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12話


教室に着くと、時間が早いためいつもより少ないクラスメイト。


「じゃあ三津島くん、またね!」

笑顔でそう言い自分の席へと向かう西條。

「う、うん、じゃあ。」


クラスでも陰キャな三津島と、かたやクラスどころか学年でもトップクラスの可愛さの西條。

その西條が男子に笑顔を向けていたことを見ていたクラスメイトはみんな不思議そうな顔をする。


自分の席に座っていた三津島のところに1人の男子生徒が近寄ってきた。

「おい、三津島、なんでお前と西條が仲良さそうなんだよ」

とクラスの男子カースト上位である新山にいやま 将吾しょうごが話しかけてきた。


普段話しかけられたことが無い相手に驚きながらも

「別に、同じ委員会だからちょくちょく話すぐらいだけど?」

そう返す三津島。

「あんまし調子にのんなよ、お前と西條じゃ釣り合ってねーかんな。」

そう言いながらズカズカと自分の席へと帰る将吾


『言われなくても俺なんかじゃ相手にされないのぐらい自分でわかってるよ…』

改めて他人から言われて落ち込む三津島


「どうした直樹、暗い顔して。」

登校してきた涼也に声を掛けられる。

「あぁ、おはよう涼也、さっき新山に突っかかられてさ。」

なおも暗い顔で話す三津島に

「…さては西條関係だろー?あいつ西條のこと好きって話だからなぁ。」


いきなり話の内容まで当てられるとは思っていなかった三津島は驚きながらも

「なんでわかったんだ??まだ西條さんのことだって言ってないのに」


「いやぁ、最近の直樹と西條って仲いいじゃん。あの西條が男子と笑ってるとこなんてまず見たことないし。はたから見てる俺ですらなんかあったんかなぁ?っておもうわ」

涼也に苦笑いとともにそう言われ、


「別にそんな仲よさげかな?」

と返す三津島に


「お互いたまにチラチラ目合わせてんじゃん、まぁ新山の嫉妬だろうぜ、ほっとけほっとけ。」

気にするなと肩を叩きながら自分の席に座る涼也。


『まぁそうだよなぁ、気にしてもしょうがないか…』


なるべく気にしないように、1日の始まりのチャイムを待った。



・・・・・・・・・・


放課後になり帰る準備をしていると、後ろの席の涼也が

「今日部活ないんだよねー帰りにどっか寄ってかね?」

そう声を掛けてきた。


「あぁいいよ、どうせ帰っても暇だし」

「オッケー他にも誰か声掛けてくるわ!」

と、社交性の高い涼也はまだ教室に残ってるクラスメイトに声を掛けに行った。


『この機会に他の男子とも仲良くなれればいいなぁ…』

友達を増やしたいと思っている三津島はそんなことを考えなから涼也が戻ってくるのを待った。



「1人連れてきたぜ!いきなり大勢で遊ぶのも直樹がしんどいだろ?」

と、涼也が連れてきたのは

クラスでも厳つい顔つきでガッチリした体型の藤岡ふじおか 瑛太えいただった。


「お?三津島君も一緒なん?よろしく。」

そう言いながら握手を求めてきたので手を握り返しながら

「こちらこそよろしく、藤岡君。」


その様子を満足そうな顔で見ながら涼也が瑛太の顔を指差しながら三津島に

「瑛太は顔は恐いけどめちゃめちゃいいやつだからさ!仲良くしてやってよ」

とケラケラ笑いながら言う。


「顔のことは余計だろ!ま、これから仲良くしようぜ。俺の事は下の名前で呼んでくれよな。」


「わかった、俺も直樹って呼んでくれ。」


「挨拶も済んだことだし、カラオケでも行かね?ドリンクバーもあるし」


涼也がそう提案してきた。

『カラオケなんて小さい時に家族で行った以来だ…大丈夫かな?』

内心ドキドキしていると、


「カラオケかーいいね!俺のめちゃくちゃな音痴具合を聞かせてやるわ」

とノリノリで賛成の瑛太。


「わかった、でもほとんど行ったことないから笑わないでくれよ。」

せっかく仲良くなれそうだから断るのも申し訳ないと思いとりあえず賛成する三津島。


「よーし、じゃあ行こうぜ!」


そういって教室を出た3人だった。





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