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藤原夏良  作者: m@ho
嵯峨天皇
61/76

58.従二位⑤

【人物】

藤原夏良 主人公 29歳。 10歳の時、高熱から前世の記憶がよびおこされる。 父親は桓武天皇。養父が藤原冬嗣。藤原北家。良岑安世(よしみねのやすよ)の名をもらう。妻は雪、桜、京子。子は長松、宗貞、豊晨姫。

816年 弘仁7年4月

藤原浜主が早朝、藤原夏良の自宅に突然来た。

「言伝の余裕がなく、直接訪問して申し訳ありません。」

「どうしましたか?」

「父が左大臣を辞めて、隠居すると。まずは良岑安世右大臣に礼を尽くす為にも早目にご相談したいと」気落ちしている藤原浜主。

「これから向かいましょう。朝は特に用事はないので、大丈夫です」

従者と衛士を連れて籠に乗り、藤原園人邸へ向かう。引越してからは左京へは少し離れてしまった。

左京では、歩けば藤原に当たるというぐらい、藤原が多い。


藤原園人邸では養父の藤原冬嗣が先に来ていた。

「おはよう、夏良も呼ばれたのですね」

「はい。二人を呼ぶということは、政治的な依頼ですかね」

「まあ、聞けばわかる」

従者に案内され、療養中の左大臣藤原園人の寝室に入った。

「突然お呼び立てして、すみません。気力もなくなり、治癒も遅くて、とうとう若手に任せる時代になってきたのかと思って、ご相談をと、お呼びさせていただいた」従者に支えられながら、起き上がった。

「治療が終わってからお話ししたらどうですか?」藤原夏良が話す。

「体が回復すれば良いのだが、還暦の体ではどうも心配でな。良岑安世殿、この後の事はお願いする」

「万が一何かあっても、後の事は任せてください。父の藤原冬嗣もおりますし、他にも同族の者も多数おりますので、全員力を合わせて政務を行っていきます」藤原夏良が答える。


「そこでじゃ。貴族に力を集中させて良いかどうかの答えを教えてほしい。貴殿は私の理解を遥かに超えているからの」


「わかりました。周辺には唐、渤海、新羅ですが、単独で攻めることも、海を越えて攻められることも非常に困難です。そのため、防衛に力を注ぐ事を抑え、国力増強に努めます。国力増強のためには、人間の競争心、向上心、生存本能を中心に自然と、貴族中心の統治をすべきです。大きな問題点は大きくなった貴族の抑止ですが、貴族同士の争いになる場合は、更に争う力で、国力増強となります」

「力が偏ると、帝に対抗する者も出ないか?」

「神の血筋は、多くの神の姓をいただいている者がおり、途絶える事はないかと思います」

実際、350年後には源姓が活躍する。

歴史が変化しているので多少のズレはあるかもしれない。


藤原夏良は続けた。

「資源、知識はこの国だけでは限界があり、他国から輸入が必要です。他国との貿易には絹を中心とした物を交換に出すのが良いでしょう。多くの知識、物を仕入れましょう。物を欲する物欲を利用、更に競争心を煽ります。全員が裕福になり、安心すると向上心は無くなります。競争心があってこそ国力増強になります」


「そこまで考えていたのか。やはり、後は任せるので、安心して静養できる。ありがとう」


休んだ藤原園人を後に藤原夏良と藤原冬嗣は家を出た。

「お静かでしたね、父上」

「おいおい、私が口を出す機会は全くなかったぞ」


藤原園人の書状が帝に届き、今度は帝から呼び出しがかかった。

翌日、太極殿の帝執務室前。

藤原夏良、大納言、中納言全員呼ばれた。

「皆、早朝からありがとう。聞いていると思うが、左大臣から書状が届き、左大臣を辞したいと言うてきた。」


『さて、どうなるか』

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