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藤原夏良  作者: m@ho
平城天皇
35/76

35.正四位下⑩

【人物】

藤原夏良 主人公 20歳。 10歳の時、高熱から前世の記憶がよびおこされる。 父親は桓武天皇。養父が藤原冬嗣。藤原北家

806年 大同元年11月

直衣(のうし)の姿で歩く藤原夏良を、知らない人は神野親王が歩いていると思っている。

堂々と大内裏へ入っていく。

事前に用意していた倉庫へ入る。

宮中に潜らせている配下に変装道具や毒薬、薬など保管させていた。


全て藤原夏良が指示して用意した物なので、テキパキと作業ができる。

あごひげをつけ、白髪を足して、少しシワを入れてと。うん。よし。顔を布で隠して外へ出た。


夜遅い為人は少ない。

警備の交代なので死角ができている。

帝の寝室の隣の部屋に入り、屋根に近い窓側から外へ出ると、隣に窓があり、寝室に潜り込める。

戻る時用の縄をセットして、縄とともに寝室に入っていった。


お香の匂いがきつい。

寝室には一人だけのようだ。

低音に気をつけてしゃべる藤原夏良。

「安殿よ」帝の耳元で小さくしゃべる。

「お父上?」恐る恐る起きた平城天皇。

「兄弟仲良くせよと申したではないか。弟を切り捨てるつもりか?」

正座する帝。震えている。

「神野皇太弟を廃位するとお主の声から聞こえて参ったのじゃ」

「申し訳ありません。周りの雑音からそのように考えてしまった事も事実です。考えを改めます。」

「良く考えて行動するのじゃよ」

「はは」床に頭が着くぐらいの土下座スタイルだ。


桓武天皇演じる藤原夏良は静かに急いで窓側から出ている縄を手繰って外へ出た。

隣の部屋に戻り、縄をしまい、道具も元通りにしまう。

帝の事は気になるが、早くに大内裏を出る藤原夏良。

顔を隠して朝堂院に戻る。執務室には誰もいなくなっており、少し休憩をするのであった。

緊張していたせいか、そのまま寝てしまった。


戻らない藤原夏良を心配して彦兵衛が来朝して起こしてくれるまで熟睡していた。


翌日、執務室にいると藤原貞嗣が入ってきた。

「帝が皇太弟へ譲位すると騒いでいるらしいです。臣下と神野親王とで抑えているようですが、精神的ショックの方が大きいようで少し朝議には出れなそうです」

「何があったか知っていますか?」

「何でも父親である桓武天皇に叱られたらしいです」

「なるほど、よほどお疲れのようですね」

「藤原仲成達も収拾に苦労しているようです。しばらく皇太弟に摂政してもらうとの詔です」

良い流れであるが、急いでは危ない。逃げ腰で対応するのが吉。


「有難うございます。一つ調べていただきたいのですが、ジャコウのような匂いのお香と効果を調べてほしい」

「それは、芥子(けし)の仲間じゃないですか?」

「幻覚症状が出ると聞きます」

「入手方法を調べてくれ」

「わかりました」


帝を薬漬けにするつもりなのだろうか。

「心配だな」

腹違いとは言え、仲の良い兄である。


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