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14話

他のメンバー達と解散した2人は

「じゃ私らも帰ろっか」

と笑顔で歩き出した西條に続き歩き出す三津島。

「三津島くんめちゃくちゃ歌上手いんだねー衝撃だったよー」

「ありがとう、実は友達と行くの初めてで、かなり緊張してたんだ。」

頬を掻きながらいう三津島に


「えぇーあれで緊張してたの!?!?めっちゃ上手かったよ!!」

と興奮気味に聞き返す西條に


「ほんとほんと、手の震え隠すのに必死だった。西條さんはあんまり歌わないの??」

そう聞くと

「少ない人数の前なら普通に歌えるんだけど、大勢の前だと緊張しちゃうから…」

恥ずかしそうに言う西條

「たしかに、6人でカラオケってかなり緊張するよね。」

結局今日は歌わなかった西條、西條の歌が聴けると内心ドキドキしていた三津島は少しガッカリしていた。


隣を歩いていた西條が立ち止まり、両手の指をモジモジとさせながら

「こ、こんどさ、よかったらさ、カラオケ…行く…?あの…ふ…2人で…」

と上目遣いで聞いてきた。

その姿と言葉を聞いた三津島の顔は真っ赤になって胸の鼓動は早くなり、心臓の脈打つ音が耳まで聞こえてくるほど強くなった。


「い、いいの…?俺と2人でって…」


「うん、三津島君とならいいかなって……」

「じゃ、じゃあお願いします…」

お互い顔を赤くしながら約束をする2人

「いつ行こっか…」

「西條さんの都合のいい日で大丈夫だよ、基本的に俺は暇だから。」

また歩き出しながら予定を組む2人。


「じゃあ来週の土曜日とかどうかな?今週の土日は千晴と望美と予定あるから。」

と、休日に行こうと誘ってくる西條に

『休みの日!?!?てっきり学校帰りかと思った…で、デートみたいじゃん!!!』

心の中ではテンパっていた三津島だか、なんとか平然を装い

「わかった、じゃあ来週の土曜日ね。」

すると

「ついでにご飯でも食べてからいく?」

とますますデートらしい提案をしてくる西條。

もう心が一杯で何も考えられない三津島は

「じゃあ昼ごはんもどっかで食べてから行こう」

と何も考えられず返事をする。


「じゃあ約束!送ってくれてありがとう!またLINEするね!」

気がつくとちょうど西條の家の前まで来ていた。


「う、うん、またね。」

と西條を見送り歩き出す三津島。


自分の家に着くまで『どうしよう…どうしよう…どうしよう…』としか考えられない三津島だった。



ガチャ

「ただいまー」

家にかえってくると。

「おかえり、先にご飯食べる?」

と聞いてくる翔子に

「いや、先にお風呂はいるよ、汗かいたし。」

といい自分の部屋にカバンを置き、着替えを持ってバスルームへ


風呂が終わりキッチンへ行くと

「ちょうどおかず温め直したから食べちゃいなさい。」

と翔子がご飯を出してくれた。


「いただきます。」

ご飯を食べているとリビングに姉が入ってきて

「直樹ー今週の土曜日朝から予定空けといて。」


「なんで?姉ちゃんが俺に用事なんて珍しいな。」

「いいから、悪いことにはならないから黙って空けとく!!」


急なことだが来週なら断ったけど、今週は何もないため「へいへい、わかりましたよ。」と了承しておく。


ご飯も食べ終え自分の部屋に帰ってきた直樹は、来週のことを考え大いに悩んでいた。

『服ってなに着たらいいんだ??髪の毛もなんとかしなくちゃ、このままじゃ西條さんと2人きりなんて無理だ…』

『この際姉ちゃんにでも相談するか?いや、バカにしてきそうだしな…』

そう考えながら自分の持っている服を部屋に並べる。


『………………ダサすぎる、改めて見るとこんなダサい服しか持って無かったのか……ヤバい……どうしよ』


ガチャ

そこに姉が部屋に入ってきた。

「ノックぐらいしろよなー」

「したわよ!返事しないあんたが悪いんでしょ!」


「で、急にどうしたんだよ。」

「いや、土曜日に空けといてって言ったけど、あんた他所行きの服なんて持ってたのかと思って聞きにきたのよ。」


と言い部屋を見回す優子

「え………ダサ…」

部屋に並べられている服をみて一言。

「とりあえず土曜日どれ着て行こうと思ってた??」

と顔を引き攣らせながら聞いてきた。


「とりあえずこれかなー」

そう言いながらジャージを取り出す直樹に

「嘘でしょ、私と歩くのにそんなクソダサいジャージなんてやめてよね!」

そういいながら部屋を歩き服を選ぶ優子

「とりあえず清潔感って大事だから、これと、これ!」

そういって無地の白いTシャツに水色のシャツを手渡してきた。

「それにデニムでも履いときゃいいわ。」


「おお!なんとなくお洒落に見えるわ!サンキュー姉ちゃん。」

「じゃあ土曜日忘れないでよね。」


そう言って自分の部屋に帰っていった優子。


『土曜日なにするんだろう』

そう思いながら服を片付けているとLINEの通知が

《今日は楽しかった!来週楽しみにしてるね!》

と可愛いスタンプとともに西條からのメッセージ


《俺も楽しかった。ありがとう。来週よろしく。》

悩みつつも返事を返した直樹はベットに横になり、今日はもう寝ることにした。







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