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18話

次の日の朝

いつも通り西條の家の前で合流し一緒に登校し、教室の中まで一緒に入ると、クラスメイトが三津島のことをみて驚き固まる。


髪をセットし、野暮ったいメガネをコンタクトに変え、完全にイケメンへと変貌した姿に誰も声をかけれないほどである。

「じゃあね!」「うん」と西條と別れ三津島が自分の座ったところでようやくクラスの男子が声をかける。

「み、三津島だよな??」

「そうだよ、おはよう。」


「え、変わりすぎじゃね??」

「誰か分からんかったって!」

「人って髪型とメガネでこんなに変わるもんなんだな…」

と次々と声をかけてくるクラスメイト。


遅れて登校してきた涼也は三津島の変貌にそんなに驚かなく、「やっとかよー直樹ぃー」と肩をバンバンと叩いてくる。

「やっとってなんだよ。」

「いやーずっとさ、素がいいのに勿体ねぇなぁと思ってたんだわ!」

と笑いながら応える涼也。

そこに、瑛太もやってきて、「すげぇな直樹、爽やかイケメンじゃん、ちょっと俺にも爽やか成分分けてくれよな」

そう冗談を言い笑いながら自分の席へ帰って行った。


キョロキョロと周りを見渡し『ちょっと外見が変わるだけで、周りの反応変わりすぎじゃね??』

自己評価が低い三津島は、自分がイケメンになっているという意識は無い。


そのころ西條の席では

望美が西條に

「明里ー!前に私が言った通りだったよ!!!髪型とメガネが変わるとイケメンだって!!!ほら!!!」

と三津島のほうを指差す。


「たしかに、こりゃエグい、ギャップすご過ぎ…ライバル急増じゃん。うかうかしてたら取られちゃうぞー」

とニヤニヤしながら千晴も続く。


「もーライバルってなに!!そ、そんなの私に関係ないでしょ!!」

『近づこうとする女子出てきそうだなぁ…』

頭の中ではそう考えながらも、イジってくる2人に言い返す西條だか、顔を赤くしながら話すその姿は説得力など無いのであった。


ーーーーーーーーーー

昼休み


イケメンがいるという噂が広まるのは早いもので、廊下からチラチラと三津島の事を見てくる女子が増えた。

廊下を通り過ぎてしばらくすると「キャーキャー」と友人達と盛り上がる女子。

その姿を見ていた西條は自分では気づかないが、ムスッとした表情になっていた。


「明里ーイライラした顔になってるよー」

千晴に言われた西條はキッと千晴を睨む。


「なってない!」

「なってるなってる、そんなに三津島の事が気になるのかなー??」


「だから、別に三津島くんがカッコよくなったからって、私には関係ないことでしょ!!」


「そっかそっか…じゃあ私三津島にアタックしちゃおうかなぁー」

「ダメっ!!」

顔を赤くして焦ったように言う西條。

「あれぇーなんでダメなのかなぁー???」

ニヤニヤした顔で聞いてくる千晴に


「と、とにかく!ダメ!ダメなの……」

そう言って俯いてしまった西條を見て

『あちゃーちょっとやりすぎたかな…』

「ウソウソ!私もっとガッチリした漢って感じの人がタイプだし!!ごめんごめん冗談だって!」

ここまで反応するとは思ってなかった千晴はすぐに謝る。

「まぁ許すけど、あんまり揶揄わないでよね!」

とりあえず許してくれた西條にホッとした千晴だった。


ーーーーーーーーーー

放課後


三津島が帰ろうとした時、スマホに西條からLINEの着信が。

《今日よかったら一緒に帰らない??》

すぐに西條の席の方を見ると、笑顔で手を振っている。

最近朝は毎日一緒に登校しているが、帰りはいつも別々だったため、驚く三津島。

《いいよ。学校出てから待ち合わせする?》

2人で教室から出ると、あらぬ噂で西條に迷惑がかかると思いそう提案する三津島。


「三津島くんかえろっか!」

西條からの返事を待つためにまだ自分の席に座っていた三津島は声を掛けられ横を見ると、隣に立っている西條の姿。


まだ他のクラスメイト達がいる場所で、西條の大胆な行動に驚く。

「う、うん。」

そう言ってカバンを持ち立ち上がり、揃って教室を出る2人。


三津島と西條が一緒に帰る姿をクラスメイト達がみて唖然とする。

2人が帰った後の教室では、「え?」「あの2人朝も一緒に来たよね??」「まさか付き合ってるとか無いよねー!?」

そんな話で盛り上がっていた。

そんな中イライラした顔の男子生徒が1人、2人が出ていったドアを睨みつけていた。


ーーーーーーーーーー

帰り道


「三津島くんのイメチェンした姿見たみんなの反応凄かったね」と少し不機嫌に言う西條に

「う、うん、髪型とメガネ変えただけなんだけどね」

苦笑いしながら話す三津島。

「前まで誰も気にもしなかったくせに……」

と小さく溢す西條の声は三津島には聞こえなかった。


「せっかくだし、寄り道して帰ろうよ!」

西條の急な提案に

「いいけど、俺学校帰りに寄り道とか本屋ぐらいしかした事なくてどこに行けばいいか……」

友達がいなかった弊害でどこに行けばいいか分からない三津島。


「じゃあクレープ食べに行こうよ!甘いもの好き??」

「甘いものは好きだよ?」

「よし!じゃあ行こー!」

さっきまでの不機嫌な様子はどこへやら、楽しそうな雰囲気になった西條に一安心の三津島。

「ほら!はやくはやく!!」と歩くスピードを上げた西條に歩調を合わせる三津島だった。










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