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ずっと片思いだった女子が同じクラスになった途端グイグイ来るんですけど  作者: ナミツキ


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29/98

29話

次の日の朝、ゴールデンウィーク初日。


まだ日も明けてない時間に両親が旅行に出発するので見送るために早く起きた。


「じゃあいってくるわね。」

「リビングに食費は置いておいたからあとは頼んだぞ直樹。」

「わかったよ、気つけて行ってらっしゃい。」

「「行ってきます」」


2人を見送り、リビングの食費を取り部屋に戻って寝ようと思ったのだが、頭の中が今日のことで一杯になり全然寝られない。


…緊張してきたなぁ…

ベットに横になるものの、寝れそうな気配は無い。

ゴロゴロしていると窓の外が明るくなってきた。


結局寝れなかった…ヤバい…


キッチンに行きとりあえず朝食を冷蔵庫にあるもので簡単に済ませる。


まだまだ約束の時間には充分時間があるので、部屋でのんびり過ごすことに


10時頃になったとき、「コンコン」とノックの音が聞こえ、俺の部屋のドアをあけ、大きめのカバンを持った姉ちゃんが来た。

「私そろそろ出るよ、5日まで帰ってこないと思うから戸締りよろしく。」そう言ってドアを閉めて出掛けて行った。



…そろそろ俺も出る準備しようかな。

部屋着から外用の服に着替え、諸々の準備を終えると西條さんを迎えに行くのにちょうど良い時間になっていた。


財布とスマホをポケットに入れ、家を出ようとした時

ご飯…セットしといたほうがいいよな…

そう思い炊飯器にお米をセットして予約しておく。


諸々の準備を終えて西條さんに《今から家でるよ。》とLINEを送り玄関を出た。


西條さんの家に近づくにつれ、昨日の言葉を思い出してだんだんと緊張してきた。


西條さんの家が見えたぐらいで《もうすぐつくよ。》とLINEを送る。

それからすぐに《わかった!今から出るね!》と返事が来た。


家の前に着くとちょうど西條さんが玄関から出てきた。


「こんにちは!直樹くん!」

笑顔で挨拶をくれる。

「こ、こんにちは、今日はよろしくお願いします。」



黒地のロンTに細めのジーンズというラフな格好の彼女の手にはエコバッグが握られていた。

「バック俺が持つね。」

と手を差し出す俺に

「ありがとう、じゃあお願いしよっかな!」と言いながらエコバッグを渡してくれた。


2人で近くのスーパーに向けて歩き出す。


「そういや千晴から連絡来て、5日昼前から集合でみんなで昼ごはん食べてからラウンドワン行くみたいだよー、藤岡くんから連絡きた?」

「いや、まだなにも連絡きてないよ、結構ガッツリ遊ぶんだね。」

「千晴体動かすの好きだからねー」

「瑛太も運動系は得意そうだし」


その後も5日のことを話しながら歩く俺たち。


スーパーに着きカートを俺が押しながら食材を買うことに、先ずは野菜コーナーから

「とりあえず必要な物入れていくね!」

そう言って西條さんは玉ねぎ、ピーマン、ニンジン、レタス、トマト、キャベツ、ジャガイモなどをカートに入れる。

…何作るのかな。

今の段階では何も分からない。


次はお肉コーナーへ。


鶏肉、牛肉ミンチなど、必要なものを入れ

「調味料系はお家の物使ってもいいかな?」と聞かれて

「うん、よっぽど変わった物じゃなければ家にあると思う」

「おっけー!じゃあ後は卵ぐらいかな」


…周りから見たらカップルに見えてるよな…流石に兄妹には見えないだろうし…

と周りの目を気にしてしまう俺。


そんなことを考えながら後をおった。


卵をカゴに入れ「よし、とりあえずはこれでオッケーかな!直樹くんは何か食べたい物あるかな?」

「DVD見る時に何かお菓子でも食べない?」

「おっ、いいねっ!選びにいこう!」

そう言ってお菓子コーナーへ行くことになった俺たちはポテチなどのお菓子を選びレジへと向かう。


お金を払い、レジの後ろでエコバッグに食材を詰めていると隣の小柄で可愛らしいおばあちゃんが「あらあら、仲のいいカップルね。」と西條さんに話しかけてきた。

顔を赤くしながらも「そう見えました?ふふ、ありがとうございます。」と否定せずに答えた西條さん。


隣で聞いていた俺は

カップルってとこ否定しないんだ…

と驚き、西條さんを見た。

そんな俺と目が合った西條さんは微笑むだけで、食材をバッグに詰める作業を続ける。

詰め終わり俺がバッグを持った時にまたおばあちゃんが「優しい彼氏さんでいいわね」

とまた話しかけてきた。

「はい、いつも優しい素敵な人なんです!」

そう言っておばあちゃんに会釈をして歩き出した西條さん、俺もおばあちゃんに会釈をし西條さんとスーパーを出た。



家へと歩いてる途中西條さんがさっきのことを話し出した。

「さっきのおばあちゃん可愛かったね!私たちのことカップルだと勘違いしちゃって!」

「そ、そうだね、明里さん否定しなかったから…」

「まぁわざわざ否定することないかなって思って」テヘっと笑う。

…まぁあのおばあちゃんにまた会うことも無いだろうしいっか。

と俺はとりあえず流すことにした。



家に着いた2人。

俺は「いらっしゃい、どうぞ」といって玄関を開ける。

綺麗好きな母さんのおかけで家の中はいつも綺麗に掃除されている。


「お、お邪魔します…」緊張している西條さんに

「キッチンはこっちだよ」

と、案内する。


キッチンに着き、昼に使う食材以外を冷蔵庫にしまおうとする俺たち。

「私が冷蔵庫開けても大丈夫かな?」

「え、うん、大丈夫だとおもうよ。」

「じゃあ失礼します…」と冷蔵庫を開ける西條さん。

しっかりと整理整頓された冷蔵庫の中を見て「うわぁ凄く綺麗に整頓されてるんだね!!」


「母さんが几帳面な性格だからかな、気にせずに使えそうな物があったら遠慮なく使ってね」

自分が整理してるわけででは無いけども少し照れ臭くなり頬を掻きながらそう言った。


材料をしまい直し早速料理に取り掛かる西條さん。

「炊飯器の中ってご飯ある?冷凍があるなら冷凍でもいいけど」

「大丈夫だよ、家出る前に炊飯器セットしといたからご飯はあるよ」

そう言いながら包丁、まな板を準備する。

「ここにフライパンとかあるから使ってね。なにか必要な物があれば言ってくれたら用意するから」


「ありがとう、じゃあ早速お昼ご飯作るねっ!」

そう言ってニンジン、玉ねぎ、ピーマンを洗い、慣れた手つきで皮を剥き、手早く細かく刻んでいく、最後に鶏肉を一口大に切り

「とりあえず包丁とまな板はもう使わないから洗ってくれるかな?」

手際の良さに見惚れていた俺はハッとして、「う、うん、分かった」といって洗いだした。


「バターとケチャップとマヨネーズ借りるね、あとボウル出しといて欲しいな」と言い冷蔵庫から出して、フライパンを火にかける。


野菜をフライパンに入れ火が通ったぐらいで鶏肉も入れ全体に火が通ったところで塩胡椒で味を整える。

炊飯器からご飯を2人分より少し多めにフライパンに入れて、ケチャップを投入する。


チキンライスが完成し、いったんフライパンを火から下ろす西條さん。

「平べったいお皿出してくれるかな?」

俺が出したお皿にチキンライスを盛る。


「卵多めがいい?」

「オムライス?」

「さすがにわかっちゃうよね!そう、卵どうする?」

「んー多めでお願いします。」

「オッケー!」

そういいボウルに卵を3個割りマヨネーズを少し入れかき混ぜる。


「小さめのフライパンあるかな?」

「確かあったと思う」

と言いながら調理器具が入っている引き出しの中を探した。


「あったよ、これぐらいでいいかな?」

と小さめのフライパンを見せる。


「うん、ちょうどいいよ、ありがと。」

フライパンを受け取り、バターを一欠片いれ火にかけて溶かす。


だいたい溶けたところで卵液を入れ手早くかき混ぜ形を整えるとあっという間に綺麗なオムレツが出来上がった。


それをチキンライスの上に乗せ、包丁でサッと切れ目を入れるとパカっと綺麗に開いた。

「よかった、ちゃんと出来ました!」

お店で出てくるようなオムライスが出来上がった。

「すごっ!めちゃくちゃ料理上手なんだね!」

「ありがとっ!自信はあったんだけど、緊張してたから上手くできるか不安だったんだ」

と照れているようだ。

「もう一個も作っちゃうね」といいパパッともう一つ作る西條さん。


大きめのオムライスと小さめのオムライス、大きめの方のオムライスを指差して

「こっちが直樹くんで、文字は私が描くね!、私の方は直樹くんが描いて!」といいながら自分の分のお皿を渡された。

「私はあとで描くから直樹くんテーブルで書いて待っててね!」

そう言われてケチャップを渡され、なんて書けば良いか悩んだ俺は、オムライスで定番と言えばハートだと思い、思い切ってハートのマークを書いてみた。

…緊張して少し歪になってしまった。


体で西條に文字が見えないようにしてケチャップを渡す。


俺が歪なハートを書いている時にパパッとレタスとトマトのサラダを作っていた西條さんにサラダを渡され

「私も直樹くんの分描くから座っててね!」

と言われ大人しく席に着く。


少しして「おまたせ!」とテーブルにやってきた。

「はい、どうぞ!」と渡されたオムライスにはハートの文字が描れていた。


「と、特に意味はないからね!オムライスの定番と言えばハートかな?って思っただけだからっ!」

「そ、そうだよね!う、うん、まぁ俺もハート描いちゃったし。」

そう言ってオムライスを見せた。


「あれ?ふふ、ほんとだ、2人で同じことしてたんだね」

「はは、まぁ定番の模様だから…ね。」


2人とも顔を紅くしながら笑い合うのだった。



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