69.帰国④
【人物】
藤原夏良 主人公 31歳。 10歳の時、高熱から前世の記憶がよびおこされる。 父親は桓武天皇。養父が藤原冬嗣。藤原北家。良岑安世の名をもらう。妻は雪子、桜、京子。子は長松、宗貞、豊晨姫。
817年 弘仁8年4月
朝堂院を出たところで、藤原夏良、高橋彦兵衛、大明民の3人が話している。
オドオドする高橋彦兵衛、大明民の2人。
「実は」と高橋彦兵衛。
「うん、なんでしょうか」
「唐での移動時の意思疎通や言葉の理解をお互いにしていたら、親密になりまして、年は10程違いますが恋人のようになっていました。日本に着いたら結婚しようと言う話までしておりました」説明する高橋彦兵衛。
「えっ、大明民さんが言っていた好きな人とは彦兵衛だったの?」驚きでつい聞いてしまった藤原夏良。
「はい。その通りです。渤海人にはいない、優しく、芯のあるところに惹かれました」
「なるほど、彦兵衛のお嫁さんを探していたので、喜ばしい事で、嬉しい事なのですが、突然すぎて驚くと言うか、なんと言うか。まずは、彦兵衛おめでとう」プチパニックな藤原夏良はしどろもどろである。
「ありがとうございます」
「お祝いと今までの感謝も込めて、一軒贈る事にしよう。どの場所でもいいので売り物件の家を探してきてくれ」
二人とも喜んでいる。
「実は、売ってくれる人と話をしていて、左京九条令に許可を取る所まで進めています」
この時代の土地の売買は地域責任者の許可が必要なのである。
「気が早いな」
「夢は大きく。です」
「大明民さんも家は気に入ってるの?」静かな大明民さんへ話しかける藤原夏良。
「はい。東の端なので東から来る旅人を眺めているのも楽しいです」
「いい場所そうだね。さすがに目利きが2人そろうと、無駄はなさそうだ」
「しかし、結婚となると、お兄さんには言わないといけないのでは?」
「今度出る渤海使の方に文を頼もうと思っています」大明民さんが答えた。
家に帰り、彦兵衛と大明民さんの事を3人の妻に話した。
雪子、桜、京子とも喜んでいる。
「披露宴に着て行く衣を新調しないとね。明日皆んなで生地選びに生地を持ってきてもらいましょう。唐から新しい生地が来たらしいわよ。」
いつの時代も買い物は女性を楽しくさせるもののようだ。
817年 弘仁8年5月
高橋彦兵衛の新居にて結婚式が行われた。
嵯峨天皇がお忍びで参加されたのだが、警護が多くてお忍びなのか、かえって目立ってしまっているようにも思えた。
ただ、藤原夏良と顔がそっくりなので、天皇家と言う事はわかっているのであろう。遠巻きに見ている人が多かった。
滞りなく終わりほっとした藤原夏良。
そうしていると、二口の従者が文を持ってきた。
文を読む藤原夏良は顔が強張った。
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