夜寝るまで、悶々とした気分のままだった。
…思春期ですから!!




