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藤原夏良  作者: m@ho
桓武天皇
3/76

3.従七位下②

【人物】

藤原夏良 主人公 10歳の時、高熱から前世の記憶がよびおこされる。 父親は藤原冬嗣。藤原北家


鈴鹿疾風 生没年:768〜820

平安時代の武官。坂上田村麻呂が征夷大将軍を勤めた時に軍師として従軍。蝦夷征伐の立役者と言われている。


藤原緒嗣 生没年:774〜843

平安時代の政治家。藤原式家、参議・藤原百川の長男。官位は正二位・左大臣、贈従一位。山本大臣と号す。

鈴鹿疾風の周辺に鎧を着た者が4人いた。

「これから軍の編成を行うので小隊長400人を集めて欲しい」伝令が走り回っている。「小隊長召集」

二郎丸鷹森が藤原夏良に近づく。


「藤原夏良殿、貴殿が小隊長ですよ。」驚く顔を一瞬したが、腑に落ちた顔になる。


「そうですよね。二郎丸鷹森殿が行くものだと思っていました。」

腰をあげ、歩き出す藤原夏良、笑顔を交わす2人。彦兵衛が心配そうに横で見ている。


小学校の頃にグラウンドに集まった朝礼を思い出していた。小学校に行ってたなと記憶が蘇る。

緑色の官服に鎧を着た者、着ていないものがバラバラである。

藤原夏良のような若い人はおらず、周辺からの注目を浴びている。


「これから伊治城(これはりじょう)を目指し行軍する。各隊は弓矢を確保して行軍するように。弓矢に番号が付してあるので、番号順に出立する。100番、200番、300番、400番で1中隊として それぞれここにいる中隊長である岡崎隊、藤原隊、成島隊、藤島隊となる。以上。」甲冑を着ている中隊長の案内があった。

藤原隊の隊長は藤原緒嗣。藤原式家の礎の一人だ。

山積みになった弓と整然と並べられた矢を小隊長が並んで取っていく。


鈴鹿疾風は台から降りると藤原夏良に近づいてきた。

「藤原夏良殿お疲れ様。貴殿には別働隊として情報収集にあたって欲しい」


「胆沢に先行して潜伏すると言う事ですね。」

「凄いな、噂に聞いているが元服したばかりの方が戦場にいるだけでも異常なのに、俯瞰の能力もあるとは恐れ入ります。」

この時代の成年年齢が若いとしても、まだ中学生になるかどうかの年齢であり、周囲の人からは常に異色な者として見ている。


「蝦夷の指導者はアテルイ。副将がモレイと言われている。」

「情報が大事である事は分かります。一つだけ聞いていいですか?」藤原夏良は尋ねた。


「何故蝦夷のアテルイは京と対立するのでしょうか。」

「本心は分かっていない。我々に従わないという事は聞いている。」

「相手と話さず30年も戦っているのですか?」


「伊治も胆沢も君主が離反しているので混乱したままになっている。蝦夷は米も馬も木材の生産も潤沢、勇猛な敵もいて手こずっている。といった感じでしょうか。実は蝦夷の事は京から遠い事と左遷的な君主の感情と豊かな土地などなど貴族の思惑が暗躍しているなどなどうまくいっていないのが実情です。」

いつの時代も変わらない豊かな財産を後世に残したい思い。同族意識による蝦夷への偏見。


「分かりました。現地に赴き情報を正確に取得してきます。

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