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13話

カラオケ店に着いた3人


「おーし、とりあえずフリータイムでいいよなー?、学割もあるし。」

受付で店員さんと話していた涼也から確認の声が。

「おう」

「いいよ」


2人とも返事をし、部屋を決めている間に三津島は母にLINEを送る。

《友達と遊んで帰るから家に帰るの遅れる。》

すぐに《わかった。遅くなりすぎないようにね!》

との返事が来た。


「部屋107号なー!トイレ行くから先に行っといてー!俺コーラで!」

トイレに向かう涼也。


「わかったー俺らもドリンクバー寄ってから行こうぜ直樹」

「おっけ」


途中自分たちのドリンクバーを注ぎ、部屋に到着した2人。


『何歌えばいいんだろう…』

子供の頃に来た以来の三津島が悩んでいると、

「曲入れていいか?」

と、瑛太が確認してきた。


「全然いいよ!カラオケ来るの久しぶり過ぎて何歌えばいいかわかんなくって。」


「流行の歌とか自分の好きな歌適当に入れりゃ大丈夫だって。」

そう言いながら曲を入れていく瑛太。


『まぁそうだよなぁ…とりあえず気楽にランキングから知ってる歌でも入れよう。』


瑛太が入れた曲が流れ始めた時にトイレから涼也が帰ってきた。

「飲み物サンキューな、1番は瑛太か、いいもんが聴けるぜー、直樹、良く聞いとけよ」

と笑いながら言う涼也。



歌い終わると、

「どうよ!めちゃくちゃ音痴だろ?」

と笑顔で聞いてくる瑛太。

「相変わらず最高だな!」腹を抱えソファを転がりながら爆笑してる涼也。

正直な感想を言って良いものかと、悩んでいると、

「気使わなくても大丈夫だぞ、音痴だってある意味才能だろ?自覚して思いっきり歌って楽しんでんだからさ」

楽しそうに言う瑛太。

「それにコイツはいつもこんな感じで爆笑してるし」

と涼也を指差す。


「下手だろうが上手かろうが楽しむのが1番大事じゃん?まぁ気にせずに楽しもうぜ」

涼也はそう言うと自分も曲を選び始める。


『いい奴らだなぁ…これなら下手でもいいか…』

そう思いとりあえず最近流行りの歌を入れる三津島。


そして、三津島が歌い出すと涼也と瑛太が驚いた顔で凝視してきていることに気づく。


『あんまし歌うこと自体慣れてないけど、変だったかな?』

などと考えながらも自分の曲を歌い終わると


「直樹うますぎ!!」

「やべぇな!プロじゃん!!」


2人からの称賛を受け、一安心の三津島。

それからは3人でワイワイとした時間を過ごした。


1時間ほどが経過した頃、

「ちょっとトイレ行ってくるわ」

立ち上がりトイレへと向かう三津島。


カラオケ店の廊下を歩いていると、キャッキャとした女の子たちの声が聞こえる。

前を向くと女の子3人の姿が目に入った。

伊勢いせ 望美のぞみ

椎名しいな 千晴ちはる

西條さいじょう 明里あかり

のグループだった。


驚いて固まっている三津島に3人が声を掛けてきた。

「あれー三津島じゃん、こんなとこで会うの珍しいねー誰と来てんの??」

「どもー」「三津島君カラオケとか来るんだねー」

「り、涼也と瑛太の3人できてるよ。」

緊張しながらもなんとか返事をする三津島に

「ほうほう、ちな部屋どこ??」

イタズラを思いついた顔で聞いてくる望美

「えっと、107かな…」

「107ね、オッケー!」


そう言いながら自分たちの部屋に向かうため立ち去っていく3人


『こんなとこで会うなんてビックリしたぁ…』

用を足し終わり自分の部屋に戻る三津島。


「直樹ーさっき廊下で伊勢らと会ったんだろー?

伊勢からLINEが来て、後でこの部屋に遊びに来るってよー」

誰とでも仲良くなれる涼也は、クラスでの交友関係は広く、ほとんどのクラスメイトの連絡先は知っている。

『伊勢さんが来るってことは西條さんも来るのかな??』

そう考え、ソワソワしながらしばらく時間が経つと


ガチャ


「どもーおじゃましますねー」

と言いながら女の子3人が部屋に入ってきた!!

「ほれほれ男子!席詰めて詰めてー」

そう言いながらソファに座る望美。


6人ぐらいなら座れるL字のソファがある広めの部屋だったこともあり、全員が座ることができた。


1番端に座っている三津島と反対の1番端にちょこんと座っている西條とが目が会うと、西條が三津島に微笑みながら小さく手を振ってきた。


それをみた瑛太が涼也に小さな声で

「え?どゆこと??涼也!西條笑ってんぞ!どゆこと??」

と耳打ちすると、涼也が

「たぶん、そういう事なんだと思うぜ、直樹は全然気づいて無さそうだけどな」

そう返事をし「当人同士の話だから本人には言うなよ、応援はするけど。」

と続ける。


「さて、男子たちーなんか歌ってよー」

と千晴が言い出し、

「オッケー1番手行かせてもらいまーす!」

威勢よく瑛太が手を挙げる。


とりあえず全員が分かるように、流行りの歌を入れ、一曲歌い上げる瑛太

またも爆笑する涼也に反応に困る女子たち

「めっちゃ音痴だろ?全然笑ってくれていいぞーその方が俺も楽しいし」

そう笑いながら言う瑛太に、千晴は笑うのを我慢仕切れなくなり

「藤岡やばぁ!!清々しいほどの音痴じゃん!!」

笑いながら言う千晴


「じゃあ次女子なー」


「了解です!千晴歌おうぜい!」

望美が千晴に言う。

「おけおけ、何歌うー?」

とキャッキャしながら曲を決め、これまた流行りの歌を歌う。


「おおー!上手いじゃん!」

と涼也が言う

「ウチらのカラオケ聴けるなんて最高でしょ!」

とみんなで楽しそうにしていると、三津島の携帯が震える。

《三津島君は何か歌うの?》

西條からのLINEだった。


《普段カラオケなんて来ないから何歌えばいいかわかんなくて》

苦笑いの顔文字を入れ返信する。


《こないだ買ってた漫画のアニメの歌歌ってよ!私アニメ見てみたんだ!」

『本屋での話覚えてたんだ…』

《わかった、入れてみるね。》


「次曲俺入れても良いかな??」


「おっ、直樹いけいけ!」

デンモクを三津島に渡す涼也。


イントロが流れると、ちらほらと周りから「これ知ってるー」「あぁあの流行ってるアニメのー」と聞こえてきた。

三津島が歌い出すと、全員が聞き惚れる。

一曲歌い終わりマイクを置くと

女子からは

「やっば……うま過ぎ……」

「三津島本当はプロでしょ……」

「うわぁ………」

涼也からは「どうだよ、うちの直樹は」と胸を張られ

瑛太からは「やっぱうめぇなー」と褒められた。


また西條からLINEが届き

《めちゃくちゃ上手!声綺麗だね!!》

《やばい!すごい!めっちゃ感動した!》

素直に褒められて思わず西條の方を向くと、キラキラした瞳でこちらを見ていた西條と目が合い照れ臭さで思わず下を向いてしまった三津島。

スマホを操作して

《ありがとう》

そう返事するのが一杯一杯の三津島。


・・・・・・・・・・・



なんだかんだ楽しい時間はあっという間に過ぎて、そろそろお開きの時間に。


「じゃあそろそろ帰りますかー」

と涼也が言うと

「そだねー結構良い時間になっちゃったねー」

望美もそう続く。


「じゃあ店でて解散しますかー」


会計を済ませ店をでた6人。

「楽しかったねー」

「たまには大勢でカラオケもいいねー」

そう言いながらはしゃいでる望美と千晴。

「じゃ、俺と瑛太こっちだから、同じ方向のやついるー?

そういって手を挙げる涼也。

「私もそっちー」

「うちも途中までそっちだわ」

千晴と望美が手を挙げる。


「直樹と西條さんだけそっちねー、直樹ーもう暗いからちゃんと送れよーじゃあなー」

と解散していく6人だった。









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