107話
瑛太と椎名さんペアも2人で教え合いながらも勉強している。
あのテスト勝負を約束してから暇があれば自分の家で勉強してるし、明里さんと一緒に下校してる日はちょくちょく明里さんの家にお邪魔して2人で勉強している。
「何かわからない所ある?」
正面に座った明里さんが気にかけてくれる。今はライバルなのに。
「ううん、明里のお陰で今の所は大丈夫だよ」
「だいぶ分かるようになってきたね」
…そりゃ死に物狂いで勉強してますから!下心を燃料に!!
「これは本当に俺が勝つ可能性が出てきたね」
「ふふ、それはどうかなー?」
「……いいなぁ直樹は…彼女とイチャイチャしながら勉強できて」
「そうだそうだー雰囲気がピンクだぞー」
隣に座ってる瑛太と椎名さんから小言が聞こえた。
…いやいや、君たち両思いだろうに…なんで早く付き合わないんだよ。
「椎名さんと進展ないの?」
瑛太だけにしか聞こえない程度の声で話す。
「え…い、いやぁ…踏ん切りが付かなくって…それにタイミングも…」
普段イケイケの性格なのにウジウジしちゃって…
「2人で勉強しない?とか誘って見たらいいのに」
「…いや、実はこの前2人で勉強した…」
「え!?…なんでその時告白しなかったのさ」
「はは…」
「2人でなにしてるのかな?」
俺と瑛太がコソコソ話をしているのが気になったのか椎名さんがそう言ってきた。
「い、いや、直樹に分かんねぇとこ聞いてたんだ!なぁ?」
俺に振るなよ…
「ま、まぁね」
「へぇー三津島くんそんな頭良いんだ!ぜひ私にも教えて欲しいぐらいだよ」
「だめ!直樹は私と勉強するの!」
静かな図書室ではなかなか響く音量で話す明里さんと椎名さん
「みんなー、ここ図書室だよー静かに勉強しようねー」
すぐに伊勢さんに怒られてしまった。
「「「「ごめんなさい」」」」
それから窓の外がオレンジ色になる頃まで大人しく勉強に精を出した。
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「じゃあバイバイー」
「おつかれ」
「またな」
「またねー」
校門で涼也たちと別れて明里さんと2人になった。
「結局藤岡くんとコソコソ何話してたの?」
隣を歩く明里さんが俺の左腕に自分の腕で抱きしめながら聞いて来た。何がとは言わないけど今日も柔らかい。
「あ、あぁあの時ね…」
言って良いのかな?まぁ明里さんなら大丈夫かな?
「椎名さんとの関係は進展しないのかって聞いてたんだ」
むにむに
「あぁー!それ!私も前千晴に聞いたよ!」
むにむに
「そ、そうなんだ、椎名さんなんて言ってたの?」
むにむに
「藤岡くんからの好意は分かってるし、付き合うのは全然即OKなんだけど、できれば藤岡くんの方から告白して欲しいから待ってるって」
むにむに
…わざと当ててるのか、たまたま当たってるのか分からないけど、俺の意識が全部左腕に集中しちゃうよ!!
「…直樹?」
「あ、え、えっと、瑛太は告白のタイミングが分からないって言ってた」
危ない…感触を楽しむのに夢中で返事するの忘れてた。しっかりしないと。
むにむに
「ちょくちょく2人で遊んでるって千晴が言ってたからチャンスはありそうなのにね」
「ほんともう瑛太次第ってことか…なにか良いキッカケでもあればいいけど」
「そうだねー!…今日はどうする?遅くなっちゃったけどウチ寄ってく?」
…正直今はもう腕に感じる柔らかい感触のお陰で勉強する気になんてならない…
「さすがに今日はやめとこうかな」
「むー…分かった」
明里さんは残念そうな表情になってしまったけど、今日は我慢してもらおう。
もう見慣れた明里さんの家に着いた。
「じゃあまたね!」
「うん、また」
自然と重なる2人の唇。
最近では朝イチと別れ際にキスをするのがお約束になってきている。
ただでさえ今悶々としてるのに火に油を注ぐような行為だ。
「気をつけてね!」
俺は明里さんに笑顔で見送られながら家路に着く、その足はいつもより早足だった。
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そんなこんなでやって来ました期末テスト1日目。
今日は理科、保健体育、社会の3科目。
暗記系はしこたま頭に詰め込んだから自信はある方だ。
「今日のテストはできそう?」
「そうだなぁ…自信はあるよ、明里は?」
「保健体育とかの副教科はちょっと苦手だからぼちぼちってところかなー」
…よしよし、今日のテストは勝てそうな気がして来た。
「今日さ!テスト終わったら望美と千晴と昼ごはん食べに行こうかって話があるんだけど、直樹達もどう?」
「俺と涼也と瑛太もってこと?」
「うん!この前のお好み焼き屋さん行こうってなってて」
お好み焼きと言えば…新山の親戚のところか。
「俺は全然行けるけど、学校着いたら涼也と瑛太に聞いてみるよ」
「お願いね!」
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教室に入ると、自分の机で必死に勉強している涼也が目に入った。
「おはよ涼也、今日学校終わったら飯食いにいこうぜ」
「………」
「涼也ー?」
「ん?あぁおはよ直樹」
「おはよ、今日のテスト終わったら飯食いに行こう」
「…行きてぇんだけど、明日の勉強しねぇとやべぇんだわ…行きてぇけど!」
…勉強しすぎだろ
「めちゃくちゃ頑張ってるじゃん、まぁ気分転換も大事だとおもうよ?」
「…そうだよな……行く…行くぜ」
「おっけ、ちなみに今日の飯、明里達からのお誘いな。後は瑛太だな」
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