表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
藤原夏良  作者: m@ho
嵯峨天皇
51/76

50.正三位④

【人物】

藤原夏良 主人公 27歳。 10歳の時、高熱から前世の記憶がよびおこされる。 父親は桓武天皇。養父が藤原冬嗣。藤原北家。良岑安世(よしみねのやすよ)の名をもらう。

813年 弘仁4年10月

藤原夏良はこれから降る雪を利用した雪室(ゆきむろ)蔵を造る為に蝦夷に来ている。

仙台地区は雪が積もりにくいので、仙台地区の北側。広瀬川の上流に造る。

収穫したお米等の長期保存方法として雪室(ゆきむろ)の利用を考えていたのである。


まず収穫した米を積上げ、板で囲む。少し離した場所に同じように米を積上げ、周辺を板で囲む。

このような米の山を幾つか作り、米山層の間に降った雪を固めて、天井に屋根を張るという感じにする予定。

氷雪柱で出来た柱に囲まれた蔵という感じとなる。これにより、秋に収穫した米を1年間程度の間、保存が出来るのである。


「仁平殿に雪室の管理をお願い出来ないでしょうか。」藤原夏良は雪室蔵作りを見ていた仁平に訪ねた。

「初めて見るので、是非ご教授いただければありがたい」

「では、雪の降った2ヶ月後再度集まりましょう」

今年は豊作の年であったので想像以上に米の収穫があった。不作時の対策のためにも試験的に作成することを考えていたのである。


814年 弘仁5年1月

雪が深くなっており、仁平と一緒に蔵へ向かっていた。

「もっと下流で良かったね」

「試験的なもんだで、まずまずでないかい?」

仁平の部下がおおよその形を造っていた。雪を板で叩きレンガのように固めていく。

「天井の上にも雪をのせ、雪で蔵を囲うようにしてください。そして、(わら)で周囲を囲います。」

説明をしながら周囲に藁をひいていく藤原夏良。

大きな雪かまくらが藁で囲まれていき出来上がっていく。

藁で周囲を囲んでいくと、直接日光が当たらないため、溶けにくいのである。

記憶だと夏まで冷えてもつはずなのだが、何月までいけるのだろうか。


814年 弘仁5年4月

苗床の育成を見てから、養父の藤原冬嗣の家に訪問した。

「従三位おめでとうございます」

「ありがとう。子供に追いついてきたぞ」

「すぐに追い抜きますからご安心を」

出来たてのどぶろくを差し出した。

「美味しいなこの酒」

「豊作だったので、良い米を厳選しているので美味しく出来上がってます。追加注文も間に合わないぐらい人気ですが、今日はお祝いなので沢山持ってきときました」

養父の従者が近づき、「荷馬車一台分のお酒をいただきました」

「官僚よりも商売人の方が合っているのではないかな」

「自分でもそう思います」

一日中笑いの絶えない藤原冬嗣邸であった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ