青い鳥同盟
小さいころに青い鳥を見た双葉桜。高校に進学したら同じように小さいころに青い鳥を見たという犬神涼と出会った。そこから青い鳥同盟を結び、一緒に青い鳥を見つけるために奮闘する。
登場人物
双葉 桜 この物語の主人公
犬神 涼 この物語のもう一人の主人公
青い鳥 この物語の軸となる鳥。 正体はなぞに包まれている
①私はどうしたい
私は、涼と今の関係を続けたい。そのためには絶対見つけてはいけない。見つけたいけど見つけたくない、そんな複雑な気持ちが私の中に渦巻いている。
②俺のこころの中
俺は桜と今より先の関係に進みたい。そのために絶対に見つけなければならない。見つけて彼女に気持ちを伝えるんだ。そんな決心をした。
③さくらの過去
私は5歳の時、母に連れられ町内会のバードウォッチングに参加していた。その時、木に止まっていた、一羽の澄み切った空のような色をした青い鳥を見つけた。帰って図鑑で調べてみたが、そんな鳥はのっていなかった。絵を描いて母にも聞いてみたがそんな鳥はいないと言われてしまった。周りの大人たちも見間違いじゃないかと言ってきた。でも私は確かに見た。そしてもう一度見たいと思った。その後も高校に入るまで何回もバードウォッチングに参加したが一度も見つけることができなかった。
④高校での出会い
私は高校に進学した。その日は全員スケッチブックを持ってきて、二人一組でデッサンをしていた。私はくじ引きの結果、犬神 涼という男子と組むことになった。授業が終わり、片づけをしていた途中に私はスケッチブックを落としてしまった。そして落ちた時小さいころに書いた青い鳥のページが開かれ、犬神の足元に落ちてしまった。犬神はそれを拾ってくれたが、私は周りから批判された経験から、架空の生き物を書いていると言われ、笑われると思って怖かった。しかし、笑わずに犬神は私にスケッチブックを渡すと放課後、屋上に来てほしいと言った。私は驚いた。高校になってから出会ってまともに話したのは今日が初めて。なのに、いきなり呼び出されるってどういうこと。私は混乱しながらも言われた通り放課後、屋上に向かった。着くとすでにそこには犬神がいた。「スケッチブックに書いてあった青い鳥っていつどこで出会った?」と唐突に聞いてきた。私は5歳の時バードウォッチングをしたときに森の中で見つけ、もう一度見つけたいけどまだ見つけられていないということも話した。「俺も小さいころにお会い鳥を見つけた。見つけてとてもきれいだと思って、もう一度見たいと思った。この鳥を見つけるために俺と協力しないか?」と言われ私は断る理由はないと思い、この誘いに乗った。私はこの協力関係を「青い鳥同盟」と名付けた。
⑤涼の過去
俺が6歳になる少し前、俺は近くの森に遊びに行った。ふと上を見たら青い鳥が飛んでいた。しかし、その鳥は一瞬でどこかへ行ってしまったため、はっきりとは見えなかったが、空と同じくらいきれいな青色だったことを覚えている。それ以降、写真に撮りたいと思い何度も森に足を運んだ。しかし、あれから一度も見つけることができなかった。それから10年の月日が流れ、俺は高校生になった。
⑥運命の出会い
高校生になり俺は、とあることから双葉桜という女子と協力関係を結んだ。目的は青い鳥を見つけるためだ。この協力関係を双葉は、「青い鳥同盟」と呼んだ。俺もその名前が気に入り賛成した。こうして俺と双葉の奇妙な関係が始まった。
⑦始動、青い鳥同盟
協力関係を結んだ翌日、私は犬神とさっそく、私が青い鳥を見つけた森にやってきた。「私が青い鳥を見つけたのはこのあたり。あの木に止まっていたんだけど少し目を離したすきにどっか行ってしまった。」と説明した。じゃあ、一週間ぐらいはこのあたりを探そうといったので、私と犬神は放課後に毎日この森に通ったが、成果はなかった。
⑧第二の候補地
俺たちは探す場所を変えて、俺が鳥を見た森にやってきた。俺は道案内をして、前の場所と同じように放課後に一週間その森を探し続けた。しかし、見つけることができなかった。
⑨別の方法
私たちが青い鳥を目撃した二つの地点で見つけることができなかったため、方法を変え、目撃証言を募るためにクラスメイトに声をかけたが、誰も見たことがないと言って近所の人にも声をかけたが進展はなく、捜索から一か月ぐらい経って捜索は振り出しに戻った。困った私たちは放課後に集まって作戦会議をした。捜索範囲を広げることを提案しようとしたが、どこを探せばいいか手掛かりがないことから、まずは隣町への聞き込みを開始しようとした。しかし、時間がかかるのでそれは夏休みに入ってからやることにした。そして夏休みまでに何をやるかを決めることになった。「もう一度それぞれが鳥を見た場所を見てみない?それぞれ自分が見つけた場所で」と提案した。彼は少し考えてそれを了承した。
⑩方法の模索
双葉の提案以外に何も方法が思いつかなかった。俺は乗るしかなかったが、ほかの方法がないか今でも模索している。しかし、それができるのも期末試験前の6週間ぐらいだ。俺は考えながらも森に毎日足を運んだ。そして2週間ほどたったころ俺に妙案が飛び込んできた。逆になんで思いつかなかったのかとも思った。俺はさっそく防犯カメラを買い、森に設置した。翌日、双葉にも渡し設置するように言った。しかし、期末前に回収したカメラにはどっちの地点にも、タヌキやキツネなどの普通の動物しか映ってなかった。
⑪夏休み
夏休みになり、私たちは隣町の学校に頼み込んで校内に張り紙をさせてもらったり、学校の課題と嘘をついて住宅地で聞き込みなどをしたり、ありとあらゆる手を使って探したが一つも有力な情報はなく夏休みが終わってしまった。
⑫心境の変化
新学期になると私は涼のことを意識するようになった。理由は夏休み中に涼に言われた言葉だ。「同盟関係を結んでいるのに名字呼びって他人行儀っぽいから名前で呼び合わないか。」と言われた。私は深く考えず了承してしまったが、今考えてみると、とても軽率なことをしてしまったと思った。今まで男子に名前で呼ばれることも男子を名前で呼ぶことも小学校の時以来、全くなかった。そのため涼から名前を呼ばれたり、涼の名前を呼ぶたびにドキドキしてしまう。
⑬名前呼びの本当の理由
俺は同盟関係にあるという理由で、双葉を名前呼びすることにしたが、本当の狙いは桜と恋人になりたいが、それはまだかなわない。でもそういう雰囲気を感じたいと独りよがりな思いから提案した。桜が提案に乗ってくれた時はとても嬉しかった。
⑭青い鳥の伝説
私たちは、図書館で情報収集をしていた。私たちが思いつくような方法はすべてつくしたが、情報を待っているだけだと落ち着かなかった。その時に涼に提案された。「本に何か書いてあるかも。」と言われ私達は、図書館で本を探している。そして一冊の本を見つけた。『青い鳥の伝説』と書いてあった。読んでみると私達の知らない情報がたくさん書いてあった。青い鳥は成人すると見えなくなること、数日間同じところにとどまること、同じ場所に戻ってくることはないなどが書いてあった。
⑮有力な情報
9月になって2週間ほどたったころ、夏休みにポスターを張らせてもらった中学校の生徒から青い鳥を見つけたと連絡がきた。私はすぐに涼に電話し、土曜日に探しに行った。
⑯ついに対面
土曜日を迎えた。私は気持ちが上がっていたが逆にこの関係が終わってしまうという残念な気持ちがあった。連絡してくれた中学生に連れられて森に連れて行ってもらった。森に近づくにつれ残念な気持ちが強くなってきた。森について涼と二手に分かれて探して10分ぐらいたったころ涼が「見つけた。」といった。私は残念な気持ちを押し殺し、涼のほうに向かったが涼の指した先に木の枝にとまっている青い鳥が見えた。
⑰ついに見つけた
俺は桜から連絡を受け大いに喜んだ。俺は土曜日に青い鳥を見つけたら桜に告白しようと心に決め土曜を待った。土曜日、森に着き10分ほどで見つかったのでちょっと拍子抜けした。桜に連絡を入れ、俺は青い鳥を監視した。桜が来て少しして俺は青い鳥に向かって声をかけた。声が聞こえたのか青い鳥が俺たちの前に降り立った。そしてこう言ってきた。「あなたたちはなぜ私を探していたのですか?」と聞かれ俺は、なんで知っているんだろうと思ったが、「初めて見たときとてもきれいでも一度見てみたかったから。」と答えた。それに桜は同調した。俺は青い鳥にお願いして一緒に写真をとらせてもらい、青い鳥と別れようとした。すると「私と話したことはほかに人には言ってはなりません。そして、あなた方はもうそろそろ成人するので、私にもう会うことはないでしょう。」と言ってきた。俺と桜は了承して、青い鳥と別れた。
⑱告白
青い鳥を見つけた翌週の月曜日、俺は桜を校舎裏に呼び出した。俺は「同盟関係は終わったけどこれからも俺と一緒にいてくれ。恋人として。」と告白した。桜は了承してくれた。俺はこの幸福をかみしめ、そして俺は桜を一生幸せにすると心に誓った。
⑲告白
私は月曜日の放後、涼に校舎裏に呼び出された。同盟関係が終わったのに今更何だろうと思い、私は校舎裏に向かった。着いたら涼がもう待っていた。そして数秒して涼が告白してきた。私も涼のことを同盟関係を続けて名前呼びにしてから意識するようになっていて気が付けば好きになっていた。私は嬉しくなり告白を了承した。そして私たちの関係は新しい形で再スタートした。これからもいろんなことがあると思うが、今回、青い鳥を見つけられたように、私達二人でなら何でも乗り越えられる気がした。
⑳エピローグ
あれからの高校生活、私たちはたまに、また会えないかという期待を持ち、森に行っていたが高校を卒業するまで会うことはできなかった。卒業式の日、式が終わって私は、「本当に青い鳥が言っていたようにもう会うことはできなかったね。」と言った。涼は「そうだな。でもちゃんと記憶には残っているし、記録もあるだろう。」と言って、あの時青い鳥と一緒に写った写真を見せてきた。「そうだね。」と私は同調し、涼と一緒に学校を出た。 END
初めまして(こんにちは)桑原大樹です。この物語を書き始めて5か月。学生生活の合間をぬい、短編小説という形ではありますが書きあげられたことを嬉しく思っています。現在書いている他の小説にまだ途中ですが、『現役高校生魔女の人間界研修』、『人気アイドルへの転生』という本も書いているのでよかったら読んでみてください。では、また別の小説でお会いしましょう。