33話
次の日、目が覚めて時計を確認すると昼近くになっていた。
まだ少し寝ぼけていたがスマホを確認すると、明里さんと瑛太からLINEの通知が1件ずつ入っていた。
LINEを開くと、明里さんからは《明日11時半に駅集合なんだけど、直樹くんが良かったらなんだけど一緒に行かない??》
明日の事での連絡だった。
《返事遅くなってごめんね!今起きた!明日11時ぐらいに迎えにいくよ!》
3時間前にLINEが来ていたので急いで返す。
明里さんに返事を送った後に瑛太のLINEを確認すると
《予定決めるの遅くなってスマン!明日ラウンドワンで遊ぶ事になった!4人で昼飯食べてから行こうってなってるから11時半に駅集合でよろしく!》
《了解!わかった!》
と、とりあえず返事を送る。
2人に返事を送った所で自分の空腹に気づき、部屋を出て一階のキッチンへ向かった。
冷蔵庫を開けて昨日の肉じゃがを鍋ごと取り出しコンロで温める。
…明里さん、上手聞けるのかな…椎名さんの感じだと瑛太と合いそうな気はするんだけど、俺にフォローなんて出来るだろうか…
そんなことを考えていると肉じゃががあったまり朝食兼昼食を食べる。
一口食べ思わず「うまぁ…」と声が出てしまう。
その後も箸が止まらず黙々と食べ続け、すぐに完食してしまった。
…もう無くなっちゃった…美味しかったなぁ…ここまで美味しいと他の料理も食べてみたくなるわ。
食べ終わった食器を片付けているとふと寂しさを覚えた。
昨日は明里さんと2人で片付けをしていたのに今日は1人ということになんとも言えない気持ちになる。
その後自分の部屋に戻ると明里さんからLINEが届いていた。
《おはよう!ゆっくり寝れたみたいだね!明日11時待ってるね!》
《今日は何かするの?》
《いや、今日は何も決まってないよ、部屋でゴロゴロしてようかなって、明里さんは?》
そう送るとすぐに既読が付き返事が返ってきた。
《私は今日望美の家に行く予定です!というか今まさに向かってる最中!もうすぐ着くよ!》
…そっか、今日は伊勢さんと遊ぶのか。
伊勢さんとの時間を邪魔しては悪いと思い
《伊勢さんとも椎名さんともホント仲良いね》
《楽しんでね!》
《うん!千晴とは中学校からだけど、望美とは小学校から一緒だからね!家着いた!また連絡するね!》
《わかった》
LINEを終えゴロゴロして過ごすのだった。
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side明里
ピンポーン
望美の家のインターホンを鳴らし待っていると「はいはい!鍵開けるね!」と声が聞こえてドタドタとフローリングを走る音が聞こえた後、ガチャっと言う開錠する音が聞こえて、開いたドアから望美が顔を出した。
「いらっしゃい!上がって上がって」
「お邪魔しまーす」と言って家に入り2人でリビングに行くとキッチンからいい匂いとともに
「明里ちゃんいらっしゃい、ちょうどご飯できたとこよ、望美!ご飯そっち持って行ってー」
と望美の母である伊勢 久美さんから声が掛かった。
「はーい」
「ありがとうございます!久美さん」
小学校の時からよく遊びに来ているので、伊勢家でご飯を食べることもよくある私。
「はい明里の分〜」望美がテーブルに置いた今日の昼食はカルボナーラだった。
私はキッチンに居る久美さんに向かって
「久美さんのカルボナーラ大好きでーす!」
「ふふっ、ありがと、どんどん食べてね」
私と望美は手を合わせて「「いただきます」」と言い食べ始めるのだった。
昼食を食べ終わり私がソファでまったりしていると隣に久美さんが座ってきた。
「明里ちゃん最近また可愛くなったわねー、とうとう彼氏でもできたのかしらー?」
お腹も膨れリラックスしている所にいきなりそんなことを言われて「うぇ!?か、彼氏!?そ、そんな人居ないですよ!!」
とオロオロしながら言うと
「えぇー女の子が可愛くなるのは恋してるからって言うじゃない?ねえ?望美?」
近くに座っていた娘に話を振る久美さん
「まぁ明里に関しては遠からず近からずって感じかなぁ」
私の方を見ながらニヤニヤして言う望美
「も、もう!2人とも揶揄わないで!」
「明里ちゃんももう中学3年生だし、好きな人ぐらいはいるんでしょ?」
キラキラした目で聞いてくる久美さん
「それを言うなら望美だって中3ですよ!自分の娘にも聞いてみて下さいよ!」
話の矛先を望美に向けようとするが
「んーこの子はそう言うの鈍そうだから聞かなくても大丈夫、私は明里ちゃんの恋バナが聞きたいの!」
と、私にロックオンしているみたい。
「自分の娘に向かって鈍そうとは何よ、でもまぁ確かにうちは今んとこそう言う浮ついた話はないかなー、う・ち・は!」
「ほらほらー望美も意味ありげな言い方してるし、大人しく吐いちゃいなさいって」
2人にそう言われて耳まで熱くなりながら「うぅぅ…」と俯いている私、そこに
「まぁぶっちゃけうちも気になってるんだよねぇ…明里隠すじゃん?この際だから聞くけど、三津島とどうなの??」
三津島とどうなのと聞かれて俯いていた顔をバッと上げ
「な、なんで直樹くんのこと!?」と言うと久美さんが驚いた顔をしていた。
「ほうほう、あの明里ちゃんが男の子を名前呼び…いいわぁー恋バナっぽくなってきたじゃないの!ナイスよ望美!」
グッと娘に親指を突き出す久美さん、黙って親指を突き出し返す娘の望美。親子だなぁ。
「教室で噂になってた名前呼びは本当だったということね、2人が実は付き合ってるんじゃないかって噂もよく聞くんだけど、付き合ってるの?」
望美にそう聞かれて
「つ、付き合ってない!付き合ってないよ!!」
手をブンブンと振りながら大きな声でとりあえず否定する。
そこに「明里ちゃんは直樹くんって男の子の事好きなの?」
と、ド直球で聞く久美さんに今度は娘からグッジョブサインが母に送られている。
久美さんと望美が返事を待っている。
「えっと……その……すき…かなぁ…」と小さな声で話すのがやっとの私。
「なになに?ごめんなさい明里ちゃん、聞こえなかったわ、もう少し大きな声でお願い」と意地の悪い久美さん。
それを聞いて「好きですよっ!直樹くんの事めっちゃ好きです!!!」吹っ切れた私は大きな声で返したけど、顔は自分でも分かるほど熱くなって若干涙目になった。
思い切って正直に気持ちを話した私だけど、望美は「うん、知ってた」と平然としている。
なんか腑に落ちない。
「明里ちゃん!なんて可愛いの!これぞ恋する乙女って感じじゃない!」と言って私を抱きしめる久美さん。
そのまま私の頭を撫でながら
「どうなの?上手くいきそうなの?」
と優しく聞いてくる久美さん。
「必死にアピールはしてるんですけど…わかんないです…」
「こんな可愛い子に惚れない方がおかしいわ、明里ちゃんなら大丈夫よ!ガンガン行きなさい!」
「まぁ大丈夫だと思うよ?はたから見てたら向こうも意識してるし、私らも出来ることは協力するし」
「…久美さんも望美もありがとう、このまま頑張ってみます!!」
落ち着いた私は久美さんから離れ、やる気をだす。
「いい恋バナ聞かせて貰っちゃって、若いっていいわね、…明里ちゃんをここまでメロメロにしてる直樹くんって子見てみたくなっちゃった!今度うちに連れて来なさいよ」
「えぇ!?うち!?そんなの無理でしょ!」
母の突拍子もない提案に驚いている望美。
「ほら休み明けしばらくしたらテストあるでしょ?勉強会しようって誘えば大丈夫じゃない?」
「勉強するならうちの部屋ってことになるじゃん!」
「片付けしたら良いだけでしょ!はい!決定!明里ちゃんから誘いの連絡よろしくね。」
「な、直樹くんと勉強会……いい…いいですね!久美さん!私誘います!」
とやる気満々な私とは違い、「協力するとは言ったけど、うちの部屋なんですけど…」とガックリと肩を落としている望美だった。




