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10話


玄関を上りリビングに通される三津島。

広いリビングには大きなテレビに大きいL字のソファ、リビングと繋がっているダイニングにあるダイニングテーブルまで案内されると、


「タオル持ってくるね!ちょっと待ってて!」

といい洗面所に繋がっているだろうと思われるドアに入っていく西條。


まさか女の子、ましてや好きな子の家に上がるなんて思いもしなかった三津島は緊張しながらも辺りを軽く見回す。

『すごい家だなぁ、何もかもが高そう。』

『誰もいないけど、親御さんは仕事かな?』


ガチャ


西條が大きめのタオルを手にリビングに戻ってきた。


「はい、とりあえずこれで拭いて!」

そう言いながらタオルを手渡してきた。

三津島は受け取ったタオルで水気を拭き取りながら

「いきなり男の俺なんかがお邪魔して家の人に迷惑なんじゃ…」

と不安になりながら西條に聞くが

「大丈夫、うち共働きだからまだ帰ってこないはず!それに私のせいで濡れちゃったのにそのまま帰すのは申し訳ないよっ」


顔を赤くしながら早口で言う西條。


水気もだいぶ拭き取れ、あまり長居しては悪いと思い

「そろそろ帰るね。タオルありがとう。」

カバンを手に立ち上がる三津島


「う、うん、ごめんね!今日はありがとう」

玄関まで案内する西條。


ガチャ

「じゃあ、お邪魔しました。」

玄関出て頭を下げて挨拶をする三津島。


笑顔で小さく手を振りながら

「じゃあね!三津島君バイバイ」

と返事をする西條


バタン


玄関のドアが閉まり、リビングまで戻って来た西條はソファーに体を埋め真っ赤な顔で

「ちょっと大胆になりすぎたかな……」

そう呟くのであった。





その後西條の家を出た三津島は、激動の1日を振り返り

『なにこの漫画やラノベみたいな展開…こんなの実際にあるもんなんだなぁ…』

赤くなった顔を傘で隠しながら家に帰った。



ガチャ

「ただいま」

リビングに入りながら挨拶する直樹に

「おかえり結構雨降ってたでしょう、お風呂溜めといたから入ってらっしゃい制服も先に洗濯するから洗濯機に入れといてちょうだい」

優しく声をかける翔子


「わかった、ありがとう、先風呂入ってくるね。」

バスルームに向かう直樹


洗濯機に制服を入れ、お風呂に入っているとバスルームのドアに人影が見えた。

コンコン

「直樹くーん、私見ちゃったんだー」

「今日の帰りに一緒の傘で帰ってた子はだれかなー?」

ニヤニヤした顔が想像できる声で姉である優子が聞いて来た。

『姉ちゃんに見られてた!?!?最悪だ…』


「た、ただのクラスメイトだよ!!」

焦って返す直樹に

「ただのクラスメイトねーふーん、お互い顔真っ赤にしながら相合い傘する相手が<ただの>クラスメイトねー」

なおもニヤニヤしているであろう声色で話す優子に


「別に姉ちゃんには関係ないだろ!」

余りの恥ずかしさに、怒ったような声で返す直樹に

「あの子のこと、直樹好きなんでしょ?」

と次は茶化すような声では無く真剣な問いかけを送ってきた。


茶化している雰囲気では無いなと思った直樹は正直に言おうか迷った後に

「まぁ多少は……」

と、恥ずかしさを隠しながら正直に話すことにした。


「青春してるねぇー、じゃあいろいろ頑張らないとだねー」

そう言いながら脱衣所を後にする優子。


直樹は静かになったバスルームでガシガシと頭を掻き

「でも…俺なんかじゃダメだろう……」

そう呟くのであった。






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