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ずっと片思いだった女子が同じクラスになった途端グイグイ来るんですけど  作者: ナミツキ


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26話

月曜日になり、いつものように西條さんと一緒に登校する。


教室に入るともうすぐ始まるゴールデンウイークにみんな少し浮ついた雰囲気だった。


自分の席に座ると、後ろから「直樹おはよー…」となにやら朝から沈んだ声が聞こえた。

「おはよう、なんか涼也元気ないじゃん、どした?」

ゴールデンウイークを誰よりも楽しみにしてそうな涼也が沈んでることに驚いた。


「それがさぁ…連休全部部活になりそうなんだわー、総体に向けて監督が気合い入っちゃって…」

「あぁ、8月ぐらいで3年は引退だからなぁ」

「今のメンバーとサッカーできるのも後ちょっとだからな、これからは部活漬けだなぁー」


「まぁ頑張れ!とりあえず涼也の分も連休楽しむわ」

「おー」

と言って机に突っ伏してしまった涼也


まだ少し時間があり、暇になったので西條さんのほうを伺うと、新山のグループが西條さんの席に集まっていた椎名さんと伊勢さん西條さんの3人に絡んでいるのが見えた。


聞き耳を立ててみると、ゴールデンウイーク中に一緒に遊びに行こうと、新山が西條さん達を誘っているようだった。

3人は断っているようだが、それでもしつこく誘い続ける新山の声が聞こえて来た。

「いいじゃん、俺らと遊びに行こうぜ!」

「忙しいから無理って言ってるでしょ!」

「連休中の1日ぐらい空いてんだろ!」

「いやいやいや、ウチらさっきからずっと断ってんのにちょっとしつこくない?」

なおも食い下がる新山に次第にイライラしている様子の椎名さん。

伊勢さんは「まぁまぁ千晴一旦落ち着こ?」となだめている。


「私ら新山君たちと遊ぶ気ないし、これ以上誘われても迷惑だからいいかげん自分らの席戻れば?」

そう冷たく言い放つ西條さん。


完全に拒否された新山はたじろぎながら「そ、そうかよ!」と言って怒った様子で自分たちの席に戻っていった。


「もぉーほんとしつこい!」

「ありがとう明里ー」


新山達とのやり取りを見ていた俺は『明里さん全然雰囲気ちがうなぁ』と他の男子には冷たい西條さんを見て思う。

そのままボーッと見ているとふと西條さんがこっちに振り向き目が合った

するとすぐに俺のスマホが震えた。確認すると西條さんからのLINEだった。

《さっきの見てた??》

《新山たちのこと?》

《うん、そう》

《みてたよ、しつこく誘われるのってよくあるの?》

《遊ぼうって誘われることはたまにあるけど、あそこまでしつこいのは今まで無かったかな》

《ちなみに!今まで誘われて遊んだことなんて無いからね!!》

《何回も断られてるのにまだ誘うってすごいね。》

《何回誘われても遊ぶつもりなんてないから迷惑なだけなんだけどね!》


LINEでそんなやり取りをしていると、佐々木先生がやってきてホームルームが始まった。


ーーーーーーーーーーーーーーー

昼休み


給食を食べ終わりトイレに行きたくなってきた。

トイレを済ませ、教室に帰っていると「あの…三津島先輩、ちょっといいですか?」

と声をかけられ振り向くと知らない女の子が立っていた、制服のリボンの色からして2年生だと思われる。

…誰だろう…

「少しお時間いいですか??」

教室に帰るだけだった俺は、「え、あ、うん、大丈夫だけど…」と返事をする。


「初めまして、私2年美化委員の伊藤 咲希(いとうさき)と言います。聞きたいことがあるんですけど、今三津島先輩って付き合ってる人いますか?」


「い、いや、いないけど…」

「よく西條先輩と一緒に居るじゃないですか、でも別に付き合ったりはしてないってことですよね?」

「そうだよ、と、友達…かな?」

「わかりました!今三津島先輩はフリーなんですね!!」

「フリー…う、うん、まぁそうなるかな」

顔を近づけて話してくる伊藤さんにタジタジになる。


「お時間ありがとうございました!」

「え、え?」

ペコリと頭を下げ走り去っていく背中を唖然と見送る事しか出来ないのだった。

いきなりなんだったんだろう…


そう不思議に思いながら教室に戻る俺を、1人の人物が見ていたことは全く気づかなかった。


ーーーーーーーーーーーーーー



放課後になり帰ろうとしたところに、西條さんからLINEが来た。

《今日一緒に帰らない?》

西條さんの席を見ると、周りにバレない程度に小さく手を振っている。

急いでLINEを返す。

《うん、いいよ》

送ったLINEが既読になると、西條さんが席に近いてきた。

「じゃ帰ろっか!」

「え!?う、うん」


周りの生徒たちは西條さんの行動に「え、2人ってそういう関係?」「朝も一緒で帰りもって…」「この間も一緒に帰ってたし…」と小声で盛り上がるのが聞こえる。


「ほら、早く行こうよ!」

と俺の袖を持ちグイグイと引っ張る西條さん。

「ちょ、ちょっと()()()()!」

とっさに出てしまった名前呼びにまたも反応している周囲の人たち。


袖を持ったまま歩く西條さんに引っ張られる形で歩いていく。

そのままグラウンドまで出た西條さんは周囲を見渡した後、いきなり腕を組んできた。


ちょ!当たってるんですけど!!


それなりに発育の良い西條さんの胸が、俺の肘にふにゅふにゅと当たる感触に顔が熱くなる。

アタフタとしながらも「どうしたの!??」と声を掛けるが西條さんから返事は無く、そのまま腕を組んだ状態で校門をくぐる。


「はぁー…」という声と共に腕が開放された。

「あ…」と少し名残惜しそうな声を漏らしてしまった俺に

「急にごめんね!嫌だったよね…どうしても直樹くんと腕組んでみたくて!」

照れながら顔を赤くして話す西條さん。

「ぜ、全然!嫌じゃなかったよ!驚きはしたけど…う、嬉しかったといいますか……」

途中から胸の感触を思い出しゴニョゴニョと話す俺だった。


それから2人で家の方向に歩きながら少ししたとき

「今日この後直樹くんは暇かな?」

「特に予定はないよ、どこか寄りたいところでもあるの?」

「うん、今度直樹くんの家お邪魔するでしょ?その時用になんかDVDでも借りとかない?」

「全然いいよ、明里さんはどんな系のが見たいとかあるの?」

「えっとねー、怖いヤツよりかは楽しい方がいいかなーって」


と、先ほどまでの照れた空気感が無くなりワイワイと話しながらレンタルビデオショップへと向かう2人だった。

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